妖冬



強い風が去った後

曇った空から柔らかな妖精が降って来る

凍えるような朝

妖精達に微笑みかけるが

私は知っている


この小さな妖精達が降り止まぬ夜

次の日は大地が白く覆われ

凍えた人々を包み込み


街道では事故が起き

民家では積雪が滑り落ち

どれだけの人々が

苦難を強いられて来たであろう


凍える手に息を吹き掛け

冷たい扉を開けて

ストーブに火を入れる


雪難

それでも家では

愛する人が暖かな料理を作り

学校から帰る子供のために

仕事から帰る男のために


窓から溢れる灯りに光る

恐ろしくも優しい白い世界が

人々を静かに包んでいる

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