エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
遅ればせながら、最後を一気読みさせて頂きました!
かぁっこ良かったー!です。
映像が浮かんで、場面、場面、そこもとっても素敵だったのですが、やっぱり生きることの意味を見つけて選びとった瑞香が最高に素敵でした。
読ませて頂きありがとうございました!
作者からの返信
幸まるさま。
ひといき読み、ありがとうございます!
嬉しいです つД`)・゚・。・゚゚・*:.。
瑞香が、自分自身で選んでつかんだ、新しいいのち。
人の道に外れた、誤ったいのちかもしれません。でも。
わたしはこのおはなし、瑞香にそれを選んでもらうためにかいていたようなものなのです。
最後までお付き合い、ほんとうにありがとうございました!!
第26話 花泥棒の恋慕への応援コメント
いやーーーーー((( ;゚Д゚)))
遊楽さまが…(涙)
ファンクラブ代表として、助けに行きたい(*>ω<*)ウルウル
作者からの返信
浬ちゃん。
遊楽は美しく縫い付けられました。
鬼を飼うおとこが、救世主と並んで。
ファンクラブ筆頭さま……申し訳ありません つД`)
第23話 生まれてよかったへの応援コメント
“生きること”を理解した瑞香の言葉がとても素敵でした。
それに応じるかのような柳太郎の最後の一言。
痺れる!
作者からの返信
幸まるさま。
生きること。心臓がうごく、血が流れる、息をする。
そのことの意味をどうしても理解できなかった瑞香でした。
ひとをはずれて、初めてひとの生命の意味を掴む。
ただしい死、誤った生。
瑞香は自分で選ぼうとするのです。
第4話 生まれいづるへの応援コメント
わー、りるるさん、かっこいい!
妖がまったく相手にならないほどの強さ。それも、かっこいいんですけど、その仕草、言葉、匂い、容姿。全部が奇しい雰囲気を出していて、ぞくぞくしちゃいます。
神秘的であり、妖艶さも混ざって、すごく素敵です。
瑞香さんの生への執着や、弱い体への願望なんかが、たくさん込められているのだと思います。
遊楽さん大好きなところも瑞香さんの想いが溢れちゃってますね。
そういうところは、ちょっと可愛かったり♪
ちょっと遅くなってしまいましたが、ゆっくり読ませて頂きます。
素敵な物語をありがとうございます♪
作者からの返信
ふむふむさま。
ありがとうございます ヽ(´▽`)/
瑞香は生きることをうっすら諦めていた女性です。生きている理由を見つけることができないでいました。
でも、自分のおはなしが掲載されることが決まったときから、変わり始めます。その思いが、蒼のあやかし、りるるを呼ばせました。
後半になるとこのおはなし、雰囲気が変わります。
でも、根本は瑞香が自分の意思で生を決めること、そこなのです。
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
みんな、無事でよかったぁぁぁ⁝(ᵒ̴̶̷᷄൧̑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
対峙したときの激しい戦い、そして静かな言葉のやり合い。すごく好きでした(*´ェ`*)
なにより瑞香の成長、というか表裏が一体になったというか。そんな姿を見れて自然と笑みがこぼれました(*´ェ`*)
すごく面白かったです〜⁝(ᵒ̴̶̷᷄൧̑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝
作者からの返信
大入 圭さま。
最後まで読んでいただけて嬉しいです つД`)・゚・。・゚
このお話は、瑞香が自分で選んで前に進んでいく物語でもあります。そのこと、言及いただけてほっといたしました。
楽しんでいただけたならなによりです。
ほんとうにありがとうございました!
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
読み直しました!
とても素敵でした。
スマホから読んだりしていてなかなかコメント書けなくてごめんなさい。
瑞香さんがとても好きです。
作者からの返信
しまこさん。
お読み直し、本当に嬉しいです .°(ಗдಗ。)°.
コメントなんていいのです!!!
でも、瑞香を好きっておっしゃっていただいて、嬉しい……!
最後までお付き合い、ありがとうございました。
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
おー!
遊楽に瑞香、牡丹に柳太郎、祢禰。みんなの関係性いいですねー! 清々しく心地よい風が通り抜けていくようです。
んで、りるる。蒼くとっても綺麗なあやかし姿。
あぁうぅ、ボクの首すじも、ちょっと齧ってみてください(>_<)
素敵なお話ありがとうございますー!
作者からの返信
矢口こんたさま。
登場人物みんな、気に入ってくださって嬉しいです!
最後はこういう、未来に向けたかたちにしようと思っていました。
わたしのなかではラスト思い出すと、主題歌とエンドロールかかって泣きそうになります(へんなひと
わたしでよければ齧りますよ(本当にへんなひと
最後までお付き合い、ありがとうございましたー!
第24話 偉大な計画への応援コメント
遊楽さま!
かっこいいぃ~。
イーリスなんて指一本でぶっとばせーーーヽ(; ' д゚)ノ ビクッ
作者からの返信
浬ちゃん。
遊楽を気に入ってくれてありがとうです〜!
イーリス、へんなやつなのです o(`ω´ )o
第23話 生まれてよかったへの応援コメント
あぁ~( >д<)、;'.・
鳥肌がたちました(*>ω<*)ウルウル
作者からの返信
浬ちゃん!
ありがとうございます つД`)・゚・。・゚
瑞香が自分のいのちを生き始める回なのです。
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
ふおおお、一気に読みました……!圧巻!!
キャラクター、世界観、お話の展開、どれも一級品……!!
引き込まれ、映像の中であわあわと見守っているような感覚でした。
もっともっと、この世界にいたい。壱さんの作品はいつも、そんな気持ちにさせてくれます。
連載、お疲れ様でした!!
作者からの返信
ぴこさーん つД`)・゚・。・゚
きて、読んでくれてありがとう……!
正直、思うところはいろいろある。自分でツッコミまくったもん。でも、自分自身で好きだからいいのだ! で、押し通せた、最初のおはなしかも。へへ。
ほんとうにお忙しい中、お時間つかってくれて、ありがとうございます。嬉しい (´;Д;`)
第4話 生まれいづるへの応援コメント
悲報、獣男さん、まったく相手にされず吹き飛ぶ。
って強者感演出が燃えました。
いいですね。まともなバトルすらさせて貰えないっていうのがカッコよすぎる。
それでこれ系のお話しで重要な醍醐味になる、バケモノとの関係性っていう点で
遊楽とりるるのカップリングはすんごい強いですね。
どんな因縁があるのか気になってしまう。
作者からの返信
菅野 事案さま。
獣さん、ちょっとかわいそうではありますが、りるるの力の前に雲散消滅していただきました……。
おっしゃるとおり、とんでもない強さをどうやって描くかということで、歯牙にも掛けず、ことのついでに一瞬で消滅せしめる。これをやってみたかったのです。
第2話 飼われあやかしへの応援コメント
待たせたな、系の登場シーンはやっぱいいなって。
そして正義の味方と思わせてからの鬼畜な選択肢っていうのも良いですねえ。
ヘルシングも大好きなのでこういう展開は好物です。
作者からの返信
菅野 事案さま。
最初のコメントでも出てきましたが、あやかしは人間の埒外、ほんらい外道の存在であるはずで、正義も鬼畜もないはずなのです。そして遊楽はその世界にいきるひと。だから、こういう形で描いてみました。
好物っていうお声が嬉しいです!
編集済
プロローグ 瑞香と、りるるへの応援コメント
妖怪バトル物というと、『うしおととら』が大好きだったんですが。
まさにそんなテイストを感じて喜んでおります。
人とおおよそ違う価値観をもったバケモノを御して戦いを制する、っていうあの醍醐味。
この作品もバケモノりるるとのその辺の関係性がガンガンに押し出されていて嬉しかったです。
ちょっと扱いを間違えれば制御不能になりそうな危うさと、実際、めちゃくちゃ強いっていう怖さ。
これですよねえ。
遊楽が熱血タイプじゃないクールな雰囲気なのも、あ、このカップリングいいなって感じさせてもらいました。
作者からの返信
菅野 事案さま。
さっそくのお立ち寄り、とても嬉しいです……!
りるるは、とにかく手に追えないほど強く、妖艶に、しかし善でも悪でもない存在として描ければなと思っておりました。ご感想から、そのことが伝わったのかもしれないと、安堵させていただきました。
あやかしの価値観。
大事な言葉をいただいた気がします。
また次回以降、活かさせていただきます!
ありがとうございました!
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
完結お疲れ様でした。
どのキャラクターも魅力的で、一番を決められないくらいです。
素敵な物語、楽しませていただきました。
ありがとうございます!
作者からの返信
森湖春さま。
登場人物、気に入っていただけたなら嬉しいです……!
素敵な物語というおことば、光栄です。
お立ち寄りと、最後までのお付き合い、本当にありがとうございました!
編集済
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
面白かったです!
本当に、ハイカラで、美しく、匂い立つような物語でした。
言葉の力と魅力が最大限に活かされた逸品だと思いました。本当に凄い。
最後に。
みんな生きててよかったよー!
