今頃1月の話題を読んでいますが、東日本大震災の時の体験をリアルに思い出しました。私の住む地域でも、震災直後は断水や食糧不足に悩まされました。かつ、原発事故があったので、本当に今の時代に飢え死にするんじゃないかと思われたものです。1週間ぶりにお風呂に入れたのも、割と近いものがありまして、こちらでも10日は入れなかったと記憶しています。「被災地の情報を見るとつらくなるから、見たくない」。そういう人もいるでしょう。ですが、やはりリアルな記録として残していくのは、大切な作業なのだと感じられた作品です。
能登半島地震に被災した作者様の、それからの日常を綴ったエッセイ。災害が対岸の火事ではなく、いつ我々の所を襲うかもしれないという事を実感できる生々しい被災後の日常が描かれています。と言っても作者様の気遣いか、暗い話では無くて、出来るだけこの非日常をしっかりと生きて行こうという「人間力」をひしひしと感じる、逆に遠くにいる私達が元気を貰えるような、そんな作者様の気遣いが感じ取れます。一人でも多くの方に読んで頂いて、今私達に出来ることが何かを考えさせられるエッセイ、是非一度は目を通して頂きたいです。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(531文字)
地震の日、その日はハレの日である正月だった。その日、私は初詣に行っていた。帰宅し、テレビをつけると地震のニュースが。その日から変わってしまった日常。遠く離れた場所にいる私は何もできない。そんなもどかしさに揺れる。私にできることはエッセイを読んで少ない募金をするくらいしかできない。画面上から涙の色を思った。どれだけ辛いのだろう。どれだけきついのだろう。このエッセイは震災を経験した当事者にしか書けない。素敵なエッセイ、ありがとうございました。
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