第7話 ダンジョン6-10階層 ゴブリンパーティー
「ふふふ、あははは、アーハッハッハ!」
斬る、斬る、斬る。両手にそれぞれ持った小鬼の剣でゴブリンを切り裂いていく。その気持ちよさに思わず高笑いをしてしまう。今はどこかというと6階層から二刀流で進んでいたが、簡単にゴブリンを倒せるからと10階層まで来てしまった。
ここだと6体のゴブリンがパーティーを組んでいるから、普通だと数の差がなくなってきつくなる。だが私には新調した小鬼の剣があるから、余裕をもって対処できる。10階層となると一撃では倒れないが2撃くらわせると倒せる。
それが無双ゲームみたいで楽しくて、思わず大声で笑ってしまった。このあと意外とストレスがあったのかと冷静になって、赤面することになるのだが。
「な、なんとか落ち着きました。思わずはしゃぎすぎましたね」
それにしても二刀流はいいな。防御面に不安が残るが、それを上回る爽快感だ。しかも手早く倒せるから、戦闘時間が短くなって結果的にたくさん戦闘できる。おかげでゴブリンの素材がたくさん溜まる。
「そしてこれがボスの扉ですか」
そして目の前にはボスの扉がある。扉にはきれいな彫刻があって、なんか威圧感がる。
「5階層からあっという間でしたね。やっぱり強い武器を作って装備して攻略していくのがいいのでしょうね」
ゲームアバター(ハンティング)スキルだが、大体わかってきた。ハンティングの通り、モンスターを狩って素材を集めて装備を作って強化していく。それがこのスキルの強さだろう。
現に装備を変えるだけでここまでこられた。そこまで的外れの考えではないだろう。つまり何が言いたいのかというと、
「装備を優先して作って、強化もしていくべきですね」
アバターカスタマイズも気になるが、それ以上に装備を作って強化していく方が強くなれそうだ。
そんなわけでこれからは装備製作を優先して、アバターカスタマイズは二の次だな。アイテムショップの気になるが、そこまで使わないからいいだろう。
「なんにせよ、まずはゴブリン素材で防具を作らなくてはなりませんね」
そんなわけでこの10階層でゴブリンを狩りたいわけなのだが。
「もう帰らないといけない時間なんですよね」
さすがに10階層まで来るとなると時間がかかる。そしてそうなると帰る時間も伸びることに。だから10階層での狩りの時間はあまりない。でもここに来る方が効率がいいが。
「帰らないで夜どうし狩り続ける選択肢もありますよね」
この体ならその選択ができる。なにせ疲れないし、お腹も空かない。まさに長期間戦える戦闘向けといえるだろう。まあ問題は俺自身の精神が持つかだ。まあやってみないとわからないから低階層のうちにやってみるべきだろう。上の階層に行けば行くほど広くなって、日帰りの探索だとほんの少ししか進めないし。
「そうと決まれば夜どうし狩り続けましょう。まあ普通の家庭環境ならこんなことできないでしょうが、普通じゃない家庭環境に感謝ですね」
そんなことをいいつつ、ゴブリンを狩るために10階層を回る。さてどこまで狩れるかな。
「さ、さすがに少し、疲れて、きましたね」
ぶっ続けで動き続けていると、さすがに疲労感を覚える。だがそれも少し休めば回復するからおそるべし。まあそれに精神が追い付いていないから、今後の課題だな。
そうして狩り続けていると次の日の夕方には防具の素材が集まった。入り口側の階段が近いから移動して、それじゃあ早速作りますか。
「こんな感じなんですねー」
見た目は今の初心者の革鎧が緑色になった感じだ。緑色といってもゴブリンみたいな色の濃い緑色ではなく、薄いきれいな緑色だ。
小鬼の革鎧
耐久値100%
小鬼の素材でできた革鎧。見た目よりも頑丈にできている。
VIT+30 AGI+20 MIN+30
スキル なし なし なし
強化ポイント 0
名前は小鬼の革鎧でスキルが3つも付けられるのか。
防御lv1 鉱石探知lv1 悪食 悪臭 気配察知lv1 毒耐性lv1 夜目 回避lv1
とりあえずこの8つか。防御は見たことあるけど、それ以外はなんだろうな。
鉱石探知lv1
鉱石の採取ポイントがわかるようになる
範囲はlv×10m
悪食
食べても状態異常にならない
食べると回復する
食べられないものも食べられるようになる
悪臭
臭い匂いを出す
気配察知lv1
周囲の生物の気配がわかるようになる
範囲はlv×10m
毒耐性lv1
毒の状態異常にかかりづらくなる
夜目
夜中でも昼間のように見えるようになる
回避lv1
回避行動に補正がかかる
この中だと鉱石探知が気になる。アイテムショップにはピッケルが売っていたが、鉱石の採取場所がわからないと使えないからな。それに鉱石は武器を作るうえで重要だし。いいんじゃないか。
そして気配察知、これは11階層以降で使えそうだ。まあなんで使えるのかは見ればわかる。
回避も安定だよな。回避しつつ攻撃もやり易くなるだろうし。ボス戦に役立ちそうだ。
そして悪食。食べられないもの、例えば生肉や毒草なんかが食べられるのか? いや食べようとは思わないけど。
「とりあえず付けるスキルは鉱石探知、回避、防御にしてみるか」
鉱石探知はもしかしたらこの階層に採取ポイントがあるかもしれないから。回避は強そうだし、今の二刀流にあっているから。あとは他につけたいのはないから防御で埋めた。そして装備も忘れずに。
「とりあえず周囲には採取ポイントはなさそうですね。ボス部屋の方に進んでみますか」
そうしてしばらく戦いながら進む。AGIと回避のおかげで戦闘が楽になったな。そしてボス部屋に近くなったところの分かれ道で反応があった。行き止まりの方だがそこから採取できそうな感じがする。
行ってみると行き止まりの壁が光って見える。これが採取ポイントか? とりあえずアイテムショップでピッケルと交換する。お値段100ポイント! とりだして手に持つ。
「さて思いっきりぶつけてみればいいんでしょうかね!」
ピッケルを光っている部分にぶつけると、ポロポロと何か出てくるのが見えた後消えた。アイテムボックスに回収されたかな。
採取ポイントが消えるまでしばらくカンカンした。10数回できたからたくさんとれただろう。
「さてなにが採れたかな」
アイテムボックスを開いてみると、2種類追加されていた。くず石が73個と鉄鉱石が2個だ。 思わずびしっと固まってしまった。いや確率悪すぎでしょ。あれだけやって鉄鉱石2つとか。と、とりあえず鉄鉱石は名前的に装備に使えそうだから、装備製作を開いて確認してみる。
「なになに。剣に必要なのは鉄鉱石が100、魔石が200か」
あと鉱石の採取を最大98回やらないといけないのか。それに魔石が必要と、魔石なら何でもいいんだろうな。とりあえず鉄装備は後回しにしてボス部屋に行くか。もちろん採取ポイント合ったら採るけど。
そうしてしばらく進んでボス部屋前についた。
「さてボスに挑戦してみましょうか」
今なら勝てそうな気がするしな。
霞
武器
小鬼の剣 剣術lv1 二刀流
防具
小鬼の革鎧 鉱石探知lv1、回避lv1、防御lv1
HP 100
MP 100
STR 10(+30)(+1)
VIT 10(+30)(+2)
AGI 10(+30)
INT 10
MIN 10(+30)
保有ポイント 140
アイテムボックス
装備制作
アイテムショップ
アバターカスタマイズ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます