概要
ありふれている恋愛と、落ち続ける小説と、手に入らない人。
中学生のころ、幼馴染みである雪平秋人のことを好きだと自覚した藤崎五月。まわりから羨まれる幼馴染みという関係に酔いしれ、必ず秋人と恋人同士になれると思い込んだが、その兆しがないまま年を重ねていき、ストーカー行為に及ぶことになる。
一方、雪平秋人がある女生徒の私物を盗むところに遭遇した友人の少ない片瀬みよりは、急激に秋人との距離を詰めていく。
そして大学生となった藤崎五月のストーカー行為を発見した作家志望の男性と、片瀬みよりと不倫関係を築く下河辺拓実。
どこにでもいそうな、ありふれている四人の群像劇を書きました。
一方、雪平秋人がある女生徒の私物を盗むところに遭遇した友人の少ない片瀬みよりは、急激に秋人との距離を詰めていく。
そして大学生となった藤崎五月のストーカー行為を発見した作家志望の男性と、片瀬みよりと不倫関係を築く下河辺拓実。
どこにでもいそうな、ありふれている四人の群像劇を書きました。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!選ばれない、ということ
誰しも「自分は特別だ」と思う。絶対に選ばれる、絶対に負けない。その根拠のない自信は一体どこからくるのだろう。
恋愛で仕事で、あるいはスポーツやコンテストで、選ばれた人がいる一方、それ以上に選ばれなかった人たちが溢れている。選ばれた人たちはほんの一握りで、選ばれなかった人たちは砂丘の中のほんの一粒に過ぎない。
なぜ私ではないのだろう。なにが足りないのだろうと、どこか自分が欠落した人間に思えてくる。
「ありふれていて見え透いていて」の登場人物たちも、みんなそうだ。だんだんと恋愛感情なのか執着なのか、もう自分でもよくわからなくなっている。でもその感情の正体など、もはや何だっていい。
一方、選ばれ…続きを読む