息冬



寒さの中

目覚めてしまったからは仕様が無しに

暖かなベッドから這い出し

着替えて外で見上げる暗い空


まだ星が見えるのではないかと

目を凝らし眺めれば

微かに白んだ山並み


もう直ぐ陽が登るのだろうと

悴んだ手に息を吹き掛ければ

震える体を抱き締めて

氷空の中で風邪でもひいてしまったのかと

勘違いをする心の荷物


自身の体調を思い遣れば

ふと思い出す故郷の暗い空


雪の中で

せっせと野菜を運ぶ姿が

瞼を閉じずとも心の底で浮かぶ老婆の姿

暖かくも冷えるような思いに

また今日の始まりだと

白い息を吐く

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