第5話 楽しい朝ごはん?

「おはよう。もう起きないと学校遅刻しちゃうよ?」

「アメリアさん…」

そうだった。昨日…


「今日は休む?私とお勉強する?私はそれでも構わないよ」

アメリアさんと勉強?楽しそう…

寝起きでぼーっとしている僕を


「寝起き悪いのかな?ふふ、いいこと知っちゃった」

「…!」

「お姫様抱っこで連れて行こうか?」

「え、遠慮します!」

と勢いよく起き上がる。

危ない、危うくアメリアさんのペースに乗っ取られそうだった。

お姫様抱っこって…やるとしたら僕が…

と変な妄想をするが現実的にはアメリアさんに抱かれる方が…やめておく。


「じゃあそれはまた今度ね。朝ごはん食べよっか」

「うん」

と連れ出される。

ちなみに今着ている服は昨日アメリアさんが用意してくれたものを着ている。

ベッドも家よりふかふかで心地よかった。


「…」

「この卵焼き美味しいよ?食べてみて」

「本当だ!美味しい!」

「良かった」


これだけ聞けばただ友達の家に遊びに来て、お父さんと一緒に朝食を取っているだけのように見えるけど実際は…

「…」

「…」

後ろにあのボディビルダー達が並んでいる。

ずっとスーツ着てるじゃん。


「あ、後ろ気になる?邪魔なら退けようか?」

ぞろぞろと下がろうとする。アメリアさんのことそんなに怖いのかと思うくらい。


「いや大丈夫だよ。僕は気にしてないから」

「そう。ならこっちの…」

アメリアさんに勧められるがままに朝ごはんを食べる。


「美味しかった〜」

「料理長にもボーナスあげておかないとね」

「そういえば制服…家だった」

ここがどこだか分からないけど僕の家まで戻ってたら遅刻しそうだ。

アメリアさんの家にあるわけ…

「持ってきたよ」

とポンと渡される。


「アイツらに取りに行かせたからちゃんと尚くんのだよ?」

「あ、ありがとう…」

あのごつい人達を家に上げたのか…お母さん達がいない時間帯だったことを願う。


急いで着替えて、学校に持ってくリュックも何故かありそれを背負って…

「それじゃあ行きましょうか」

「え!?これで!?」

昨日見た黒い車だ。


「さすがに一緒に乗るのは…。僕、歩いて行くよ」

「ダメです。私と一緒に行きます」

「そうしたらアメリアさんが…」

「そんなの気にしてないから…。登校まで!登校したらいつも通りの私になるのでお願い聞いてくれないかな?」

「分かったよ…」

押しに弱いとはこのことだ。


大人しく僕は車に乗った。

ちなみに車の中では静かで、アメリアさんが膝の上に僕を置いてこようとしてくるのでそれを拒否しようとする攻防戦が繰り広げられていた。




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