《10》ー3 *への応援コメント
なんとなく感じていたことなのですが、良太郎さんはずっと、自分自身にも抑圧され続けている人のように見えてきました。
なんとも言えないこの閉塞感は何なのだろう、といっても原因は時流や、良太郎さんの周囲にいる誰かから来るものと考えていたのですが、その実一番、自分が本当はどうしたいという道が分かっていない良太郎さん自身の苦しみがずっと出ていたのではないのかと、今回の話を読了してふと腑に落ちるように、曇り続けていた視界が晴れたように、そう思いました。これでそうじゃなかったら恥ずかしいですが……笑
性的描写、それも直接的とあって人を選ぶとは思うのですが、性的行為は解放や慰めを求めるものという側面が、今回の話でじわじわと見えてきたような気がします。亜紀ちゃんが来た時、良太郎さんは手を出さなさそう、出せないのではと漠然とした予感を抱いていたのですが、それも、亜紀ちゃんでは良太郎さんが求める解放も慰め得られないだろうと考えていたからかもしれないです。勃たない原因にも、良太郎さんの「馨さんはもういない」という諦めが絡んでいるような気がします。
繰り返し掻き立てられる邦正さんへの憎悪と共に、馨さんへの未練でもあって、それって一方的だけど一途とも言えるし、囚われているよなと。邦正さんと馨さんが双子であることは、良太郎さんへの二重の鏡になっているのかもしれないなと。より人間の本性が露わになる性行為があったことで、良太郎さんの凝ってしまった何かを、より理解できたように感じました。
ちゃんと伝わるか分からず見当違いかもしれず、読みにくい文章を長々と書いてしまってすみません……! でも、センシティブな回があったからこそ、より良太郎という人間の姿が浮き彫りになって、こうして色んなことを考えられたと思います。完結も間近とのことでしたので、最後まで応援させていただきます……!!
編集済
大正十五年(昭和元年)*への応援コメント
梨の描写がむちゃくちゃ美味そうでした……そしてタイトル回収速い!(たぶん何度もこの回収を反復するんだろうなという顔)
作者からの返信
冴吹稔さま
ようこそ昭和へ!おいでませ昭和!
第一話がすべての芯になる箇所ですので、梨の描写にはとても力を注いだのでうれしいお言葉です。ありがとうございます。
タイトルもめっちゃ早く回収です。でもお察しのとおり、この先何度もタイトルを思い返す文脈が出てきますので、どうぞお楽しみに。
最後まで梨を味わい尽くしていただけたら幸いです。
《8》-2 *への応援コメント
>こいつを殺していいのはなぁ、この俺だけなんだよ!
そう言いながら別の二人を殺してしまうクソデカ感情のうまみがすごいです……!
梨の実が割れる。今後も二人の因縁を繋ぐ軛となりそうな、象徴的な描写でした。
作者からの返信
陽澄すずめさま
いつもありがとうございます。
「この俺だけ」っていう邦正に向けた良太郎のクソデカ感情、味わっていただけて良かったです。クソデカ感情が話の肝なので。邦正も邦正で相当抱えているのですが、それはこの先わかってきます。
梨の実が割れる。書いたときは「何もこんな物騒なシーンでタイトル回収(ここだけではないとしても)せんでも」と書き手としても呆れたのですが、象徴的な描写になっていたら良かったです。書いた甲斐があります!ほんとうにありがとうございます。
《7》-3への応援コメント
日本中がオリンピックで湧くお祭りムードの中、それとは正反対に冷え冷えとした良太郎の心境、そのギャップをとても生々しく感じました。
偏執の募るままに時を経ての再会、緊迫感がすごいです。続きが気になります!
作者からの返信
陽澄すずめさま
いつもありがとうございます!
戦後編、大分時代が動いてきました。ようやっと確執を超えての良太郎と邦正の再会です。時代についていけない良太郎と華やかな東京オリンピックのギャップ、しっかり感じ取って下さりありがとうございます……!うれしいです。同時に、平和の祭典の裏で行われる怨念溢れる2人の対峙のギャップも緊迫感と共にお楽しみいただければ幸いです。
このエピソードを書くに当たってはオリンピック開会式の式次第など調べるのがたのしくもあり、大変でもありました。
《5》-1 *への応援コメント
おおう……こうなっちゃうんですか……!
