第3話 好感度バカ高いのは何で?

「う…ん」

目が覚めると上にはシャンデリア。

「起きた?」

と見てくるアメリアさん。


「え?」

起き上がると部屋は大きい。ベッドが小さく見えるくらい広い。ここはどこ!?

何か高そうな壺もあるし。かと思えば壁に埋め込まれてるめちゃくちゃ大きいテレビもある。


「驚かせちゃったかな?」

「驚いているっていうか…なんて言うか…」

慌てふためいていると

「本当かわいいな〜」

「あ、アメリアさん?」

「ずっと一緒にいたいくらい」

「え?」

今何て…?

ちょっと待って。ここ夢?


学校1番の美女だよ?そんな人が僕と釣り合うわけ…ない。

バスケ部の高身長イケメンキャプテンでも振られてるんだぞ!?

それなのに…

「照れちゃって。かわいい」

と頭を撫でられる。


ダメだ…頭がバグりそう…

「アメリア様。そのようにしては黒須間様が困ってしまいます」

「分かってるよ。佐田」

「ほほ、黒須間様驚かせてしまって申し訳ありません。幾分、お嬢様も黒須間様とお話出来て嬉しさのあまりこうなってしまうのです」

「はぁ」

佐田さんと呼ばれる人は執事みたいな礼節のある人だった。

執事なんて初めて見た。


「ボスがお呼びです。黒須間様もお願いできますか?」

ボス…?

「怖がらなくて大丈夫。私の後ろにいれば終わるから」

とニッコリ笑顔で言われる。


あれ…?学校でのアメリアさんだいぶクール…今でも歩いてるだけでそのクールさは伝わってくるが僕と話してる時だけめっちゃ笑顔だ。

そう考えるとアメリアさんからの好感度バカ高い。何で?


連れてかれた部屋はまた大きかった。

シャンデリアだけでなくキラキラした部屋に

「…」

ボディビルダー並の体格をした外国人、日本人が後ろに無言で1列スーツ姿で立っている。


その前に置かれるソファの前では

「…」

アメリアさんに似た金髪の外国人が座っていた。


僕は息を飲んだ。もしかしたら殺されるんじゃないかと。だってどう考えても一般人がいていい場所ではない。


さっきアメリアさんが優しかったのも最後だったからかもしれない。冷や汗をかく。


「愛しい娘よ!ささ、座っておくれ。お連れの人もどうぞ」

ではありません。です。」

「はい!?」

「はは、アメリア何冗談を言っているんだ。パパびっくりしちゃうじゃないか」

と僕を睨みつける。


「尚くんにそのような態度をとるなら縁切りますよ?」

辛辣!そして尚くんとは…僕!?

え!?アメリアさん、僕を下の名前で!?

てか彼氏ってどういうこと!?


「す、すまなかった。後で手土産を持たせるから許して欲しい」

と頭を下げられた。

娘に敵わないお父さんだとは思ったけど頭を下げられるほどでは僕は偉くない。


「頭を上げてください。僕は気にしてませんから」

と言うと、天使を見るような目で

「ありがとう…」

と言われた。



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