第16話 ダンジョン13階層 馬

 13階層にやってきた。この階層も同じように草原が広がっている。武器は小鬼の剣と盾に変えている。


「やっぱりこっちの方がしっくりきますね」


 初めてのモンスターと戦うならこっちの方がいいと思って変えた。それにいままでのモンスターなら十分に武器を変える時間があるだろう。

 そう思って武器を変えたが早速後悔する羽目になった。


「まさか馬が出てくるとは……!」


 草原を進んですぐに、何かが走って近づいてきたのがわかった。それはものすごい速さで走ってきて、そのまま突進してきた。

 予想外の速さに驚いたが、なんとか横に跳ぶことで回避することができた。しかし弧を描くように反転して、再度突進してきた。


 そこからは突進されては横っ飛びに回避してを繰り返した。一度馬が曲がるときに減速するから、回避した後に追いつけないか試してみた。しかし追いつくことができなかった。


「ならギリギリまで引き付けてから攻撃するしか……!」


 武器を変えようにも、たぶん時間が足りない。それなら引き付けて攻撃してみるのがいいだろう。そう結論づけると、回避しながらタイミングを見極める。


「ここ!」


 そうしてタイミングよくギリギリで避けれたと思ったら吹き飛んだ。くそっあの馬、避けようとしたのを見てから軌道修正してぶつけてきやがった。もう少し剣が長ければ、躱しながら斬れそうだが難しいな。


「どうしましょうか……」


 躱しながら考える。こうなったら武器を変えるしかないだろう。どれならいいんだ?

 まず斧はだめだ。振りかぶる時間がない。それにAGIが落ちるしこれじゃあ攻撃をくらう。さらにタイミングを合わせなくちゃいけない。

 それなら弓はどうだ? これなら今とAGIが変わらないから避けられる。それに遠距離からならギリギリで避けなくてもいい。


「よし弓にしましょう!」


 次の突進を避けたタイミングで、武器を変えよう。それにしても突進のスピードが緩まない。モンスターだからこそ、ここまで走り続けられるのだろうな。

 そして突進を避けたところで、急いで武器を変える。変え終わった瞬間急いで横っ飛びをする。それでも掠ったがコラテラルダメージだ。


 急いで立って矢を引き抜き弓につがえる。その間に馬はもうこちらに振り返っている。そして突進してきたが、これなら矢を避けれないだろう。そう思って放った矢は走りつつ横に避けられた。


「避けた!?」


 驚きつつも突進を避ける。まさかあんなに軽やかに避けられるとは思わなかった。だが少し速度を落としていたから、牽制には役立つだろう。まあ俺にはパーティーメンバーがいないから意味ないが。

 それからも矢を放ち続けるが避けられる。その分避けやすくもなってるが一人じゃ意味がない。こうなったら仕方ない、もう一度武器を変えるしかない。

 そう思い武器を弓から槍に変更した。もちろん矢を放って少し速度を落とさせたうえでだ。そのおかげと槍のAGI上昇もあって簡単に避けられた。


「これなら追いつける!」


 そう確信して避けた後、馬を追いかける。剣と盾の時は少しずつ離されていたが、今は逆に近づいて行ってる。それが馬にも分かったのか、前足で踏ん張って、その勢いのまま反転する。そして突進してきた。

 だが勢いが足りないから、そこまで威力もスピードもない。おかげで追いかけながら槍で刺し続けることができて簡単に倒せてしまった。


「さっきまでの苦労は一体……」


 おもわずそんな言葉をこぼしてしまったが仕方がないだろう。HPを確認してみると56とかなり減っていた。ここまで減ったのは初めてじゃないか?


「それにしても11階層では弓が、12階層では斧が、そしてここ13階層では槍が活躍ですね」


 まだ他のモンスターと戦ってみないことにはわからないが、少なくとも馬と戦うときには槍が活躍するだろう。

 そしてこうなってくると法則性が見えてくる。11階層では遠距離攻撃が活躍。12階層では攻撃力というかパワーが活躍。そして13階層では予想だがスピードが高いと活躍できそうだ。


「そうだと14階層では残り武器的にも杖が、というより魔法が活躍しそうですね」


 そんな予想をしてみたが、14階層に行けばわかることだろう。とりあえずこの階層では槍でいくとするか。さて他にはどんなモンスターがいるのかな。




武器 

小鬼の槍 槍術lv1 疾走lv1

防具

小鬼の革鎧 鉱石探知lv1、回避lv1、気配察知lv1

HP 100

MP 100

STR 10(+10)(+1)

VIT 10(+30)(+1)

AGI 10(+50)(+1)

INT 10

MIN 10(+30)

保有ポイント 14,650

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