ブラックユーモア炸裂!家政婦とマグロと別荘トラブル

本作品は、主人公と隣人の家政婦・社長が繰り広げる、ブラックコメディな物語である。

それぞれの登場人物から、次々と繰り出されるどんでん返しは、読者の予想を常に裏切り、飽きさせない。

チェーンソーとマグロを巡る一連のエピソードは強烈で、狂気じみた行動に見えてしまうところに思わず苦笑してしまう。

ラストの主人公の「別荘を売る」行動には、特にブラックユーモアが効いている。

主人公は、家政婦から借りたチェーンソーに付着した、正体不明の肉片を目撃している。

そして、家政婦が「社長のホンマ」と称して渡したマグロを、主人公は人肉だと誤解したと考えられる。

しかし、主人公はあえて真相を追及することなく、黙って別荘を売りに出してしまう。

別荘を売りに出すという行動は、「問題から逃げる」「関わりたくない」という主人公の消極的な態度を表していると考えられる。

主人公は、真相を確かめるよりも、トラブルから離れることを選んだのだろう。

それにしても、念願のFIREファイアを果たして、サラリーマン生活を卒業して、別荘を買ったのに、このような怖い思いをした主人公にとって災難な出来事だったに違いない。

このように、ブラックコメディ仕立てのスリリングでユーモラスな作品だ。