作者からの返信
みかみさま。
筋立てが矛盾してないかとか、作品で伝えたいことはなにかとか、大事そうなところはぜんぶ無視して(?)好きなことだけ問答無用で詰めたおはなしでした。
ことばの力と魅力を活かしているとおっしゃっていただき、とても嬉しいです!
登場人物たち、またわちゃわちゃと未来に向かって歩き出します。
みんな、笑顔で。
最後までおつきあい、ありがとうございました!
編集済
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
完結お疲れさまでした。
瑞香さん、憐れに思われる必要のない、強い女性に自らなりましたね。
愛のあるラスト、今後の遊楽先生との関係も想像させてくれて、味わい深いものでした!
作者からの返信
鐘古こよみさま。
瑞香、護ってもらうだけの存在から、自ら選び取って歩いてゆく女性となりました。ですが、もともと、心の中にはあったのです。強い瑞香が、あやかしの心が。身体が弱いのだからそうあるべき、という縛りを解いたのが遊楽だったのです。
瑞香と遊楽、プロローグのようなことを繰り返しながら、ずっと暮らしてゆくのでしょう。瑞香の選んだ、深く昏い闇なのに、この上なく幸福な、あやかしの道。
最後までお付き合い、ありがとうございました!
第3話 選択への応援コメント
コメント失礼します。
第2話まで、と思ったのですが思わず次の話まで読んでしまいました。
遊楽の雰囲気といい、利蔵の娘思いといい、それぞれの思惑が入り混じっていて、とても惹きつけられるものがありました。おそらく、舞台が明治だからというのも妖が現実味を帯びているんだと思います。
続きが気になるのですが、本日はここまで。
また読ませていただきます!
作者からの返信
名無之権兵衛さま。
おっしゃるとおり、わざわざ明治を舞台としたのは、描こうとしたあやかしの艶、夜の昏さ、空気の重さが、明治の夜に合っているのではないかなあと思ったためです。
そのことがお心に響いたのであれば嬉しいです。
ぜひ、続きもお付き合いくださいませ!
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
完結お疲れ様でした。迫力あるバトルシーン。りるると瑞香の妖艶たる美しさ。クールな遊楽の逞しき英姿。挙げれば枚挙にいとまがありません。壱単位ワールド、とても楽しかったです。素敵な小説をありがとうございました。
作者からの返信
刹那さま。
今回は盛り込みたいものを、あまり迷わず描かせていただきました。拙い部分もあったかと思いますが、楽しんでいただけたならいいなあと思っています。
最後までお付き合い、ありがとうございました!
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
こんにちは。
ふう、りるるさん、瑞香さん。ふたり、ひとつ。誇り高く、美しい生き物。
主と愛し合い。鬼の力を己のものとし。
最後はドキドキしながら一気読みしました!
牡丹さんも、本当に好きだった。
その気持ちが、切なさとして残ります。
瑞香さんの、「わたしの男に手を出すんじゃ……」の台詞、バチッと決まってました!
完結お疲れ様でした!
作者からの返信
加須さん。
瑞香と、りるる。ふたりでひとつ、どちらも、互い。
このあと瑞香は、あやかし状態のときはりるると名乗ってゆきます。プロローグのようにです。
が、実は自意識は瑞香のままでして、照れ隠しと、遊楽先生に迫りやすいのでそうしている、という裏設定もございますーo(^▽^)o
牡丹も愛してくださってありがとうございます。
わたしもお気に入りキャラです。
幸せになればいいなあ。続き、書いてあげたいな。
最後までお付き合い、ありがとうございました!
編集済
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
つよくなった瑞香、素敵です。いい腹パンでしたね。遊楽先生、かじられながらも飄々としていそうでちょっと可笑しい。
みずから望む心というのがやはりいちばん強いわけで(私が今載せてるのと、いろいろと被っているんです……方向性はかなり違うけど)
この世界を感じられてよかったなと思います。完結お疲れさまでした!
追記
被っているのは私、嬉しかったんです!
似たような事を夢みるなんてすごいなあ、て。
(私が書いたのは、殺されて生き返らされて所有物のように主張され、溺愛……というのですw)
作者からの返信
山田とりさま。
瑞香さん、いま腕力ゴリラ状態なので、たぶん軽く小突いただけだと思いますが、花神巫でなければ大変まずいことになったと思われます。
ああっ、被ったところ、ありましたか…… (ー_ー;) ごめんなさい、でも、それぞれの世界で、描きたいものが一緒だったというのはすごいことだなって思います!
最後までお付き合い、ありがとうございました!
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
一気読みしました!!もう、コメントをするのも忘れて!!
わーー…壱単位さん、すごいです!!
作者からの返信
みかさん。
一気読み嬉しかったです つД`)・゚・。・゚
ありがとうございましたー!!
楽しんでいただける箇所があったならいいなあ、って願っています。
ああ、しあわせ!
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
完結おめでとうございます!
今作はバトルシーン満載で、花神巫とあやかしたちの躍動感が素晴らしかったです。
牡丹さんがじわじわ闇に染まっていく過程とか、瑞香さんが自分の人生とりるるを受け入れていくシーンは、いち様の筆の一番光るところ。うっとりと拝読いたしました。
遊楽先生は最後まで完璧に格好良かったけど、これから瑞香さんに齧られて骨抜きにされていけばいいと思います!
伴走した福山様の二次創作も、ちょっとお変態で、かなりハートフルで素敵でした。利蔵さんは、ここで元気な瑞香さんに会えたからもう本編では触れなくてもいいかなってくらいの満足感がありました。
お二人とも、お疲れ様です。
楽しい物語をありがとうございました!
作者からの返信
月子さま。
先にへんなこと言わせてください。
月子さまのコメントが大好きです。好きっていうのはダメで、ほんとうはひたすらお礼申し上げるところなのでしょうけれど。
とにかく、素敵。言葉えらびも、使い方も、こめられている気持ちの表現も。大好きです。
最後までおつきあいいただき、ありがとうございました!
ふくやまさんのは、本編より泣いたと思うので悔しいほどです!!!
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
うにゃーっ、御屋形様も遊楽先生もお仕置き……はこの位で。
完結、お疲れ様でした。素敵な物語をありがとうございました!
福山様劇場の大団円と合わせて大満足。贅沢な一時でした~。
作者からの返信
@hikagenekoさま。
祢禰さまも遊楽先生も、楽しんで罰されているので大丈夫ですよ! お財布が続くかぎりは! このあと、くび、齧られますけども!
最後までおつきあい、ありがとうございました。
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
良かった!良かったよぉぉぉ!。・゚・(ノ∀`)・゚・。
誰1人欠けることなくこの日を迎えられて良かった!
福山さんの二次創作も大団円だ!ヽ(=´▽`=)ノ
作者からの返信
おかんさま。
はい、みんな揃って、のどやかな陽光の下で甘味処です。
これも絶対、描きたかったやつで。
こういうの好きなんです。
ふくやまさんのは、本編とどっちが泣いたかくらいに泣きました。
いや……福山さんのほうが、泣いたな……。
第30話 最後の条件への応援コメント
グーパンチ。
うん、する。
するよね。
ネコを応援した私は間違ってなかった。
めでたしめでたし。( ;∀;)
作者からの返信
おかんさま。
瑞香さん、いまたぶん岩を砕くくらいの腕力あるとおもうので、遊楽先生の内蔵が心配ではあります……。
でも、抱きしめる前には、ぐーぱんです。
そりゃそうです。
ねこさんが、まさかの……!
本編よりもめでたしめでたしだー!
