第15話


そう言って私はスキル〈覇気武装〉を使って向かってくる小魚を最速でいなしていく。一直線にボスの方にいっているから〈覇気武装〉が届かない所は春香ちゃんに任せる。


私はすぐに終わらせないように、調整しながら何体倒したかを数えてボスモンスターの方に進む。春香ちゃんを見て余裕そうに小魚を相手していたので良かったと思いながら、私はデビルピラニアの所へと向かうのだった。




   ◆    ◆    ◆




私は小魚リトルフィッシュを掻き分けて進む。予想通りなんの楽しさも湧いてこないし、ただ流れるように、小魚を掻き分けてボスモンスターのところに行く。


だが、今回は後ろにいる春香ちゃんがいる為出来るだけ小魚捌いて行かないといけない。


そんなことを考えながらも、淡々と作業をこなす様に、魔法ではなく自然エネルギーを使って広範囲に展開して次々と向かってくる小魚を殲滅する。


そこからやっと小魚の勢いがない場所、デビルピラニアの付近へとついたのだった。


︎ ✧


side春香


私は薫ちゃんに言われてここにくる小魚リトルフィッシュを狩りながら空中に浮かぶモニターとカメラの方を向く。


そこには、追跡機能があるのかそこにとどまっているのに、モニターには彼女、薫ちゃんの姿が映し出されていた。私はこれ凄いななんて思っていたけど、コメント欄では


”やっぱり人間離れしてるなぁ〜カオルちゃん”

”触れてもないのに、動きを止める小魚”

”でもそんな作業をするかのように笑顔が消えているカオルちゃんもゾクゾクする”

”変態だ!!”

”変態が現れたのか!?”

”いや、自分で言うなしwww”


そんなコメントを見ていてまぁ私はおまけなんだなと思っていたけど


”これカオルちゃんのチャンネルじゃないんだから春香ちゃんも見てやれよ”

”それにしても春香ちゃん簡単に捌いているけどここAA級のダンジョンだからそんな簡単に捌けないのみんな分かってるのか?”

”それ即ち、春香も相当強くなってるやぞ!もっと見てやれよ”

”そうだそうだ!!俺たちのアイドル春香ちゃんをカオルリスナーも見ろよ!”


そんなコメントも流れてきてカオルちゃんに私のリスナー取られたのかと思ったけど、ちゃんと見てくれてる事に私はこの配信をしていて良かったと思えた。


だけど私もそんな自分だけ留まるのは何とも味気ないなと思って大きな声でリスナー立ちに宣言する。


「こんな所で立ち止まっていたら薫ちゃんに全て任したようで何とも私らしくないから!!私もダンジョンと言う醍醐味に習って、追いかけようと思います。」


そう言って私は、留まって見せるプレイではなく、一緒に肩を並べてこのダンジョンのボスモンスターであるデビルピラニアの元へと向かう。まだまだ、薫ちゃんとの差は歴然だけどそれでも私は、いつか肩を並べてまだ見ぬダンジョンを攻略していきたいとそう思いながら


薫ちゃんが向かっている所に剣で小魚を捌きながら向かう。彼女と共にいる為に




  ◆    ◆    ◆




私は、ようやく目的の場所へとついた奴、デビルピラニアは私という存在を警戒しているのか湖の中でどう対処すればなんて考えているのだろう。だけど、そんなことを考えていても私という存在が以下に対処なんてできないと言った様子で、現状沈黙をしている。


それに対して私は

「――ん〜面倒臭いなぁ〜こういったモンスターを倒すなら地響きとかでいいんだけど、今は私だけじゃないしなぁ〜」


そう、いつもならお構い無しに、一瞬で蹴りを付けるのだが、自分には今守らないも行けない存在である、春香ちゃんとこの現状を見守っている。モニター越しのリスナーが居るために、そんなことをしたら瞬く間に前のような現状になり兼ねないと、薫は思っていた。


