産まない私は砂漠を逃げる

あらゆる人々が〈蟲〉と呼ばれる細菌に感染した世界。
血に潜む蟲によって、人は肉を内側から食い破られる恐怖に怯えていた。
絶望の中で人々は、〈御子〉と呼ばれる女たちに希望を託す。御子は蟲に感染していない子供を産み、世界を浄化できるのである。
しかし御子である少女レフは、単なる産む機械としての生き方を拒否し、逃げ出すことを決意する。
逃亡の旅の中で、彼女は〈蟲〉の謎と人々を真に救う手段を探し求めていく。