編集済
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」 エピローグ
「……俺は幸せ知らない、いや、いらないという方が正しいのかも知れない」
薄く開いていた遊楽の瞼が、下ろされた。
「だが、君が望むなら、俺は必ず幸せを探そう。君が望むなら、俺は生まれ変わり、君も生まれ変わり、幾千万の時を過ごし、いつの日か同じ時代で再会し、互いを見つめ、今とは違う形で、共に気楽に暮らそう……」
「死にゆく男の指は女の頬をなぞる。優しく、ゆっくりと。この世界で最も愛おしい人を、この世界で最も大切な人を、この世界を越えて愛すると誓った人を……」
「ちかっだ……ひとを、と」
瑞香はすっかり慣れた書付を忙しく繰りながらさっと書きあげた。
途端、扉が勢いよく開いた。
牡丹「もう! 先生! こんな日に何を瑞香さんにさせているんですか!」
轟天丸「ふしゃぁあ!」
遊楽「ぬ、何か問題でもあるのか?」
牡丹「いやいやいや、問題しかないですから! 早く二人共準備をして下さい!」
遊楽「せかしい奴だ。なぁ、そう思わないか、轟天丸?」
轟天丸「ふしゃ?」
とそこに表からも声が轟いて来た。
車夫のすけろく「うおおおおぃ、だ、大丈夫か、おとっつあん! 今からそんなに泣いてたら、本番前に干からびちまうぞ!」
利蔵「うおぉおおおおおい、おいぉい、おおおおおおおんん!」
車夫のごんろく「あにきぃ、泣きてぇときは俺の胸を使えって、いつも遊郭でいってるじゃねぇですか、ここはあにきの胸で泣かしてやったらいいんじゃねぇですかい?」
車夫のすけろく「おっし、おとっつあん! 俺の胸で泣いてくれ、ってこの馬鹿野郎!」
車夫のごんろく「いてっ! あにきぃ、思いっきり殴ったよぉおお!」
利蔵「うおぉおおおおおい、おいぉい、おおおおおおお、ぶえええええん!」
柳太郎「あの、祢禰さま……」
祢禰「なんじゃ?」
柳太郎「変じゃないですか? なんで僕と祢禰さまが仲人でいいんですか? おかしくないですか! 何か間違ってませんか!」
祢禰「なにがじゃ? 男が小さな事を気にするでない、狼狽えるな!」
柳太郎「だって! 百歩譲って仲人としても、なんで僕だけ河童の恰好なんですか! 僕は普通に紋付き袴の正装が着たいです!」
祢禰「何を言う! 瑞香の笑顔がみたいじゃろうが! 余興じゃ、余興じゃ、いいか、必死で盛り上げねば、死にたくなるほどの折檻をするからのぅ、にゃははは!」
柳太郎「ひぃいいいいいいいいいいいいいいい!」
再び室内では牡丹の剣幕も落ち着き、いそしそとせわしなく動いていた。
牡丹「では、私は一足先に行って段取りの確認をしておきますから、先生も瑞香さんをしっかりエスコートして、すぐに来て下さいね、轟天丸、二人を頼んだぞ!」
轟天丸「ふしゃぁあ!」
慌ててかけてゆく牡丹の背を見て、遊楽は肩をすくめた。
遊楽「せわしない奴だ。だが、そうだな、瑞香君、そろそろ行くとするか」
瑞香「はい、先生」
睦まじくを遊楽が瑞香の手をそっと優しく取り、二人は表に待たせてあった俥に乗り込んだ。今日はめでたき門出の日。祝いの空はどこまでもすっきりと澄んでいて、穏やかな陽光がぽかぽかと降り注ぐ。出会いから数か月、5月の爽やかな風を帯びた鬼灯亭が、幸せそうな二人をそっと見送る様に佇んでいた。
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」 完
壱さんへ
完結おめでとうございます。
僕の勝手な我儘で始めた2次創作を残してくれて、ありがとうございました。そして物語へのコメントを申し訳ないけど、ここにまとめて記します。
「すごく、良かった、さいこー!」
愛してしまう素敵な世界をありがとう、そしてお疲れ様でした。
2024,1,29 福山典雅
作者からの返信
福山さま。
そして、エピローグ。
本編より泣けるコメント欄ってわたしはどうかと思いますよ(泣)
なんかもう構成めちゃめちゃうまいし、みんな本編より性格が良く描けて個性的で、最後の瑞香の台詞とか鬼灯亭とか、もうほんと綺麗で。
なんかこれ、独立した作品としてなんとかなんないかなあ……小説として掲載したら規約違反だしなあ。うーん。
……。
そして最後の、ご感想。
えへへ。シンプルなさいこー、ありがとうございます。
しっかり、響いてますよ。
長い物語、最後までお付き合い、そうして素晴らしい二次創作、ありがとうございました。
編集済
第30話 最後の条件への応援コメント
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」 終幕
私は帝都で新聞記者をやっている御湿布角蔵。瑞香の手紙を咥えて逃げた白いネコをその父親・利蔵、柳太郎、牡丹らと共に追っている。
ネコ「みにゃあ!」
角蔵「いたぞ! 屋根の上だ!」
利蔵「もう逃がさないぞ、瑞香の手紙をかえせぇえええええ!」
ネコを睨む私達の前で、柳太郎、牡丹が四つん這いになった。
柳太郎「お父さん、僕を踏み台に使って下さい!」
牡丹「いえ、お父さん、私を踏み台に使って下さい!」
二人の若き花神巫達が地面に手足をついて台となる。私と利蔵は「おし、悪いな!」と断り彼らを思いっきり踏んで塀をよじ登り、そのまま家の屋根に飛び移った。したから「「ぐへぇ!」」と呻き声が聞こえたが気にはしない。
角蔵・利蔵「「まて、この盗人ネコ!」」
私と利蔵は不安定な屋根の上をがちゃがちゃと瓦を鳴らしながら何とか走ってネコに迫った。すると奴はひょいと飛び降りた。もう見失う訳にはいかない。私と利蔵も「「おりゃああああ!」」と飛び降りる。幸い軒下で低かったので助かった。さらに白いネコは、路地を駆け抜け、物凄く狭い塀の間をに入った。だが、私達の闘志を消す事は出来ない。「「ぐぬぬぬぬ」」私達は半身になり体を無理矢理ねじ込んで進んだ。今度は狭い塀の穴だ。「「ぬぅおおおおおお」」ともがきながらどうにか抜け出した。さらに深い生垣の中に入いろうとして白いネコのスピードが少し落ちた。私達はチャンスとばかりに勢いをつけて、白いネコの尻尾めがけて大跳躍を敢行した。
利蔵「瑞香の手紙を返せぇえええええええええええええ!」
ネコ「みぎゃあああああああああああああああああああ!」
ガサッ、ゴロゴロゴロゴロ、ドッスン!
瞬間、利蔵がついに白いネコの尻尾を捕まえて、私達は勢いのまま生垣の中を激しく回転し、どこかの庭先に飛び出した。
瑞香「えっ? お父さん?」
利蔵「へ? み、瑞香?」
なんと私達が飛び出した庭先には、利蔵の娘・瑞香がびっくりした顔で立っていた。すると尻尾つかまれていた白いネコがぼうっと煙を上げ変化すると、銀髪の少女が現れ、その腰に手を当て、得意満面の笑みで叫んだ。
祢禰「にゃはははははははは、瑞香、利蔵、西洋の《さぷらいず》じゃ、久しぶりの親子の再会、びっくりしたかえ? 大成功だのぅ、にゃははははははは!」
瑞香・利蔵・角蔵「「「ええええええええええええええええええっ!」」」
さて事情を聞けば、今日は瑞香が鬼灯亭にきて丁度一か月、色々あったこの一か月の慰労を兼ねて宴会をしようとした遊楽という文士に、この祢禰という少女(?)が「わしは西洋の《さぷらいず》をどうしてもしたいのじゃ(意地でも)!」と持ち掛けたらしい。
それで瑞香が父を想い丁度手紙を出していたので、ならばいっそ父親を呼んでしまおうとなり、銀髪の少女・祢禰自らが術を使い白いネコとなって、利蔵を誘導してきたのだと言う。いやはや花神巫の悪戯には困らされるものだ。だがしかし……。
利蔵「瑞香、……ぐすっ、元気にやってるか?」
瑞香「はい……、お父さん、ううっ」
利蔵「良かった、すっかり具合もいいみたいだな、ふぐっ、ううっ」
瑞香「お、お父さんもお元気そうで、……ううっ、お、お父さん!」
見つめ合う二人は涙ぐみながらひしと抱き合った。
久しぶりの親子の再会、もう会えぬと思い込んでいた利蔵、その父親をひどく気にかけていた娘。もう言葉なんかいらない。ただ、ただ、深い愛情が二人を強く結びつけていた。
祢禰「にゃはは、幸せそうだのう、遊楽」
遊楽「そうですね、いい泣き顔だ」
柳太郎「ぐっ、うぐっ、良かった、瑞香さん、ふぇええん」
牡丹「ふぇっぐ、瑞香さん、お父さんに会えて嬉しそうだ、ぐっすん」
轟天丸「ふ、ふぅなあああああ、ふしゅううう……」
車夫のすけろく・ごんろく「「くっ、泣かせてくれるじゃねぇか、おい、よかったな。こんちくしょう! うおおおおおんん」」
その場にいた人々が、親子が互いをとても大切に慈しむ姿を見て涙ぐんだ。
そうして、私は思った。
記者としてゴシップが好きな私だが、こんな当たり前の親子の情が、なんと胸を打ち、かけがえなく清々しくも美しい事なのだろうか。……簡単なんだ。簡単でいいんだ。無駄に悩んだり、誤解したり、言い争ったり、人は愛憎のままに自己の想いに苦しむ生き物だが、本来はこんなにも簡単でいい事なのだ。
愛はそのままで、こんなにも十分美しい。
ふっ、流行り言葉に似てしまうな。私は胸がいっぱいになりながら、ふと足元に落ちていた瑞香の手紙に目がいった。見てはいけないものだが、つい記者のスケベ心のせいか、そっと開いて中をこっそり読んだ。
そこには父親への感謝の言葉と、如何に自分が幸せに暮らしているかが穏やかで温かい言葉により、溢れんばかりの幸せさで綴られている。そしてその最後はこう締めくくられていた。
「お父さん、私は新しい小説を書いてます。今度持って行くからいつもの様に読んで感想を聞かせてね。私が書いた中で、多分一番長い物語となりそうなんです。題名はね、
《沈丁花は碧血を所望する〜神憑き文士の飼われあやかし〜》
と言います、楽しみにね。 瑞香」
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」 おしまい
作者からの返信
ふくやまさま。
もう二次創作ではない……。
ふつうの短編として拝読して、普通に泣きました。
そしてラストの、題名。へんな声だしてしまいました。一人で読んでてよかった。
何度も読ませていただきます。大事に、大事に。
ありがとうございました。
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
完結! お疲れ様でした!
