第2話 物騒過ぎませんか?

「おい!急げ!」

段々と大きく聞こえてくる声で目が覚める。

「うー!」

口元も縛られる。足と手も。

マジか。誘拐?

と乗せられている荷台から声を聞きとる。


「アイツらが追いかけてきたぞ!」

「ちっ!何で俺らの組織が取り引きしているところがバレた」

取り引き…?

もしかして僕、ものすごいことに巻き込まれてる!?


「着いたぞ!」

「おい!荷物を運び出せ!」

無造作に荷物が運び出されるなか、僕まで担がれる。


そうだ!スマホ!警察を呼べば…

手も縛られてるから取ることができない。

担がられてるしまぁ無理だよね。


「撃たれてるぞ!」

銃声が聞こえてくる。

ここ、本当に日本?物騒すぎるって。


「もう完全に包囲した。大人しくこっちに来い。そうすれば命だけは助けてやる」

冷酷な女の人の声が聞こえる。


「何勝手に騒がしくしている?」

もうヤ〇ザじゃん。詰んだ。

高田…お前は能天気に過ごしてる中、僕は死ぬかもしれない。

「やーだね!俺たちはこれを渡さない。」

「いいのかよそんな調子こいててよ。このガキどうなっても知らねぇぞ?」

痛い痛い!髪掴むなって!

耳元には銃を突きつけられる。


銃刀法違反でしょ。とそんな悠長に言えるほど僕は肝は座っていない。

髪を掴まれてるから目をきっちり開けられていなかったが、意外な人物がいることに思わず目を見開いた。

そこには僕の見知った人が立っていた。


「アメリアさん…?」

「いいのかよ!お前ら一般人殺したら不味くないか?」

コンコンと銃で僕の顔を叩いてくるが、今はそれよりも


「黒須間…」

あの学校1番の美人と言われ生徒会長もしているアメリアさんがいた。

「アメリアさん逃げて!ここは危ないよ!」

「おいこのガキ騒ぐなって!」

「痛っ!」

兄貴と呼ばれるやつに殴られる。暴力振るうタイプかよこいつ。


「あなたたち…」

ビューンと音がした。

「てめぇ!良くも兄貴を…ぐはぁ!」

「お、おい!こいつがどうなってもいいのか!」

違う人に人質に取られる。

よく見ると世紀末みたいな髪型をしている。


「アメリアさん!?」

アメリアさんがこっちに向かってくる。

「お前!ぐはぁ」

アメリアさんが華麗なら二段蹴りで僕を掴んでいる人を倒した。

「かっこいい…」


どっかの俳優よりかっこよかった。

「大丈夫!?黒須間!?」

優しい声で倒れた僕を抱き上げている。

「何で僕の名前を…」

しかも呼び捨てで呼ばれている。

初めてだよ?喋りかけられたの。


そんなことを考えているとどんどん意識が遠のいていく。

「あ、ダメだ…」

アメリアさんすごい、いい匂いする…

ここで僕は気を失ってしまった。












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