第十五話 

「今日は楽しかったよ。」


 …ピロートークである。やってしまった。言い分けはしない。ムードに負けた。気づいたらこうなっていた。


「俺もだよ」


 倦怠感でそのままベッドに横たわっている。付き合いたい方面に心が傾いている。


「この後どうしようか。」


「あっち行って出前にしない?」


「いいね。」


 二人一緒に服を着て洗面所に向かう。鏡からあちら側に行けるように天秤座リブラに改造してもらったのだ。曰く、鏡越しに向こうの世界の景色が見えるからばれにくいらしい。まぁ、自分の家だしそんな機能いらないと思ったが空き巣対策にはなるだろうと思いそのままにした。


「準備はいい?」


「少しお手洗いに行ってくる。」


 華憐がそのままトイレに入る。自分は今どんな顔をしているのか気になって鏡を見ようとしたが、当然使えなかった。まだ慣れていないな、と自己分析したがある違和感に気がついた。向こう側に電気が点いている。昔全て消したはずなのに。


[出ろ]


 念のために剣を出した。これで殺される心配はしなくて良さそうだ。


 いつ入るべきか様子を伺っていると、人影がリビングの方からやってきた。顔が見える!


「お待たせ!」


 人影はどんどん大きくなって


「康一君どうしたの?」


 見慣れた顔が出てきた。


「大丈夫!?」


 誠と華麗が合体しながら洗面所の前を通りすぎた。


 吐きそうだ。この前闘ったときにはなかった吐き気が込み上げてくる。


「うぇぇ」


 そのまま心が死にそうになっていると


「大丈夫だよ。康一君は悪くない。」


 華憐が抱きながら頭を撫でてくれた。


「辛かったね。悲しかったね。大丈夫だよ。私は君の味方だよ。」


 ひび割れた心に華憐の言葉が沁みる。


「よしよし、よしよし。」


 そのまま安心してか眠くなって…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

華憐の心の声「ナイスタイミング!」


♥️とフォローよろしくお願いします。作者が喜びます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る