ほんとうに! 壱さんの描くものがたり、だいすきすぎる。
ヒロインのつよさとか優しさとか、いろいろ。
尊い……
作者からの返信
香坂 壱霧さま。
瑞香も、他のおはなしも。
わたしのヒロインは、みんな、元気に未来に向かってもらいたくて。
落ち込むし、泣くし、ダメにもなるけど。
最後はかならず、前に進んでもらうのです。
最後までお付き合い、ありがとうございました!
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
おおおおお、かんけつおつ~~~~!!!!
めっちゃよかった~~~~!!
作者からの返信
とうりさん。
ありがとうございますうう! .°(ಗдಗ。)°.
最後までお付き合いいただいて嬉しいです……!!
楽しんでいただけていればいいなあ。
編集済
第29話 あなたとへの応援コメント
やった、瑞香が自分の心を語った! ( ;∀;)
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」
私は帝都で新聞記者をやっている御湿布角蔵。現在、愛娘瑞香からの手紙をネコに奪われた利蔵と共に、そのネコを追いかけ帝都を驀進中だ。
車夫のすけろく・ごんろく「「おうおう、どきな、危ねぇぞぉ!! 道開けな!!」」
俥はとんでもない勢いで往来を駆け抜ける。そしてその凄まじい健脚で、あっと言う間に一気に白いネコに追いついた。すると前方を走っていたネコが振り向いた。
ネコ「にゃ?」
車夫のすけろく・ごんろく「「このぉ、この悪戯ネコめ! 待ちやがれぇえええ!」」
ネコ「にゃふ?! みぃぎゃあああああああああ!」
追いつかれ焦った白いネコは、くるりとその身をひるがえすし尾っぽをふわりと揺らすと、いきなり俥の入れない狭い裏路地に逃げ込んだ。
角蔵・利蔵「「な、なんだとぉおおおお!」」
その姿を見て慌てた車夫のすけろく・ごんろくが俥を急停止する。同時に飛び降りた私と利蔵が急いで路地に入るが、もうどこにも白いネコの姿はなかった。
しまった、巻かれてしまっのか。だが、はいそうですかと諦めるわけにはいかない。車夫のすけろく・ごんろくも「まだ諦めるのははぇぜ! 俺達も探すぞ!」と全員で狭い路地裏を手分けして探す事にした。
と、そんな時だった。
柳太郎「あー、あー、き、聞いて下さい、瑞香さん! 貴女に捧げるオリジナルラブソング《我、汝を常に愛おしむ》です。ら~ら~ら~、うーうーうーうー」
薄暗い路地裏の中で練習なのか、一人ぼっちで西洋のギターを弾き語っているきもい若き花神巫のが少年・柳太郎がそこにいた。
こちらに気がつかずに情熱的に叫び歌うその姿、私はあまりに痛ましくて可哀そうになり、気付かないふりをして去ろうとしたら、つい目があった。瞬間、「ぼへぇええええええええ!」と少年は絶叫し、突然、激しく壁に頭を打つつけ始めたので慌てて止めた。仕方ないので手短に事情を話し、白いネコを見なかったかと聞くと、「瑞香さんのお父様ですか! ぼ、僕、手伝います!」と急に元気になった。
張り切る彼を伴ない、私達3が人が路地裏をさらに進んだ時だ。
牡丹「ああああ、瑞香さん! 貴女に恋焦がれた私の魂が作りました。このポエムを心より捧げます。《恋して爆発、ダイナマイトきゅんきゅん》!!、特殊効果音は轟天丸です」
轟天丸「ふしゃぁあ!」
また、変なのがいた。
若き花神巫の牡丹が、いきなり西洋のミュージカル風に大袈裟にダンスをしながら激しく語るその姿。もう絶対に関わりたくない私は、思わず逃げ出そうとしたのだが、又も目があった。瞬間、彼は「ぐはっぶへしっ!」と血を吐く様に呻き、いきなりロープを出すと死のうとしたので慌てて止めた。仕方ないので手短に事情を話し、白いネコを見なかったかと聞くと、「瑞香さんのお父様なんですか! わ、私も手伝わせて下さい!」とやる気を漲らせた。
まぁ、この若き花神巫達、利蔵の娘さんに懸想するおかしな二人と思っていたが、心根はいい奴らなのかもしれない。こうして私達4人は急ぎ白いネコを追いかけ、路地裏を進んだ。 つづく
なんかいつも長くてすいません、壱さん、ラストスパート頑張って( ;∀;)
作者からの返信
ふくやまさん。
明日の朝、最終回とエピローグ。
ずっとずっと、お付き合い、ありがとうございました。
第28話 鬼の復活への応援コメント
おっしゃあー! 遊楽、復活! ( ;∀;)
勝手に連載、2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」
私は帝都で新聞記者をやっている御湿布角蔵。現在、愛娘瑞香からの大切な手紙をネコに奪われ、利蔵と共にそのネコを追いかけ往来に慌てて飛び出した。
角蔵「あっ! いたぞ、あっちだ! 追いかけるぞ!」
利蔵「うぉおおお、ネコぉおお! 待て、この野郎!」
郵便配達の栄吉「ま、待って、利蔵さん! おいらの配達用の自転車を使って下さい! ほら、早く!」
角蔵「よし、俺がこぐ! 利蔵、お前は後ろにのってネコを捕まえろ! 栄吉、恩にきるぞ!」
郵便配達の栄吉「おいらも追いかけますから、急いで、急いで!」
角蔵「うぉおおおおおおおおおおおおおお!」
私は立ちこぎで自転車を全力で走らせた。先にいる白いネコは時折、私達をあざ笑う様に「にゃふ?」と往来でこちらを見てから、再びダッシュで逃げるを繰り返した。
角蔵「くっそぉおおおおお、あのネコ、完全にこっちを馬鹿にしてやがる!」
利蔵「とんだ、悪戯ネコだ! 絶対に捕まえてやるぅうううう!」
私は全力でこいだ。とにかくこいだ。だが、いかんせん日頃の運動不足と不摂生がたたり、すぐにも息が上がり始めた。
角蔵「はぁ、はぁ、くそっ! なん、と、はぐっ、ひぃいいいい、くっ!」
利蔵「角蔵さん、大丈夫か! 汗がすごいぞ! 変わろうか?」
角蔵「だ、大丈夫だ、ひっ、ひっ、ぐぐぐ!」
実はもう心臓が張裂けそうだ。くそ、ネコめ、おちょくる様に尻尾ふりやがって!
