第5話 ダンジョン5階層 ゴブリン

 今日は5階層のゴブリンに挑むから事前準備を欠かさないでおく。動画や掲示板なんかも見てみるが、掲示板にすごく気になるスレがあった。それも『東京大ダンジョンにすごい美人が現れる』というのだ。……心当たりしかない。

 それによると黒髪赤目の目つきの鋭い美人を見た。大多数が目撃してるのとそこらのアイドル冒険者なんか目じゃないくらいの美貌を持ってるから話題になっているようだ。

 少し読んでにやけつつも、ゴブリンに関することに戻る。ゴブリンはだいたい100cm前後で手にはこん棒を持っている。肌も緑色で血も緑色しているし、特に醜悪な顔が特徴的だ。


「その醜悪さにトラウマになる人もいるらしい」


 とりあえずはしっかりと盾で防いで、カウンターをくらわせるのが基本みたいだ。つまりイヌネコと同じように戦えばいい。まあ人型だったり武器を持ってるところは違うけど。


「さてそれじゃあダンジョンに行きますか」


 そうしてダンジョン5階層についた。この階層からはいままでのように直線に進めば次の階層にたどり着けるわけではない。まあ次の階層までの階段は地図があるからわかるけど、とりあえず真っすぐ向かわないで念のため逃げることも考えて近くで戦うか。

 そうして近くを探索するとゴブリンを見つけた。動画で見てた通り醜悪な顔だな。こちらには気づいていなさそうだからカウンターを狙わず突っ込む。途中で気づかれたが構わず近づいて剣を振るうが、こん棒で防がれた!


「くっ!」

「グギャァ!」


 そのまま力比べしようと思ったがゴブリンの方が力が強い。少しずつ押し返されたから、わざと力を抜いて受け流すようにしてみる。これがうまくいってゴブリンの態勢が崩れたが、右の剣も一緒に流れて振るう時間がない。


「せいっ!」

「ギャッ」


 剣を振るう時間がないと思っていたら、左手の盾でゴブリンの頭を殴っていた。これがいい一撃だったのか、そのままゴブリンはフラフラとしている。


「チャンス!」


 そのままゴブリンを切り裂くが、一撃では沈まない。結局7、8回切ったところで致命傷になったのかゴブリンが倒れた。


「ふー。何とか倒せました」


 ゴブリンにこん棒で防がれた後、力比べで負けたのはびっくりした。一応STRは20あるんだが足りないのか? それとも押し比べとかだと武器補正乗らないとか。とりあえず注意はしておこう。


「それにしても自分のことながらよくとっさに盾で殴れましたね」


 振り返ってみるがとっさに殴ったにしてはきれいに殴れた。やっぱり盾術の補正効果か?


「とりあえず階段のところに戻りますか、あそこには魔物は近づいてきませんからいろいろと確認できますし」


 そうして急いで階段付近に戻った。


「とりあえずゴブリンのドロップアイテムからですね」


 確認するとドロップアイテムはゴブリンの魔石、血がドロップしていた。


「まあこの2種類ですか。レアっぽいのは無しと。次は装備製作ですね」


 ドキドキしながら装備製作を開く。前見たときはそこにはなにもなかったが果たして?


「っ! よし!」


 そこには剣、槍、斧、弓、杖、盾、防具が追加されていた。試しに剣を見ても名前は???で表示されているが、必要素材欄には魔石と血が載っている。他にも素材が必要だが、ひとまずゴブリンの素材からは装備が作れるのがわかった。

 だがこれまた必要な素材数が多い。魔石だと100、血でも70必要とか。まあその分強力だと思いたいな。

 6階層はゴブリンが2体パーティーを組んでいるから、1人だと瞬殺しないと厳しい。ゴブリンの武器が突破口になればいいが。


「一先ずゴブリンを狩りますか」


 とりあえずゴブリンを狩ろう。さっきはうまくいったから良かったが、もう少し安定して狩れるようにがんばる。

 さて前の方にゴブリンを見つけたが、ゴブリンもこちらを見ている。とりあえず事前通り防いでからカウンターを狙うか。


「グギャァ!」

「ふっ!」


 こん棒で殴りかかってきたので盾で防ぐが、腕にまで衝撃が来る。これはHPにまでダメージがきたか? そのまま何回も殴られるがとりあえず防ぐ。そしてタイミングを計りつつ、殴ってきたところを躱す!


「今!」

「グアァ!」


 躱したら後ろががら空きになるので胴体目がけて剣を振って切る。そしてまたこん棒を防いで、躱したら切るを繰り返して倒した。


「何とか安定して倒せますね。HPも5くらいしか減ってないですし。まあこのやり方も生きてないダンジョンの魔物だからでしょうし」


 一般的にダンジョンのモンスターは生きてないといわれている。理由は食事や睡眠をとらないこと。なにより学習能力がないことだ。

 さっきまでの戦い方を見ればわかるだろうが、まるでゲームのように同じ行動しかしない。まあそのおかげで楽に戦えるのだが。


「とりあえずHPが半分を切らないように注意しながら戦っていきましょうか」


 こうしてたくさんのゴブリンと戦った。ゴブリンからドロップしたアイテムは結局魔石、血、こん棒、骨、睾丸の5つだった。睾丸を見たときはうえっとなったがまあ仕方ないだろう。そしてアイテムボックスで確認できる名称は、小鬼の○○となっていた。


「剣を作るには魔石100、血70、こん棒50が必要。防具は魔石300、血200、こん棒100、骨70、睾丸20とたくさん必要なんですよね」


 なんで防具に睾丸がひつようなのかコレガワカラナイ。まあゲームはそんなもんだし諦めよう。とりあえず作るとしたら剣からだな。その後防具でできれば他の武器も作りたい。


「そして今のところゴブリンの素材は魔石29、血15、こん棒13、骨1、睾丸1と。やっぱり時間かかるから少ないですね」


 魔石は倒せば必ずドロップするけど、他は確率みたいだからな。とりあえずしばらくは5階層でゴブリンをたくさん狩る必要がある。まあ今日はもう時間だから帰るけど。


 ちなみに家に帰ってから試しに魔石をポイントにしてみると、5ポイントで嬉しかった。



武器 初心者の剣、初心者の盾

防具 初心者の革鎧

HP 100

MP 100

STR 10(+10)(+1)

VIT 10(+20)(+2)

AGI 10(+10)

INT 10

MIN 10(+20)

保有ポイント 240

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