隣の別荘の家政婦

「社長のホンマです」

やっと手に入れた夢の別荘。
これからの生活を夢想しながら、別荘の手入れ、薪づくりの作業を進める男性。
そこへ訪れる、隣の家政婦。

そこから始まる恐怖。
家政婦を名乗る女性の狂気。
隣人の行方。
冒頭のセリフを残し、立ち去る家政婦を名乗った女性。
次々と明らかになる、驚愕の真実。

女性の狂気って怖いですよね。
無駄のない展開に引き込まれます。
隣で行われる狂気の宴を想い、震え慄く男性と共に恐怖を体験しましょう。

直接的なスプラッター描写はございません。
タグに『コメディかな』とかあります。

　この作品は、二つの視点で語られて行きます。
　一人は、早期退職をして念願の別荘を買った須藤さん。もう一人は、彼の隣の別荘の家政婦さん。
　この二人の出会いは、須藤さんが庭をチェーンソーで整えていたときでした。
　家政婦さんがやってきて、チェーンソーの話をしているうちに、須藤さんが使っていたものを「貸してほしい」と言うのです。
　時間内に庭の手入れをしなくてはいけないのだろうと思った須藤さんは、彼女の事情を察し貸すことにします。
　ですが、一時間後に戻ってきたそれからは、ある「におい」がして――？

　何となく事件のにおいがしますが、そう思った時点で作者さんの術中にはまっています。二人がこの…続きを読む

念願の別荘を手に入れた語り手に、隣の家のものだという女性が話しかける。その夜、彼のもとへ訪れる「チェーンソーの恐怖」の裏に隠されたものとは！

緻密に、しかして生き生きと編み上げられたこの筆致。真相にもおもわず膝を打つこと間違いなしです！

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（536文字）