と、その瞬間だった。私の目の前に休憩する車夫と俥が二台ある。あれは確か、今帝都で最も有名な「韋駄天のすけろく・ごんろく」の俥だ。これは僥倖、運がいいぞ。私は利蔵に俥に乗り換えるぞと告げると、すぐさま自転車を止めた。
角蔵「はぁ、はぁ、頼む! あの白いネコを追ってくれ! 大事な手紙を奪われたんだ、頼むぅううう、はぁ、はぁ!」
車夫のすけろく「おっと、訳ありだな、旦那! それなら急いで乗ってくれ! 行くぞ、ごんろく!」
車夫のごんろく「えっ、あ、あにき! ちょ、ちょっと待ってくれ、おりゃ、まだ握り飯食ってる途中だよぉ」
車夫のすけろく「ばっか野郎! 困った人が必死で頼んでるんだ、飯なんか後だ、後! おめぇは江戸っ子だろうが、このすっとこどっこい!」
車夫のごんろく「うへぇええ、あにき、怒んないでくれよぉ、わかったよぉ、おっし、がってんでさぁ!」
すぐさま私と利蔵が乗り込むと、俥が一気に勢いよく起き上がった。
車夫のすけろく「いくぞ、ごんろく! 頼りにするぜ、俺の弟分!」
車夫のごんろく「おうよ、どこまでもついて行くぜ、おれのあにき!」
車夫のすけろく「おれたちゃあ、韋駄天! 誰にも負けねぇ! 気合を入れるぜ!」
車夫のごんろく「おう、あにき!」
車夫のすけろく・ごんろく「「君はそのままで充分だぁああああああああああああああああああああああああ!!!」」
二人は何故か帝都で流行のセリフを叫んだかと思うと、凄まじい土煙をあげ、爆速でネコを追いかけ始めた。 つづく
本編と無関係に進んでおります(笑)。なんかすいません( ;∀;)
作者からの返信
ふくやまさん。
読む前まで、うう、って気持ちだったのに。
最後はおなかかかえて、笑いっぱなし。
ありがとうございます。
あと、たぶん2話。
明日29話をあげて、明後日の月曜日の朝、たぶん最終回とエピローグを上げます。
どうか、どうか。
最後まで。
第27話 儀式への応援コメント
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」
私は帝都で新聞記者をやっている御湿布角蔵。貸本屋琴丹書房の店主、利蔵にその娘瑞香について取材する中で、私は彼に友情にも似た感情を芽生えさせていた。
娘を愛する親の苦悩、私の中では最早瑞香が魔性であろうとなかろうと関係ない。いや、この利蔵の娘なのだ、断じて魔性であるはずがない。そうだ、絶対に間違いない。もはやゴシップ記事などどうでもいい。私はこの親子を断固そっとしておく。
大体、あの若き花神巫達が阿呆なのだ。大人しい物書きを目指す娘へ、勝手に懸想する馬鹿ですけべぇで人騒がせな阿呆共だ。通報してやりたいくらいだ。私はそう強く感じていた。そんな折に郵便配達が瑞香からの手紙を持って来た。
郵便配達の栄吉「利蔵さん、ほら、瑞香ちゃんからの手紙が来たじゃないか。おいらの言った通りだろ」
私がどういう事だと首を傾げていると、利蔵が説明してくれた。有名な文士の元に行った瑞香とはもう二度と会えないらしい。今生の別れを済ませ、利蔵は断ちがたい娘への未練を断つためにも、手紙を一切出してない。そして文士の下で世間とは違う生活を強いられ、きっと自分の事を恨んでいるかもしれないと言う。
即座に、私は利蔵の頬を激しくぶっ叩いた。
角蔵「馬鹿野郎! 親一人子一人の絆が簡単に終わってなるものか! 見ろ、これを! こうして手紙をくれたその優しさを。その心を、親のあんたがわかって上げなくてどうする! おい、利蔵、どうなんだ、なんか言って見ろ!」
利蔵「だ、だが、正式に縁を切りたいとか書いてるかもしれないんだろ!」
角蔵「こ、この! なんて事言うんだ! もう一回ぶっ飛ばすぞ!」
郵便配達の栄吉「ちょ、ちょ、ちょ! 待って下さいよ、二人共! 言い争いをしなくても、ここに手紙があるんですから! ねっ、利蔵さんも、少し寂しさが高じて、拗らせただけですよね、ねっ、ほら、手紙を読んで見ればわかるじゃないですか!」
私達は必至に止める郵便配達の栄吉の言葉を聞き、一旦落ち着くことにした。そしてちゃぶ台の上には爽やかな藤色の封筒が一つ。
角蔵「ほら、利蔵、早く開けてみろよ」
利蔵「だ。駄目だ、できねぇ! 何が書いてあるか、俺は怖いんだ」
角蔵「まだそんな事を! 見ろ、この穏やかな宛名の文字を! 幸せに暮らしていないとこんな字は書けねぇ!」
郵便配達の栄吉「そうですよ、利蔵さん。きっと瑞香ちゃんからの幸せな報告ですよ、ほら、早く読んであげなきゃ!」
利蔵「で、でもよぉ……」
角蔵「おい、利蔵、この文字はどんなペンで書かれてるんだろうな! おめぇなら見分けがつくだろうが! その目ん玉見開いて、よぉく、見てみやがれ!」
瞬間、利蔵の表情が一変した。そう、その文字は利蔵が無理して送った舶来の上等なペンで書かれてるはずだ。そのペンを使う意味、それを悟った瞬間、利蔵はごくりと唾を飲み込み、覚悟を決めた。
利蔵「お、俺は手紙を読むぞ、すまん、俺が馬鹿だった!」
思い詰めた表情から、明るさを取り戻した利蔵が手紙に手を伸ばそうとした瞬間だった。
突如、茶の間を白い何かが横切ったと思うと、目の前の手紙が消えた。
ネコ「にゃふふふ!」
なんと、白いもふもふしたネコが手紙を咥え、鮮やかに私達の前から「にゃ!」と跳ねる様に去って行った。
「「「うっそおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」
私達は思わず絶叫した。 つづく
もう完全に長編化してすいません(汗)。 いつでも削除して下さい( ;∀;)
作者からの返信
ふくやまさん。
笑っていいのかわからないけど、わたしはこれ、めっちゃ笑った。お腹抱えて、背中曲げて。なんでいきなりぶん殴るの! え、ねこさんが! って、ずっと声あげて笑ってた。
しばらく声あげて笑うことなんてほとんどなくて、わたし本気で笑うと、声が、にはは、になるんだけど、そのにははで笑ったよ!
なんどもなんども、読む!
ありがとうございます!
第12話 奪ってお呉れへの応援コメント
りるるの形が絵となって想像することが容易くなるほどの文章表現……素晴らしい!
今回の話を彩ってます。
作者からの返信
西之園上実さま。
ありがとうございます!
このおはなしは、りるる、妖艶のあやかしの仕草、髪、流し目を描きたかったというだけで始まっております……。
りるるの姿、思い浮かべていただけたのなら嬉しいです。
第26話 花泥棒の恋慕への応援コメント
次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」
私は帝都で新聞記者をやっている御湿布角蔵。現在、若き花神巫達を狂わせる「魔性の女・瑞香」を追っている。私は彼女の父親であり、貸本屋琴丹書房の店主、利蔵の取材に来ていた。落ち着きを取り戻した利蔵は朴訥な人柄のまま語ってくれた。
利蔵「私はね、あの子に負い目があるんです……」
そう言った利蔵が語るのは、娘瑞香との微笑ましい思い出だった。身体の弱かった瑞香、空想が好きが高じて小説を綴る瑞香、そして夕食後に卓で感想と意見を語る時のこの上ない親子の幸せな時間。貧しき生活の中で贈った舶来の上等なペンは、二人にかけがえのない幸福を生み出していたらしい。だが、そんな親子にある事件が起きた。そこで利蔵は選択を求められ、娘をとある文士の元に送り出したらしい。
利蔵「私はあの子が元気で、そして夢である物語を書き、幸福に暮らしてくれればいいだけだっだ。だが、今にして思えば、私は結果としてあの子を追い詰めた気がしているんだ」
角蔵「追い詰めた?」
利蔵「私はあの子の人生の道を、精いっぱい応援したつもりだった。だけど、それはもしかして瑞香の人生を狭めたのではないかと気がつき、激しく慄いた。瑞香にはもっと普通の娘としての幸せがあったはずだ。身体が弱くともそういう幸せを知る事は出来る。だが私が他の娘とは違う道を応援したばかりに、その機会を奪ってしまったのではないか、年頃の娘の幸せを狂わせてしまったのではないか、どうしてもそう考えてしまうんだ。私は娘の人生を歪ませた馬鹿な父親なんだ……」
私はゴシップネタを探しに来ているのだが、思わぬ告白に激しく胸が痛んだ。なぜなら私にも娘がいる。その育て方に関しては毎日、どれだけ心を折って、慈しみ、大切にし、この人生を賭けてあらん限りの愛情を注いでも一切惜しくない、そう強く思っている。私は強く利蔵の肩を両手で掴んだ。
角蔵「馬鹿を言うもんじゃない! 娘の幸福を願うのは当たり前の親心だ。どんな形であれ、あんたの真心は必ず娘に届いている。それがどれだけ作家を志す彼女の人生に明るさを呼び込んだか! 決して、そして断じて彼女の人生を狂わせたたりなんかしているもんか!!!」
利蔵「……角蔵さん……、うぐっ、ぐっ、あんた優しいな」
そういうと利蔵は涙ぐんで嗚咽した。男親がずつと胸の中で溜め込んでいた深い愛情ゆえの苦しい想い。気がつくと、私も涙が零れていた。私だってそうだ。本当に自分の想いが娘に届いているのか、いつも、いつも不安だ。なにひとつ確証がなく、ただ親子と言うだけで、全てが上手くいくわけじゃない。親とはそういう苦しみの中で、愛情を育んでいるのだ。そのまま、私達は二人で男泣きした。むせび、吐き出す様に涙を互いに流した。そんな時だ。
配達員「郵便です~、利蔵さん、瑞香さんから手紙ですよぉ」
馴染みの郵便配達員らしき男が、一通の封筒を手に玄関から声をかけて来た。 つづく
すいません、もう勝手に長期連載させて頂いております。内容や他の読者様のご迷惑になる場合は、いつでも削除して下さいませ( ;∀;)
作者からの返信
ふくやまさん。
すごい熱量。男ふたり、抱き合い、泣く。
次、最終回なんですね。寂しいなあ……。
ずうっと、のんびり、沈丁花と二次創作に向き合ってたいなあ。
第26話 花泥棒の恋慕への応援コメント
こんばんは。
なんてこった、遊楽先生が、イエス・キリストのように縫い付けられてしまった。
遊楽先生の助けが必要なんだよ〜!
ぼたあああああああん!
騙されてるよぉぉぉぉぉぉ!(ToT)
作者からの返信
加須さん。
美しいモニュメントと化してしまいました。
事態は最後の場面に向けて動きます。
引き続きよろしくお願いいたします。
第24話 偉大な計画への応援コメント
こんばんは。
イーリス……ぐぬぬ……(ー_ー;)
遊楽先生を狙いおって……!!
作者からの返信
加須さん。
イーリスはもうどっぷり、自分の国と教えを信じています。
それに反するくらいなら、いのち消えちゃったほうがまし。
自分も、相手も。
たぶんそんな人なんだろうって思います。
第21話 一命をもってへの応援コメント
こんばんは。
なんと、古代の悪鬼、最恐の怨霊と、共に滅することが、瑞香さんの使命ですと……?!
