病院って怖い。でも病院ってあたたかい。
そう思えたらばんざい。
検査って怖いですよね、私もずっと怖かったです。婦人科の開脚台になんて乗れるもんか!とずっと思っていました。
でも、病院にいって、たくさんの医療従事者の方とお話して、みなさんが、医者や看護師である以前に、ひとりの「人」であることに改めて気づかされ、何度も涙しました。
いろんな方がいます。諏訪野さんのような方々ばかりではありません。それは事実でしょう。でも、家族以上に親身に寄り添ってくださる方もおられます。(諏訪野さんは現役の整形外科医)
私の主治医は、患者さんがなくなると、一日中ぐったりと暗いオーラを纏っています。それでも日々、オペをして、誰かを助けようと奔走しています。そんな先生の想いを受けて、私は、「生きなきゃ」と思うことができました。
ちょっと大げさな話にまで波及しかけていますが……、ごめんなさい。
「未病」とは、「発病には至らないものの健康な状態から離れつつある状態」を指しています。
自覚症状はなくても検査で異常がみられる場合と、自覚症状があっても検査では異常がない場合に大別されます。
異常を感じている――これはおそらくすでになにかあるんです。ただ見つからない、だけ。はっきりしないだけ。
今現在治療をしていない人でも、おそらく全員が、「患者」予備軍であることは間違いありません。
いつかくるかもしれないその日のために、
もしくは今まさに、その渦中にある方に、
「患者」と「未患者」に贈る、現役医師からの愛のバイブル。
痛みを取り除いてあげたい、
不安を取り除いてあげたい、
という諏訪野さんの想いがドーンと詰まっています。
宝物です。
日々さまざまな話題が取り沙汰され、混乱を巻き起こす医療。そこにつきまとう誤解を解き、いざというときの活用を説く、医療関係者が綴る解説と意見の「一助」!
医療とは難しいものですよね。実際にどんな根拠でどんな体制が構築されていて、我々がどう理解すればいいものかわからなくて。だから表面だけを見て不安になってしまう。こちらはそんな我々がよく突き当たり、囚われてしまいがちな医療的話題をテーマにしています。ごく最近話題になった救急車有料化を皮切りに、医療機関の正しい選択方法や、なにかとお世話になりがちな整形外科についてなどが語られていて、その文章がやわらかくてわかりやすい!
さらりと読めるのに、医療のシステムを正しく理解できて自分の思い込みも払拭できるなんて最高ですよね。ちなみに医療用語にはもれなく解説が添えられていて、これまたうれしいじゃありませんか。
知識はなににも勝る武器。いざ追い詰められたときのため、研ぎ澄まして参りましょう。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=高橋剛)