雪秘め

雪女のお雪は、山に迷い込んだ木こりの青年と出会う。これまで誰一人として生きて帰すことのなかったお雪だが、その男だけは殺さずにおいた。ただし、「誰にも話すな」という約束を押し付けて。お雪の胸の中には、男の言葉がいつまでも残っていた。
　＊　＊　＊　
小泉八雲の怪談をはじめ、雪女をモチーフとした作品は幾つもあります。
多くの場合、まずプロローグ的に描かれるのは雪山での雪女と木こりの出会いの場面。そして、後日人間に姿を変えた雪女が木こりと再開するところから物語は始まります。
この作品では、そのプロローグと本編の間、つまり「雪女が人間の里を訪ねていくまで」を創作物語として書いてみました。