それを、大きな傷をおいながら、問いただしにいく牡丹さん。牡丹さんの行動が一途です!(ToT)
作者からの返信
加須さん。
遊楽先生と瑞香さんの、もって生まれた運命。
ふたりはそこに、どう対峙するのでしょうか。
はい、牡丹は、とても一生懸命な良い子です。
第20話 異国の教会への応援コメント
こんばんは。
静まり返った、おごそかな教会で、だされる紅茶と、丁寧な会話。
緊張感と、異国の言葉が、素敵でした!
遊楽さん、香りでわかっていて、会話とお茶につきあってあげてたんですね。大人です。
作者からの返信
加須さん。
はい、遊楽先生、堂内に入るなり判明っておりました。
が、ふわりと受け止めます。
それは……。
引き続きよろしくお願いいたします!
第25話 獣への応援コメント
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」
私は帝都で新聞記者をやっている御湿布角蔵。現在、若き花神巫達を狂わせる「魔性の女・瑞香」を追っている。ふふ、面白いスキャンダルを掴んだものだ。思う存分ゴシップ記事を書いてやる、ふわははははは。さて、そこで私は彼女の実家を訪れた。魔性の女の生い立ちから探る事にする。そこで、玄関から私が声をかけようとした瞬間だった。
利蔵「瑞香ぁああああああああああああ、好きだぁああああああああああああああ!」
な、何事だ! なぜ叫び声が!!!
利蔵「がんばれよぉおおおおおおおおおお、お父さんは応援してるぞぉおおおおお! 瑞香ぁああああああああああ!」
くっ、あまりの迫力に押されてしまうが、とにかく取材をせねば!
角蔵「あ、あのう! すいません!」
利蔵「瑞香ぁああああああああああああ、好きだぁああああああああああああああ! 会いたいぞぉおおおおおおお!」
角蔵「いや、ちょっと、すいません! 落ち着いてもらえますか!!!」
利蔵「瑞香ぁあああああああって、ん? あなたは誰ですか?」
角蔵「私はかくかくしかじかで、記者をやっております御湿布角蔵と申します」
利蔵「かくかくしかじかでわかるかぁあああ!」
角蔵「そこ、つっこむなやぁ!!!」
私は取材の最初から、いきなり暗礁に乗り上げ軽く目眩を覚えた。 つづく。
次回予告「利蔵は何を語るのか! 角蔵と利蔵って似てるよねの回!」
すいません、予告までいれちゃった( ;∀;)
作者からの返信
ふくやまさん。
編集長「おい、角蔵みなかったか」
編集者「あ、朝から出かけましたよ。なんか地方の貸本屋を取材って」
編集長「まあたあいつは、俺の許可もなく……仕方ない、俺が行くか」
編集者「どうしたんです、なにかネタでも」
編集長「ああ、なんだかな、河童が花魁に化けてひとを喰うという噂が花街にあってな……ちと、行ってくるわ」
編集者「お気をつけて」
編集長「お、ちょうど俥やが。おおい、頼む」
ごんろく「へ」
編集長「これこれの置き屋まで頼む」
ごんろく(こいつぁ……)
編集長「どうした」
ごんろく「へ、いま」
走り出した俥は街の正反対へ向い、寂しい川沿いに編集長を下ろしました。川沿いの道をとぼとぼ徒歩で戻る編集長。と、その前に、老婆の姿が。ぼうっと、光って立っています。
第24話 偉大な計画への応援コメント
駄目だ……角蔵の続きが気になってしまった。笑
イーリスさんの狂信っぷりが怖いですね。
遊楽先生、まだ余裕そうですけど、大丈夫かな?
作者からの返信
おかんさま。
もう角蔵と俥屋さんは本編登場させてもいいんじゃないかという気持ちに傾きかけています。
イーリス、いろいろ純粋培養されて、拗らせてます。
おじいちゃん、おとうさんに、いろいろ仕込まれたんでしょう。
遊楽さん、さて、どうでしょうか……。
第23話 生まれてよかったへの応援コメント
ぐすんぐすん(ノД`)
瑞香さんの言葉に泣ける。
でも次の展開で泣いてる暇なかった……。
作者からの返信
おかんさま。
せっかく泣いていただいたのに……。
急展開、ごめんなさい ・゜・(PД`q。)・゜
第21話 一命をもってへの応援コメント
ひとまず安心の牡丹さん。
でも轟天丸ちゃんが……!(TдT)
イーリスさん親衛隊。(*´艸`*)ムププ
作者からの返信
おかんさま。
ごうてん、神獣なのに可哀想な立ち位置……。
申し訳ない申し訳ない つД`)・゚・
親衛隊、イーリスさんは遠くからそっと見てるだけにしたほうがいいですよ。
神父「見えられたぞ!」
修道士A〜M「うぃぃっす!!」
神父「よいか! 腹から声を出すのだ! せえの、いーり」
教会の裏玄関付近に巨大な穴が出現した理由はわかっていない。
第20話 異国の教会への応援コメント
静かな中に緊迫を孕んだ会話。
美しい言葉の裏に潜んだ毒を嗅ぎ分ける遊楽先生、さすがです。
もちろん、おへんたい仲間ではありませんね。(*´艸`*)
作者からの返信
おかんさま。
遊楽先生、初登場のときも醜い怪異に鼻を抑えてたのです。
お料理の味付けとかもうるさそうだなあ。
あんぱん、好きだけど。
遊楽「さっきからずっと視線を感じるが……ま、害はなかろう。だが、あいつの懐に入ってるのは……匂う……」
第24話 偉大な計画への応援コメント
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」
私は帝都で新聞記者をやっている御湿布角蔵だ。今日はとある筋から紹介され「若き花神巫」という内々の御方達が楽しまれる記事を書く為に取材に来ているのだが、少し困っている。
角蔵「あのぅ、私の話を聞いてます?」
柳太郎「あああ、瑞香さん、僕は、僕は! あああ、瑞香さん! あああああ!」
角蔵「ちょ、ちょっと! しっかりして下さい!」
柳太郎「はっ! あっ、すいません。もう今日はお帰り願いますか」
駄目だ、話にならない。若きホープと聞いている彼だったが、まるで何かに憑りつかれた様に心神喪失状態だ。仕方なく私は別の人間に取材を試みた。
角蔵「で、ご苦労された事とかお教え頂ければ嬉しいのですが?」
牡丹「瑞香さんは僕が守るんだ、瑞香さん、瑞香さん、す、す、す、駄目だ、言えないぃいいい! うわぁああああ!」
角蔵「いや、あの、落ち着いて下さい! 私の話を聞いてます?」
牡丹「はっ! あっ、すいません。もう今日はお帰り願いますか」
駄目だ、こいつも使えない。どういう事だ? どうにも若き花神巫達は「瑞香」なる人物に心を奪われている様だ。だがこの事実を知り、私の記者魂が燃え上がった。
私はゴシップが大好物だ。
ふふふ、これは面白くなってきた。私は早速若き花神巫達を狂わせる「魔性の女・瑞香」を追う事にした。 つづく。
あっ、連作になりました。なんかすいません( ;∀;)
作者からの返信
ふくやまさん。
今回も力作長編をありがとうございます。
しかもとうとう連載に(笑)
柳太郎くん、ホープだったんですね!
しっかり精進して河童花魁として立派に成長してもらわないと。
牡丹さんも想いの程、自覚したのやら。暴走してしまいましたね。
角蔵さん、取材結果楽しみにお待ちしています!
第23話 生まれてよかったへの応援コメント
ラストの柳太郎さんからの「勝て、生きろ!」が、我々読者から瑞香さんへの想いと重なります。
明かされた、りるると遊楽先生の運命。定まってしまった牡丹の気持ち。
もう、衝突は避けられない。加速していく展開にドキドキしています。
福山様の二次創作が、常に覗き見風味なのがいいですね。
今回はなんと、ひとりの男の生き方すら変えていくようなアツい展開。
でも教会にいる平太くんは、パンツ返してきなさい!
作者からの返信
月子さま。
嬉しいお言葉です。
このおはなしは、瑞香にとっての、生きる、という言葉の意味が塗り変わる物語なのです。
遊楽も柳太郎も、そして牡丹も、瑞香に生きていてほしい。
そんな言葉を月子さんからもたまわって。
瑞香は幸せものです。
あと平太くんも幸せものです(獲物
第23話 生まれてよかったへの応援コメント
りるるさん、出てこれるのかな……?この窮地を切り抜けるには……。
とかって思いながら、あ!劇場復活してるにゃ、戻って読もうっと。
んで全部回収しちゃって、近況でお薦めされてたの読んできて。
うにゃ~、劇場でも涙出ちゃう〜今ここ。
作者からの返信
@hikagenekoさま。
わ、アイトハ、読んでいただけた?
よかったでしょ。ね。
わたしがずうっと、ふくやまさん推ししてるの、わかるしょ?
