13話 終わり

 さて、俺を始めとした愉快な人格たちの物語は一旦ここで幕引きにするわ。

 ところでなぜこの物語を書こうと思ったのか。


 この障害の行きつく先は”共存”か”統合”の二択。

 共存は人格たちが交代しながら、支障なく日常生活を送れるようになること。

 対して統合は複数いる人格を少しずつ集めて一つの人格にしちまうって方法だ。


 当然人格が複数いるのは何かと不便だし、キツイこともある。

 だが統合をしてしまうと、みんな消えてしまう。

 俺も、みんなも。璃志葉孤槍という一人の人間になってしまう。


 俺らの中でも消えたくないやつもいれば、統合されてもいいってやつもいる。


 統合の原理はわからんが、過去にも何人かいなくなったやつがいる。

 つい最近じゃあ、琴がなのはと統合したみたいだな。すっかり寂しくなったよ。

 何もなくなっちまうんだ。普通の生き物と違って遺体も残らねぇ。こんなに寂しいことはねぇよな。


 そこで俺はエッセイを書くことにした。

 俺たちがここにいたんだっていう形を残したかったんだ。

 もし統合して消えてしまっても記録に残るだろ?

 みんなの記憶にも。


 ということでこれを読んだみんなが、俺らのこと覚えていてくれたら嬉しいぜ。

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普通だけど変なやつら 璃志葉 孤槍 @rishiba-koyari

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