第2話 ダンジョン2階層 ウサギ
「ダンジョンに到着しましたね」
服は親のを適当に着てきた。この体系に合っているとはいいがたいが、まあ応急処置だ。
それと来る途中は通行人にジロジロと見られた。ふふんっ、中には見惚れていた人もいて大変気分がいい。
とりあえず口調は丁寧にしてみた。見た目的にはこの口調が似あっているだろう。まあ無礼者には口調荒げても似合うだろうし、まったくキャラクリは最高だ。
ダンジョンギルドに入ると視線が集中する。周りからは「すっご、背高い……」やら「胸でっか……」なんて声が聞こえる。いいやぁ、いい気分。
そのままダンジョンギルドの更衣室に入る。もちろん女性更衣室に入る。元は男だが今は美女だから女性更衣室に入ってもいいだろう。
そこでもジロジロと見られたり羨む目線を貰った。いやー丁寧にアバターを作ったかいがあるな。
貴重品をロッカーに入れてアイテムボックスから装備を着る。着た結果のステータスはこうだ。
霞
武器 初心者の剣、初心者の盾
防具 初心者の革鎧
HP 100
MP 100
STR 10(+10)(+1)
VIT 10(+20)(+2)
AGI 10(+10)
INT 10
MIN 10(+20)
保有ポイント 0
アイテムボックス
装備制作
アイテムショップ
アバターカスタマイズ
盾も武器カテゴリになるのか。まあ殴れば攻撃になるし当然か。そしてこの一つ目の()が装備の補正で、二つ目がスキルの補正かな。
今のところは装備のステータスの方が大きいけど、今後スキルのレベルを上げるとスキルの補正の方が大きくなるかもしれない。
周りが驚いている中、女性更衣室を出てダンジョンに向かう。ダンジョンに入るには魔法陣を使う。パーティーを組んでいれば最大で6人まで一緒に潜ることができる。まあ俺は1人だから関係ないが。
「とりあえず1階層はスライムだけだから、2階層に進みましょうか」
とりあえず独り言でもいいから積極的に喋って、女言葉に慣れるか。
それとスライムはレベル0でも倒せるほど弱い。それに魔石も残さないからレベル0向けだな。それじゃあさっさと2階層に行くか。
「分かれ道はあるけど、直線に進めば次の階に行けるのは楽でいいですね。迷わなくて済みますから」
直線に進んで階段を上る。ギルドによって10階層までは無料で公開されているが、5階層までは同じように直線に進めば次の階に行くことができる。
まあ普通はレベル上げする必要があるからそんなことする人はいないのだが。とりあえず順番に上っていきながらモンスターを倒すのがいいだろう。
進みつつ他のダンジョンに潜るか考える。今潜っているダンジョンが東京周辺で1番大きい大ダンジョンだ。他にも中や小があるが、小ダンジョンをクリアすると中級者に、中ダンジョンをクリアすると上級者と呼ばれる。
ダンジョンはクリアすると特典を貰うことができ、ダンジョン内の人間を外に転移させる。だから小ダンジョンや中ダンジョンは競争になっているようだ。
「大ダンジョンはクリアした人はいないですからね」
そんなわけで今のところ大ダンジョンをクリアして名声を手に入れようと頑張ってる上級者は多い。そして俺と同じような初心者や成り立てはとりあえずレベル上げを目標に大ダンジョンに潜る人もいる。
小ダンジョンでは25、中ダンジョンでは50、大ダンジョンでは100階層ある。これはギルドが鑑定したら出た情報だから間違いない。
そして他にも特殊ダンジョンがあるが、これはギルドランクを上げないと入れない。ギルドランクを上げるには素材の売却額で上げることができる。
「やっぱりここに潜り続けるのがいいですね。少し遠いですけど。そしてここが2階層ですか。まあ風景に変わりはありませんが」
相変わらず殺風景な通路だ。それと少なくともダンジョンの10階層までは不思議と明るくて影ができることはない。ダンジョンの不思議の1つだ。
「ここではウサギがでるのですよね。よくスーパーでウサギ肉が並んでいるのを見かけますし」
そんなわけで2階層ではウサギ狩りだ。脇道にずれて進んでいくと、茶色の毛をしたウサギがいた。どうやらこちらには気づいているようだ。
「奇襲できなかったの残念ですっね!」
ウサギが跳びながら突っ込んできたので、盾で上にはじく。そうして空中にいるウサギを切りつける。空中ではあったがうまく切ることができたが、血が噴き出た。
「うわ!」
ウサギの血を被って思わず声を上げた。に、似合わない声を上げてしまった……。それにしても意外と初心者の剣の切れ味が良かった。もう少し切れないと思っていたのに。
それにしてもウサギが一撃か。ネットだと2、3発必要とか書いていたからそのつもりだったのに。とりあえずアイテムボックスの中を見てみるとウサギの肉とウサギの血を獲得できた。ドロップアイテムはランダムかな? これはもう少し狩ってみないとわからない。
「それにしも被った血も消えているからそこら辺は気にしなくてもよさそうですね。それに血濡れの美女も絵になりそうですし」
ステータスも確認してみたがHPは減っていなかった。盾で受ければHPは減らなさそうだ。それにしても意外と盾で防いだ時の手ごたえも軽かったな。これならたくさん狩れそうだ。
「ウサギ肉はたくさんあってもうれしいですからね」
地図を見ると1週することができるから、1週してみるか。そうして1週する間にウサギを10数匹倒してわかったことがある。
まずドロップアイテムはランダムに落ちる。ウサギだと肉、血、皮、尻尾が落ちて、肉からの順番でドロップしやすい。
それと前情報からわかっていたがウサギは群れない。おかげで1対1で戦えるが、6階層から群れるようになるので何とかしたいな。
そして剣術と盾術スキルがありがたい。実感しづらいが思ったように攻撃したり防いだりできている。
「それにしても疲れませんね。……もう少し倒していきますか」
それからさらに2週してからダンジョンを後にした。3週目は駆け足で走りつつ行き止まりも見て回ったが、特に疲れなかった。もしかしてアバターだからか?
1階層にまで戻ってダンジョンの外に出るとまさかの真夜中だった。1週目のときに慎重になりすぎて時間かけすぎましたかな。結局疲れないし、そういえば真夜中なのにお腹もすいてない。アバターのおかげだろうけども、時間を知るためにはどうしようか。とりあえず帰ってから考えるか。
「うわ、やっちゃいましたかね?」
家に着いてからウサギ肉をアイテムボックスから取り出そうとして気づいたが、もしかして腐ったりするのだろうか? いくらダンジョン産のお肉は腐りにくいとはいえ大量にあるから大変だ。
「ゲームだと腐ることはないですけど、とりあえず確認を」
お湯をアイテムボックスに入れて、冷めるか確認したが熱々のままだった。とりあえずアイテムボックス内では時間が経たないか、極端に遅いかだ。
「しばらくは大丈夫だと思っておきましょうか」
その後変身を解除していろいろしてから布団に入ると、精神的に疲れてたのかすぐに眠ってしまった。
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