あのひとは、こういうひと。
ふふ。誇らしい!
第23話 生まれてよかったへの応援コメント
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」
てやんでぇ、べらぼうめ! 俺は悪態をつきながら酒瓶をぐいっと煽った。なにひとつ面白くねぇ、仕事はねぇし、金を貸した奴はとんずらするし、朝起きたらかかぁも娘もいねぇ。はん、なんだこりゃ。俺はいらいらして酒を飲みながら、世間の幸せな奴らを小馬鹿にしながら酔いに任せて歩いてた。
幸せなんざ、どこにもねぇ、おめぇらはみんな勘違いしてんだよ、ちょっと裏目がでりゃあ人生なんざすぐ泥沼に落ちんだ。必死こいて守ったもんがすり抜けてな、つまんねぇもんだけが手の平にゃあ残んだよ。アホくせぇ、生きるってのはアホくせぇ。
俺はふともうどうでもいいかと考え、泥棒でもしてやれって思った。幸せを溜め込んだ奴らの目を覚まさしてやんねぇとな。けっ、感謝しやがれ。
そうして鬼灯亭なるたべもん屋に忍び込んだ。すると女が頭を下げて小僧っ子になんか言ってやがる。へん、何いってんだか。そう思いつつ、つい俺は女の言葉を聞いた。じっと聞いちまった。ただ、聞いちまった。胸の奥までなんか来やがった。
「笑って、泣いて、慌てて、驚いて~、明日はどんなことがあるのかなって、楽しみに、眠る。朝が来て、おはようって、云いあって~」
もう駄目だ、俺は逃げ出した。
バーロー、くそっ、なんて事言うんだよ、くそっ、くそぅ、涙が止まんねぇ、ふぐっ、ふぇ、くそぉう、泣いちまうだろが、ふぐぐ、くそ、ぼろぼろだ、こんちくしょう。
俺は酒瓶を捨てて、涙を流しながら歩いた。ばかみてぇに泣いた。人目なんかきにしねぇや。家に帰ると、かかぁと娘が心配そうに出迎えてくれた。なんだ、はははは、買い物だったのかよ。おれぁ、おめぇたちを死んでも幸せにしてやんぞ、文句は言わせねぇ、絶対だ。おう、今日もおてんとさまがあたたけぇなぁ、おらぁがんばんぜ。
長くなっちゃった、なんかすいません( ;∀;)
作者からの返信
福山さん。
長くなっちゃったのはいいけど、いいけど、なんか普通に短編になってるんですけど……むしろごめんなさい……ご自分の作品、かいて……。
でも、ほんと、嬉しいのです。
この、ね。瑞香さんの台詞。
なんじゃこりゃ、流れに沿わないべやって、言われるの、すごい見えてて。でもわたしは、好きで。
それを取り上げてくれて。
第21話 一命をもってへの応援コメント
りるるさんって、すごい妖しだった…。
二人はどうなっていくのですかぁぁぁぁぁ( >д<)、;'.・
作者からの返信
浬ちゃん。
りるるさん、古代の……でした。
ふたりの運命、宿命。
どこへ向かうのでしょうか。
第20話 異国の教会への応援コメント
緊張の一瞬です!
牡丹ちゃんの香りを察するとは、
さすが遊楽さま!
かっこいいのです(*>ω<*)ポ
作者からの返信
浬ちゃん。
遊楽さん、最強の花神巫。
鼻、かんなぎ、でもあるのです (*´艸`*)
編集済
第22話 憑り代への応援コメント
花神巫の秘密が明らかになった! まさかりるるさんがそんなお方だったとは……。そして牡丹さんが! 急展開にはらはらです( ;∀;)
と書いたけど、追記
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」
牡丹「柳太郎、そろそろ時間だから祢禰様を起こして来て!」
柳太郎「ええっ! なんで僕が!」
遊郭の花魁達「柳太郎、あなたしかいないの、ガンバ! お願いね♡」
柳太郎「えええええっ! でも、僕はちょっと!」
遊楽「柳太郎、女性に頼られて断る奴があるか。男なら腹を括れ」
柳太郎「で、でも、祢禰様の寝起きは怖いから……無理です!!」
瑞香「ほら、柳太郎さん、勇気を出して!」
柳太郎「あっ、瑞香さんまで……、そんな瞳でお願いされると僕は、僕は……」
遊郭の花魁達「じゃあ、こうしましょう! クスクスクス」
柳太郎「えええっ、ちょ、やめてよ、脱がさないで! 駄目、何するんだよ!」
瑞香「ほら、柳太郎さん、恥ずかしがらないの、めっ!」
柳太郎「あっ、瑞香さんまで! だ、だめ、だめだったら、そこは、だめ……あん……ううん」
暫し後。
遊楽「ほぉ~、中々似合うじゃないか」
柳太郎「もう! なんで、お稚児ちごさんと花魁と河童がミックスしてるのさ!」
みんな「「「ほら、行った、行った、頑張ってね!」」」
柳太郎「うわぁああああああ、やめてよぉおおお、絶対にふざけてると思われるから!!!!」
数分後、寝起きの祢禰に「おのれ、あやかしがぁ!!」と討伐され影に縛られた柳太郎が、「シクシク」と泣きながらごろりと廊下に転がり、皆が「やっぱりだめかぁ(笑)」と微笑んでいたとか。
なんかすいません( ;∀;)
作者からの返信
ふくやまさん。
近況にも書いたけど、これ読んで泣いたさ。へへ。
みんなを送り出してよかったなあって。
ありがとうございます。
嬉しい。ほんとに。
編集済
第21話 一命をもってへの応援コメント
こ、これは! 果たして、果たして、うーん、色々考えちゃう! ( ;∀;)
と書いたけど、追記
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」
修道士A「神よ、どうか罪深き私をお許し下さい」
神父「迷える子羊よ、懺悔なさい」
私は帝都の教会にて神父をしているアイドール・ダイスキーです。最近、宗派を超えて多くの修道士が私の教会に懺悔に来るようになりました。勿論、お断りなどせず、迷える子羊の魂の救済を行なっております。
修道士A「神よ、お許し下さい。私は卑しく下卑た愚者でございます。なんと罪深いのでしょうか、情けない」
神父アイドール「神はどんな罪でも許します。さぁ告白を」
修道士A「実は最近、某教会に来られましたイーリス様が美しすぎて、美しすぎて、私はついこっそり盗撮し、プロマイドを作りました。許して下さい」
神父アイドール「……」
この様な懺悔が最近多くて私は悩んでおります。他にも……。
修道士B「イーリス様のネーム入りハチマキを作ってしまいました、許して下さい」
修道士C「イーリス様の似顔絵入り団扇を作っていまいました。許して下さい」
修道士D「イーリス様のファンクラブの冊子を作ってしまいました。許して下さい」
この様な感じで、数十人を超える修道士がイーリス様に心を奪われ、神に仕える事がおろそかになっているのです。ですが、私は神父として、彼らの魂の救済を行なわなければいけません。そこで!
神父アイドール「全員、そろってるかぁああああああああ!」
修道士達「「「「ういっすうううううううううううう!」
神父アイドール「言いたいことが、あるんだよ! やっぱりイーリス、かわいいよ! 好き好き大好き、やっぱ好き! やっと見つけた、お姫様! 俺が生まれて、きた理由! それはお前に、出会うため! 俺と一緒に、人生歩もう! 世界で一番、愛してる! ア、イ、シ、テ、ル!」
修道士達「「「ううううっ、タイガー!ファイヤー!サイバー!ファイバー!ダイバー!バイバー!ジャージャー! ア、イ、シ、テ、ル!」
私は親衛隊を作ってみた。彼らの魂の救済の為に(キリッ!)。
なんかすいません( ;∀;)
作者からの返信
ふくやまさん。
だいじょうぶ!
わたしを信じてついてきて!
第20話 異国の教会への応援コメント
明るい中での静かな邂逅……緊迫感が凄い、怖いくらい。
作者からの返信
@hikagenekoさま。
この物語の最大の強敵とのエンカウント。
互いに、ひといきに相手を呑むことができる能力者です。
ぴりりとした空気感、伝わったなら嬉しいです!
第20話 異国の教会への応援コメント
いいですねー
なんだか当時のひとびとの表現やこころの豊かさが伝わってくる感じがしましたー。
静かな中、お互い落ち着いたやりとりがまた、のちの激しさを予期させるようで、おーっ、ヤバそうってドキドキします(>_<)
作者からの返信
矢口こんたさま。
ありがとうございます!
