第九話 きょうしゃ

「今、アメリカから大統領が来てるんだろ!」


 なんか、テレビで観たような会議場に飛ばされた。


「お前はだれだ!」


 周りを見ると、出入り口らしき扉には屈強な男が付いていた。


「セプタ・プロバトだ。」


「そうか、死ね!」


 銃ね射たれた…が


[出ろ、切れ]


 そう念じると、銃弾は跡形もなく消え去った。


「なぁ聞くが、お前らハイパーノヴァ所属なんだよな?」


 所属していないのは知っているがわざとそう聞く。


「あ、あぁ」


 銃で射たれたはずなのに効いているようには見えないからなのか、案外大人しく答えた。嘘をだが。


「なら、お前らの上司はだれだ?」


「え?」


「答えられないか?」


 男達は答えない。いや、答えられないのか。ハイパーノヴァに上下関係なんて無さそうだもんな。


「それとも、偽物なのか?」


 脂汗が吹き出ているのが手に取るようにわかる。


「それなら、ここで終わりだな。」


 そう言って、突っ込んだ。


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 男達が銃で俺を狙撃する。腕は良いのか、百発百中だ。もっとも、全て蒸発して消えているが。


「くっ、来るな!」


 リーダー格の男がこんな状態でもヘッドショットを決めようとする。


「ガハッ」


 させはしないがな。


「撤退しろ!」


 リーダーが俺の蹴り一撃で沈んだからなのか、サブリーダーらしき男が指示を出す。


 逃げられるのはまずい。そう思って、全力の蹴りをお見舞いする。


「カハッ」


 最後の一人を蹴り飛ばした。こいつらは、どうしようかとか考えていると


 ドゴッ


 会議場のドアが壊れるぐらいの音を立てた。


「お前は誰だ!」


 そう俺に聞いてきた奴は、誠。アストラルのレッドにして、俺の幼馴染み兼俺から彼女を寝取ってきた屑だ。


「ヘプタ・プロバト。それが今の僕の名前だ。」


 いつもより、低い声で答えた。今の俺は、タウルスじゃない。


「僕からは攻撃しない。大人しく去ってくれるのが嬉しいんだがね…。」


 緊張しすぎて噛んだ。


「ヒーローがそんなことを出きるか!」


 ヒーローは不倫とかしないだろ。


「アストラルがお前を許さない!」


 俺もお前らを許さないよ。

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