自分に想いを寄せる、嫌いな幼馴染を捨てた話

幼馴染がクラスの人気者になってから、主人公ソラは嫉妬心を覚えるようになっていた。

察しの悪い幼馴染は誰にも向けたことのない、愛らしい笑顔を浮かべながら擦り寄ってくる日々にソラはこの上ない嫌悪を抱く毎日を送っていた。

そんなある日、学校の放課後。
人目を気にせずくっ付いてくる幼馴染の目を盗んで音楽室の倉庫に隠れていたソラは、他に誰かが入ってくるのに気がつく。
音楽の授業を担当している先生かと息を潜めるが、入ってきたのはクラスメイトの地味な女子だった。

他に誰も居ないことを確認した彼女は突然、聴いたことのないほどの美声で歌いだした。
あまりにも美しく芸術的な歌声に惹かれたソラは無意識に拍手をしてしまう———


これは夢を諦めた少年と、夢を実現させようと努力する少女の青春活劇。