当時のことば、習俗、調べながら書いていると、だんだんそのころの情景が見えてくるようで楽しいものです。
ここからは激しい展開が多くなります。
どうかお付き合いのほど……。
編集済
第20話 異国の教会への応援コメント
早くも邂逅した二人、何が起こるのか。どきどき。それとは別に情景からの思想への流れ、そのひとだけの世界の表現。まさにそのままに、とても綺麗な言葉がたくさん( ;∀;)
と書いたけど、追記
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」
平太「うわぁあああああ、ごめんなさい!」
街の女の子「まてぇーっ、こらー!」
僕は平太、現在全力で逃げている。
仕事は呉服屋に勤めていて、配達の帰り道である。なぜ僕が逃げているかといえば、趣味のせいだ。
僕はお変態である。
仕事帰りに覗きを少々嗜,んでいると、着替え中の女の子から見つかり、現在逃走中である。
平太「はぁはぁ、はぁはぁ、……ど、どうにか逃げ切れたかな?」
僕は肩をで大きく息をし、近くの路地にこしかけた。すると身なりのいい男が様々な建物を物色している姿が見えた。おやっと思うと同時にピンときた。
僕は呉服屋ではこう見えて目利きでもある。匂いでわかる、彼は僕と同じ仲間、間違いなくお変態なはずだ。その隙のない身のこなし、流麗な所作、穏やかな眼差し、間違いなく世間をカモフラージュする姿であるはずだ。
そこで僕はこの地区の先輩として彼に声をかけようと思ったら、なんとその男は教会を眺めている。
なんと! 穢れ無きシスターを狙っているのか、大胆な男だ。僕はその豪胆な肝に居住まいを正し、敬意をもってお変態仲間として声をかけようとした。
教会の女「ダブロ パジャラヴァーティ……?」
中から女性が現れて、男は普通に入って行った。
あっ、見当違いでしたか……よかった声をかけなくて。焦った僕は胸を撫でおろし、ポケットの中にある今日の覗きでの戦利品であるおパンティを出すと、額の汗をぬぐった。
なんかすいません( ;∀;)
作者からの返信
ふくやまさん。
遊楽さんが教会訪ねたりするもんだから……。
この二人の会話、薄暗い堂内でしゃべってる様子を浮かべながら書くの、少し楽しかったのです。
編集済
第19話 イーリスへの応援コメント
シリアスな展開なので、2次創作は少しお休みです。
不穏な目論見が膨らんでいる! 轟天丸ぅううううう( ;∀;)
と書いたけど、追記
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」
私は轟天丸。神獣である。常に己をを律し、神獣としての格を損なう事無く、清く正しく気高く生きていくのだ。それが神獣なのである、うおっほん!
牡丹「ねぇ、轟天丸、ところでさぁ、なんでこの間、瑞香さんが店に来た時に勝手に飛び出て、しかもすりすりしてたの?」
轟天丸「ぎくっ!(全身発汗!)」
牡丹「変だよねぇ、あのさぁ、轟天丸ってさぁ、もしかして女好き?」
轟天丸「ぎくっ! どきどきっ!(心臓爆音!)」
牡丹「それにさ、祢禰様の所に行くと花魁さん達を見てそわそわしてない?」
轟天丸「ぎくぎくっぎくっ!(汗だらだら、目が泳ぐ!)」
牡丹「ちょっと心配だなぁ、やっぱり轟天丸って女の子好きな神獣なのかな? いやらしくない?」
轟天丸「わ、わぉおおおおおおん(そ、そんな事ないさぁ、あはははははは)」
私は神獣・轟天丸、都合が悪い時の遠吠えが1オクターブ高いのは内緒だ、うおっほん!
なんかすいません( ;∀;)
作者からの返信
ふくやまさん。
もちろんです!
また気が向いて、おはなしも落ち着いたら……。
といいつつ、ここから最終回までは……。
第17話 本当のわたしへの応援コメント
遊楽さま、肝心なところで(笑)
でも、「本当の、私」って、呪いって。
気になることばかりです!
あぁ~本当に素敵な世界観(*>ω<*)!
作者からの返信
浬ちゃん。
まあ……ちょっと残念な、遊楽さんでした。
呪い。本当の、わたし。
さて。
世界観、嬉しいおことば、ありがとう!!
第18話 声への応援コメント
2次創作「沈丁花は井戸端会議を所望する」
ごんろくとすけろく再び。遊楽達をのせた俥を引きながらアイコンタクトで器用に会話する二人(笑)。
車夫のごんろく(アニキ、アニキ! またこの兄さんですぜ)
車夫のすけろく(また、おめぇは! めくばせしてくんな、大人しく引け)
車夫のごんろく(遊郭から朝帰りなんて、いい御身分じゃねぇすか?)
車夫のすけろく(うらやましがんな、ばかっ!)
車夫のごんろく(文士様っていうのは儲かるんすかねぇ? 俺も書いてみようかな)
車夫のすけろく(おめぇ字を書けねぇだろうが、いいから引け!)
車夫のごんろく(アニキ、おれも遊郭で朝帰りしてっすよぉおお)
車夫のすけろく(あのなぁ、遊び過ぎんのはよくねぇぞ、いいから働け!)
車夫のごんろく(でもアニキ、文士様だったら遊郭でも仕事できるんじゃねぇすか?)
車夫のすけろく(まぁ、遊んでても紙と筆があれば仕事もできるからな)
車夫のごんろく(こう、ちょちょいのちょいって感じっすね!)
車夫のすけろく(ばっか、おめぇの手つきは文士じゃねぇぞ、誰の物まねだよ!)
車夫のごんろく・すけろく(はははははははははははははは)
とその時、車内の遊楽の声。「なにがいいたい(怒気)」
車夫のごんろく・すけろく「「ぼ、ぼひぃいいいいいいいいいいいい!」」
牡丹を降ろす為に一旦停止した俥の横、いつもは威勢が良く疲れ知らずな車夫の二人が、珍しく胸を抑え「はぁはぁ」言いながらドキドキしていたそうな( ;∀;)
作者からの返信
ふくやまさん。
また長編だー(歓喜
なんでアイコンタクトで会話できちゃうのこのひとたち!
*アンサーおもいつかなかったごめんなさい ( ;ω;)
第17話 本当のわたしへの応援コメント
こんばんは。
本当のわたし、とは? 瑞香さん、揺れてますね。
唇が耳朶をかすめ。ドキドキいたしました。お酒で寝ちゃったー!(ㆁωㆁ)
牡丹さん、艷やかなお人ですし、前話の祢禰さんの過去も、牡丹さんらしい語り口で、影薄くないですよ。(・∀・)
作者からの返信
加須さん。
遊楽にいわれて思い描いたはずの姿。
でも、その姿をおもったときに出た言葉は、本当のわたし。
瑞香にとってのりるる、さて。
第17話 本当のわたしへの応援コメント
うふふふぅ。(変な笑い声)
遊楽先生ったら、せっかくの機会をお逃しになって!
柳太郎くんのことを嗤えませんね。
あれ……?ん……?もしかして……いや、まさかね。
コメント二次創作劇場がどんどん長編になってる……!!(期待)
作者からの返信
おかんさま。
にははは。
瑞香から袖つかんで、引いたのに。
鼻どうしが触れる距離にあったのに。
ねえ。
もしや、まさか。にはは。
第13話 大事にしてへの応援コメント
いや、冒頭!
えっ? ってなったじゃないですか。ったく(>_<)
なーんも知らない瑞香に、瑞香のありのまーんままでしった柳太郎くん。いいですねー!
作者からの返信
矢口こんたさま。
へへ、びっくりしていただけたようで!
柳太郎は瑞香、りるるに意地悪されて、男子のあれこれが傷ついたみたいですね……。
編集済
第3話 選択への応援コメント
洒脱な文章で雰囲気に溢れ、それでいて長くなく読みやすくって。
描かれる色々なものへの知識、なじみがあり、それが端的さをともなう風情を作ってらっしゃるのだなと感じました。これはもう、自分にはとても真似できないやつ。
お話として推されていくだろう情感の、その仔細の部分が自分の好むところとはまた異なったのですが、それでも、自分が及ぶところでないお達者さには敬服いたしました次第です。
文面の、艶のある端正さもさることながら、序盤のここまでの展開も最高と感じました。風情の個性を全面に出しつつもツカミとして強力で、どんなお話かもよくわかる。
評の★、心からのものですので、さしつかえなければ受け取ってやってください。
作者からの返信
伊草いずくさま。
たくさんのお言葉、お星さま、ありがとうございます。
本作はもう、わたしが好きな世界、空気、色を、全力で置いてきています。どろり蕩けて、匂いが立ち上がり、花は視界ぜんぶを覆うのです。読者さまを、そうした世界に置かせていただくことが、わたしの役割と思っております。
そうした世界に、すこしでも堕ちていただけたのなら無上の光栄です。
エピローグ りるると、瑞香への応援コメント
ゆっくりになってしまいましたが、完結まで読ませていただきました。
面白かったです!
瑞香、牡丹さん……に限らず、もう最終的には登場人物みんな好きです!
そして、これほど完成度の高い作品を書ききった壱単位さんはすごいです!
素敵な時間をありがとうございました。
作者からの返信
西之園上実さま。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
途中でなんだか、えっ、という展開になっていたかと思いますが……よくぞ我慢してお付き合いくださいました。感謝申し上げます。
完成度という点では、あははは、という感じではありますが、登場人物はみんなみんな、わたしは大好きです。瑞香も牡丹も、遊楽も、柳太郎も祢禰さまも。彼らを動かして、エピローグまで連れていってあげられたことが今作の収穫かなあと思っています。
ほんとうに、ほんとうに、ありがとうございました!