閑話 【視点別】お父さんを認めさせる

「今日は何してきたんだ?」

デートが終わり、恋人になれた私達を待っていたのは、怖い顔をした父と執事である佐田爺がいた。

「ガナーノ様、それではお嬢様に嫌われますよ」

「それは嫌だ!」

この人は親バカだ。というより愛妻家だから必然的に私の事も同様に扱ってくる。

まぁ、好き過ぎて婿入りするような人だから私達に言われると弱いという一面もある。


「あ、あの!」

「うん?どうした?」

「アメリアさんとお付き合いさせてください!」

「はぁ!?」

玄関でいきなりこんなことを尚くんが言うから相当驚いている。


「お、おいアメリア嘘だろ?パパから卒業してしまうのか?」

「とりあえず部屋で話しましょう。佐田爺、紅茶を尚くんにはカフェラテを」

「かしこまりました」


尚くんはコーヒーまでの苦いものは無理だけど、頑張って飲めるようにミルクを混ぜたカフェラテを飲んでいるということを知っている。

「じゃあ私はいつものを」


こうしてお父さんの部屋に行く。

相変わらず豪華な部屋。

「それで」

ギロっと尚くんを睨みつける。

「私は君の家庭環境をアメリアを通して聞いていた。あのいざこざに君を巻き込んでしまったお詫びも兼ねてこの家に住ませようと思った。」

「はい」

「どうしてこうなった…」

と頭を抱え始める。


「お父さんは認めてくれますよね?」

「大体、アメリアは尚くんのようなタイプは好きにならないと思っていた。どうして好きになったんだ」

確かに私なら好きにならなかった。

でも…

「こんな魅力的な人、他にいません」

こんな可愛いくて、かと思えばキュンキュンさせてくるような人。


「まぁ、アメリアがいいと言うのなら私は何も言わないが…」

「反対されたらお父さんと絶交でしたから良かったです」

「そ、それはやめてくれ!」

これだけ言っておけばもう反対はしてこないだろうと思った。


「だが…いいのか?一応私達は裏では殺し屋の家業をしている。仮にも人を殺しているということを黒須間君はどう思っているんだ?」

「僕は…アメリアさんの場合、何かしらの理由を持ってやっていると思うんです。極悪人だったり、そういう人達を殺してしまうのはやり過ぎかなーとは思いますが、僕はそれよりも優しいところとかいつも助けてくれるところが大好きなので…」

と言って顔を赤くしている。

正直、このまま私の部屋に連れ込みたい。


「君の気持ちは分かった。それなら…」

と尚くんに近づく。

「アメリアを大切にしなければ…」

「わ、分かってますよ!」

本当に親バカだ、この人。


そして話は終わり少し今日会った出来事を話し、私の部屋に戻る。

「尚くんはいつお風呂に入る?」

「この家ってお風呂どこにあるの?僕いつも部屋のシャワールームを使ってるんだけど…」

あれは風邪引いた時に体を流す用。バタバタしたり風邪ひいたりしてお風呂の場所をまだ教えていなかった。


「後で一緒に入る?」

「は、入らないよ!まだ…」

ごにょごにょ何か言っている。やっぱり尚くんにはちょっと早いかな?

「男湯と女湯に別れてるよ。佐田爺が多分案内してくれるから、着替え取りに行ったら?

「うん、そうするよ。ありがとうアメリアさん」

この笑顔が私は好きだ。だからこそ守りたくなる。


尚くんが部屋を出て私はベッドに倒れる。

「タイプに見えない…ね…」

仮にも約17年一緒に暮らしてる人だ。私のことをよく理解している。

だからこそ不思議に思ったのだろう。


確かに私ならタイプでないとはっきり言うだろう。

そもそも人に執着をしない性格だから。1人でもずっと良かった。


「それでも…」

私は手を強く握りしめる。


一旦、私に起きたことを振り返ろう。



《すみません、もう1話アメリア視点書かせてください!》

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表では学校1番の美女、裏では殺し屋であるアメリアさんは今日も僕を甘やかしてくる くさもち @41236987

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