歪みに歪んだ良太郎さんの結末は因果応報って感じですが、邦正さんのこの歪みっぷりも凄まじいですね。
馨さんの墓の前で、良太郎さんの一番痛いやり方で責め抜くこの復讐、怖いんだけど圧倒されます。
邦正さんも、結局この家から離れず生きてきたのは、良太郎さんへいつか復讐するという執着があったからという気がします。死んだものと思って捨てきれなかった、その邦正さんの心中を思うと哀れな気がします。
ここがターニングポイントでしょうか?続きを楽しみに待っています。
作者からの返信
しらすさま
今日はあちらもこちらもありがとうございます!温度差ぁ……。
はい、こうなっちゃいます。ここが話の肝なので、前半はここに向かうためのすべてで、このあとが後半なのですが、そのあとのふたりを追っていくかたちとなります。
良太郎の歪みは強烈な幼児体験からですが、対する邦正の歪みは年を重ねて積み重ねてきた馨への思慕と良太郎への怨念からなんですよね。邦正は仰るとおり、馨が死んでからただただこの日の復讐のため生きていたと思います。
このふたりの男、かわいそうでは簡単に片付けられないんですけど、ともに「時代に寄り添えなかった」という意味では全く反対の立場ながら同志なんですよね。そういうテーマでもあります。
次からは戦後編です。ふたりの憎み愛、お楽しみに。
編集済
《5》-1 *への応援コメント
なんという因果。
歪みに歪んだ邦正が凄まじくいいですね。彼はずっとこの日を待ち望んでいたんじゃないかと思うと、良太郎はざまぁ……いや気の毒ですが、言いようもない昂りを感じます。
しかも、もし生きてたら好きに蹂躙しようとしていた薫の墓前で、ですもんね。いやあ、ロケーションも完璧ですね。これはすごい……
作者からの返信
陽澄すずめさま
いつもありがとうございます!
これで前半部分は終了となります。種明かしをすると、キャプションには書いてありますがもともとこの作品は今回更新分が短編として独立していたものを長編化したもので、だからすべてはここのシーンに走っていくし、今後はそのあとふたりがどうなったかを書く構成になっていて、いわばここが全ての礎なんです。(短編より設定はかなり変え加筆してますが)
仰るとおり邦正は馨を亡くしてからずっとこの復讐だけを考えたて生きていたと思います。墓前というロケーションもすべて計算ずくですね。良太郎も偏った価値観の持ち主であるように、邦正も歪みに囚われていく…というふたりの関係がこの作品の肝です。
それだけに「これはすごい」のお言葉めちゃくちゃ嬉しいです、ありがとうございます!
さあ、この後、戦後をふたりはどう生きていくのか…お楽しみください。
《4》-3への応援コメント
遠い祖国の歌……特に桜のイメージは、日本人の精神の根底にある原風景でもあり、胸にくる印象的なシーンでした。
ここで思い出すのが薫ではなく邦正だというのが、たいへんしんどくてとてもいいですね……(語彙力)
作者からの返信
陽澄すずめさま
いつもありがとうございます。
ここのシーンが書きたくての第四話でした。今話は執筆もここのラストシーンから始めたいきさつがあります。良太郎が邦正のことを異国で思い出すとしたらどんな瞬間だろう、と考えた結果このシーンが生まれました。
日本人の原風景を思いだし、涙が溢れ、そしてなぜか馨でなく邦正を思い出す。良太郎からすれば意外過ぎてしんどいことでしょう。彼ら彼女ら3人の関係性を示すようなエピソードでした。
大正十五年(昭和元年)*への応援コメント
女の子どもが――かなぁ?
良太郎にとっての背骨が出来そうな第一話。
けっこう衝撃的です。
このおとなの男とは、一体ダレなのか!?
続き楽しみにしております〜!
作者からの返信
ハマハマさま
ようこそおいでくださいました!ありがとうございます。
仰るとおりこの出来事が良太郎の主軸になり、進んでいく物語となります。そこを汲んでくださり嬉しいです。
男の正体、そして「――では?」の続き。
どうぞ引き続きお楽しみ下さい。
編集済
《10》ー3 *への応援コメント
冒頭から綴られていた「男は強い」という命題が、対偶的に「強くなければ男ではない」というような呪いとなり、ずっと良太郎の中で齟齬を起こしていたのかもしれませんね。
今回の邦正とのやりとりで、それがくっきりと見えた気がしました。
二人の関係がどんな結末へと向かっていくのか、見届けたいです。