だからどう対処をすればいいのか困りかねている時に、向こうから聞きなれた声がした。


「薫ちゃん!!私も一緒に戦います!!」


そう言って、残りの小魚を捌き切ってきた春香ちゃんが私の所に辿り着く。


それに私は

「春香ちゃん?なんて来たの?」

そう言って、あそこで待っていてくれと頼んだのに来てしまった春香ちゃんに問うと


春香ちゃんは

「これでも探索者の端くれですし、全て薫ちゃんに任せるのはなんだか、私は許せなくなってしまって来ちゃいました。」

と笑顔で少し舌を出して可愛らしく私に問い返してくれた。


それを聞いてやっぱり春香ちゃんは強い子だななんて思えた。それなら対処しやすいと思って私は


「わかったよ春香ちゃん、なら私の指示に従って貰ってもいいかな?私だけがやると、多分ダンジョンの地盤がおかしくなるかもだから」

「ええ...そんな壮大な事をしようとしてたのですか?でもそうしないということは、私の魔法で対処出来そうだということですね?」

「うん、そう...だからいいかな?」

「うっ....わ、わかりましたよ。指示に従いますとも」


そう言って、私は春香ちゃんに作戦を説明する。


それを聞いた春香ちゃんは、またもやええ...なんて言って少し引いていたけど、まぁ倒せればいいし、それに演出なんかを考えたらこの方が多少地味でも見栄えがいいのではなんて思ってからこの作戦にした。


そしてすぐさま私と春香ちゃんで定位置について作戦を開始する。


「じゃあ、放ちますよ!」

「ああ、いつでも大丈夫だよ!!」

「では行きます!〈フレイムボム〉!!」


そう言って春香ちゃんはスキルの〈フレイムボム〉をこの湖に投下する。それに私がありったけの自然エネルギーを注ぎ込む、そうするとその春香ちゃんが放ったスキルは有り得ない大きさになって湖に投下される。


そこから起きるのは、湖全体の沸騰という訳でそして私と春香ちゃんはと言うとそれは眺めていた。地盤は変わらなかったが、湖は蒸発しデビルピラニアと思わしき死骸が出てくる。


その死骸砕け散ってドロップアイテムが出てきたから、完全に倒したのだとすぐに理解出来た。


それから、私と春香ちゃんはドロップしたアイテムを見に近づいて、それを春香ちゃんが手にする。


「これってなんですか?真っ黒な鱗?」

「それは、レアドロップだね。体力全開の状態のデビルピラニアを倒すと稀に出てくるらしいよ。私も見るのは初めてかな。」

「そうなのですね。でも一つしかないのでどうしましょうか?」


そう言って、私も含まれている事にちょっとこの子は変わっているなと思った。だから


「私はいいよ。これは倒した春香ちゃんが受け取ってよ。私は別に欲しいとは思ってないからね、それに初めての一緒に探索して得た物なんだ。春香ちゃんに持っていて欲しいな、私は」

「もう!そう言われると断り辛いじゃないですか、ええ、分かりました。これは薫ちゃんとの思い出として貰っておきます。」


そう言って少し剥くれるも、嬉しそうな表情をする春香ちゃんを眺めてこんな感じの行いもいいもんだなと思う薫だった。



side???


「やべぇなあの子、今見た限りでは測定なんて出来ないわ」

「――うん、凄かった。それにあの笑顔見たらアリアの気持ちも分かる。」

「お前がいつになくそんな事を言うなんてな、確かに優れた容姿だ――」

「兄さんの変態....」

「うな!?それはねぇだろうよ!霧絵さんよ!!」


そう言って、ボスの入口付近で薫や春香ちゃんがいる数十km先を覗く2人の兄妹が、その2人が行ったことを見つめながら、2人は思う。


(あの二人に接触するのも、今回の依頼だけど、個人的には春香ちゃんとお近付きになれるまたとないチャンスだ!今回は不真面目にならないように頑張らないとな。)と一人の男は


(はぁ〜♡もう天使だよぉ〜薫ちゃん♡私も必ず振り向かせてあわよくばアリアを出し抜いてモノにしてあげるから覚悟しててよね♡)と欲望を思うもう1人の女(獣)がそれぞれの思惑を胸に眺めるのだった。




◇◆◇◆◇◆


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〈あとがき〉


大変申し訳ございませんm(_ _)m

投稿するのが長引いてしまい誠に申し訳ない。


他の事に夢中で執筆するのが遅れてしまいました。ほんとにすまぬ( ´・ω・`)


次回は、あの二人と接触しますので楽しみにしててください。(ノ˶>ᗜ​<˵)ノ


それでは(^3^)╱

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パワフルロリっ子ワンパン少女は、ダンジョンに住まうモンスターを狩る~主人公は知らずの内に人気配信者の配信に入りバズるようです~ 四季想歌 @ro-renkreuz39

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