概要
俺はユエの騎士だからさ。ちゃんと俺に断って?
高校二年、如月きさらぎユエ。新学期にクラス替えは少し憂鬱ゆううつだった。仲の良かった友達と離れて、殆ど面識のないクラスメイトたちと馴染なじめるかはユエの中で問題だったが教室に入るとどこか今までと違う雰囲気に驚いた。『おはよう。今日からよろしくー。』 教卓の傍にいた女子の一人がユエに笑いかけると他の子たちも同じようにする。『よろしくね。』顔を確認しながらとりあえず自分の席に着く。出席番号で振られた席は窓際の方でユエは机に鞄を置いた。『お、久しぶりじゃん。』 聞き覚えのある声。隣を振り向くと、背の高い男子がユエを見て笑った。『うん?ひ、久しぶり?』 彼は席に座ると苦笑いして首を傾げる。『あ、覚えてないの?俺、虎二とらじ。中山虎二なかやまとらじ。』 虎二?記憶の隅にあった名前が湧き上がってくる。中
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