眠り姫には目覚めのキスを

　山河ケイスは十年前植物状態となった守屋さとりを助けるべく科学者となり、さとりを目覚めさせるため、彼女の意識と自らの意識をつないだ。だが、その際に記憶を失う。
　記憶喪失のケイスは何かをしなければならないと思いながら、おりん片手に、ケイスとさとりの意識が混在した世界を旅することとなる。
　ケイスとさとりの出会い、人付き合いの悪いさとりの根底に潜むトラウマとその原因、ケイスの幼少期の思い出などが世界という形でケイスの前に現れる。
　旅をするうちに、ケイスはさとりが自分を疎ましく思っていたことを知り、愕然とする。
　ケイスが途方に暮れたとき、少女が現れる。その少女は幼少期のケイス自身であり、今のケイスを初心に帰らせる。さとりを助けたいという気持ちを思い出すと同時にケイスは記憶を取り戻す。
　その…続きを読む