第14話


「ひとまずここで少し休もう」

「そうですね」


そう言って、ダンジョンで発掘された休憩できるスペースへとはいる。


そこは魔力を帯びた血晶石で明るさを保ちながら、モンスターに認識されないような構造で出来ていた。久々にこの休憩ポイントに入ったけれど、中々に居心地がいい。


春香ちゃんも、少し疲れていたのか、ふぅ〜と息をついて落ち着きを取り戻している。

私はその間、コメント欄で皆が盛り上がって呟いているのを見る。


”こんな所にセーブポイントあったんだな”

”何度見ても真っ白なのによくモンスター来ないよな”

”たしか、認識を阻害する効果があるけど、密集してないと効果は出ないんだっけか?”

”そうそう”

”しかし並んで休憩してる2人の眼福ですわ”

”このために生きてきた....”

”俺もそこに混ざりたい”

”願望出てるやついて草”


そんな多種多様のコメントが流れて私はみんな楽しそうだななんて配信してる身からしたら何とも客観的だななんて自分で思ってしまう。


とりあえず、休憩してる間にさっき春香ちゃんが聞いてきたことを話そうと思い告げる。


「さっき春香ちゃんがあの時の事を聞きたいって言ったから話すけどいい?」

「はい!よろしくお願いします!!」

「そんな畏まらなくていいから」


”おっ!あの時の事が明かされるのか?”

”ドキドキ、ワクワク”

”絶対やばいこと確定やな”

”いや災害級のモンスターワンパンしてるからあなりまえwww”


そうコメント欄も盛り上がっていたので話す。


「あの後春香ちゃんと離れて、速攻で5階ぐらい降りていったんだけどね。中々お目当てのモンスターとかがいなかったから70階層のリザードマンと1時間ぐらいかな遊んで、それから飽きたから80階層のボス部屋の黒竜とじゃれあってたな〜

いつも捻りがない攻撃してくるんだけどね、その時は尻尾やら即座にブレスとか吐いてきて少しは楽しめたんだよ。―――」


そんな私からしたら当たり前のこと呟いているのに、春香ちゃんもコメント欄の皆さんもこんな状態です。


「ええ....それは....え――」


”もはやリザードマン玩具扱いwww”

”カオルちゃんからしたらなんともないように言ってるけど、そうはならんならんwww”

”しかもそれを聞いたけど黒竜の魂に刻まれてそうwww”

”本能や魂が、カオルちゃんを覚えてる説”

”どんだけ狩ったんだよwww”

”不憫すぎるモンスター達www”

”その話聞いて何故かリザードマンと黒竜のこと励ましたくなったんだが”

”俺もだよ”

”同じく”


何がそんなに行けないのか?だってダンジョンだよ?命のやり取りをする場では、狩るか狩られるかのどちらかなんだよ?そんなに気にしてたら戦えなくなっちゃうじゃんか?


そう思いつつも、10分間春香ちゃんや薙にコメントをしてくれるリスナーと口論しながら過ごした。ひとまず体力も回復した所で、次なるステージへと進もうと思い休憩スペースを出る。





   ◆    ◆    ◆





私たちは歩いて次の階層に行く階段を見つけて降りていく。中々に広くあるこのダンジョン確か2番目に階層が多い所だったっけ?まぁタイムアタックに使えそうだなって思う時はあったけど、それだけの価値しかないんだよね、このダンジョンって、まぁ初心者ではなく中級者向けぐらい少し足場が悪いと言った印象だな。


だけど、私は進んでいって何事もなく最後の階層である50階層について圧巻する。そこはダンジョン名にもなると納得できる場所だった。


ダンジョン名『樹海の静域』その言葉が最後の場所で成程と思う光景だった。湿地といえなくもないが、その広大な湖はどこまで続いているのかも分からなかったけど、最初の即座に終わらせてしまった時とは印象がかなり違うなと思った。


まぁ、それは私がこうして誰かと一緒にダンジョン探索なんてしていなかったという部分なのだとは思うけど、こんなにも見る景色が違ってくるとなんだか悪くないなと思う。


久々なのか、春香ちゃんも少し印象深くなったように、この空間を見ていた。そして


「カオルちゃん!こんなに広いとボスモンスターを見つけるの大変そうです!」

「確かに、そう捉えられるかもだけど、広いだけで、大してボスモンスターを見つけるのは苦労しないんだよ。」

「え?そうなんですか?私このダンジョンクリアしてないんですよね。この階層について素材やらここに着いた証さえあればクリア扱いになっているので、どんなボスがいるんですか?」

「確かここは――いや直接来てもらった方が早いてちょっとまっててね。」

「?」


”なんだなんだ?”

”何が始まるんだ?”

”これはどうなるのか見ものだな”


コメント欄も賑わっていたのを確認して私は、地面を思いっきり足踏みする。スキル〈貫通〉で地面に衝撃とその揺れをスキル〈ロック〉で固定する。それを見せたら春香ちゃんは驚いて私を見つめる。コメント欄でも


”え?え?地面揺れてない?”

”うわ!ほんとだ!なにしたんだ?!”

”春香ちゃんのリアクションもびっくりはしてるけど何が起きてるのかわかってない様子”

”いや、私もわからんよwww”

”とりあえずすげぇ(語彙力消失)”

”それな(笑)”


そうしていると奥の方から、ボスモンスターとこの階層にいる中級モンスターである。ピラニアのような小魚が大量に押し寄せてくる。


そして勿論ボスモンスターもいる訳で


「ええ!?なにあの量は!?」

「あれが、ボスモンスターのデビルピラニアとその配下である。小魚リトルフィッシュだよ。数は多いけど、そんなに強くないから大丈夫だよ。春香ちゃんでも捌ける捌ける。」

「いや、あの量は全部捌けないかなぁ〜出来れば減らしてくれると嬉しいなぁ〜なんて」

「じゃあ最初に数減らして溢れたの対処してくれる?ボスモンスターの所まで突っ込んで行くから。それじゃあ残りの小魚任せるね?」


そう言って私はスキル〈覇気武装〉を使って向かってくる小魚を最速でいなしていく。一直線にボスの方にいっているから〈覇気武装〉が届かない所は春香ちゃんに任せる。


私はすぐに終わらせないように、調整しながら何体倒したかを数えてボスモンスターの方に進む。春香ちゃんを見て余裕そうに小魚を相手していたので良かったと思いながら、私はデビルピラニアの所へと向かうのだった。





◇◆◇◆◇◆


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〈あとがき〉


遅くなりました!!( ߹꒳​߹ )

いやぁ〜ちょっとね何かね....(まじすまん)


忙しくはなかったんだけど、何とも言えない(只ゲームしてただけ)んだけど、ほら!やる気はね?あったんだよ?


長くなるからまぁこれの話は辞めよう。

次回は、ボスモンスター撃破とあの二人がカオルちゃんと春香ちゃんに接触するのでお楽しみにしててくださいね。


ではでは(ꕤ・・o)/ ~

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