第4話


私は、いつものように黒竜をなんの苦労なく倒して、余ってきたドロップアイテムを掻き集め転移石で速やかに、ダンジョンから出る。


出来るだけ、急いで帰ろうと思い最近やっとコツを掴めてきたスキル〈透明化ステルス〉で人に見つからないように、走って帰る。


私は、待っているであろう義妹のことを考えながら少し遅れた事に対して言い訳を考えるのだった。


家に着き私は、静かに家の扉を開けて中に入る。今は夕方になりかけている為、恐らく義妹である、薙は家にいると推測する。


だから忍び足をしながら階段を上がろうと思った時、上から視線を感じ、階段の上を見ると、そこに居たのは


「姉さん、また1人で遊び狩りに言ってたんですか?私前に言いましたよね?」

「あ、いや...それはその...」

「はぁ〜姉さんの衝動的な事は、今に始まったことではないですけど、メッセージぐらい残しててもいいんじゃないですか?」

「は、はい...おっしゃる通りです。でも...だけど、お土産を持って帰ったので...」


そう言って、デバイスの中にある、ストレージから、今日の収穫である地竜の肉と黒竜の肉を見せる。


それで、薙はすこしため息をついたあとに


「まぁ、いいですよ。だけどこれからは連絡をしてくださいね?姉さんの事だから心配はないですけど、もしもの事があるかもですから、本当に」

「う、うん頑張るよ。」


そう言ってから、薙は私が持っている2つのお肉を、取って「晩御飯頼もうと思ったけど、これ使ってジビエでも作るね」と言って台所のある方に行く。


それに私は、任せたと言って自分の部屋に行き服を着替える。


それからは、薙と一緒に今日の収穫のお肉を食べながら、習慣である薙に、今日起きた事を説明しながら綺麗に整えられた。肉を頬張る。


「じゃあ、今日は黒竜の巣で他の探索者と出会ったのね。それも南春香さんなんて...」

「もぐもぐ...確か髪は黒ロングで、瞳の色は少し薄い紫だったかな?かなり腕は確かなんだろうけどね」

「それは、姉さんと比べられたら対したことはないでしょうよ。でも配信してたなら、兄さんの時はともかく、姉さんになってからはある程度なら、私や母さんあたりが隠し通せてはいるけど、もしかすると....」

「まぁ、遅かれ早かれいつかはバレるとは思ってたよ。それにもうこの体にもある程度慣れて来たし、目線もそこまできにならなくなったからさ、もう大丈夫だよ。それに」


そう言って、前にいる薙に微笑んで応える。


「前まではお兄ちゃんだったけど、これからは薙の、お姉ちゃんとして堂々と活動したいからね!!だからもう心配しなさんな。」

「もう調子がいいことばかり言って、本当に」


そう言って憎まれ口を叩くけど、微かに口元が上がったのを見て、良かったなんて思うのだった。




◆◇◆◇◆◇◆




あれから食べ終え、お風呂に入り眠りについて一夜を終えた。


私は目を覚まし起きて、顔を洗う為洗面所へと向かっていると妹の薙も出くわす。それから一緒に歯を磨いて、リビングへと向かう時に、薙から、「後で姉さんの部屋いくから」と言われて頷く。


多分だけど、あの時の南春香の配信の事でも言うのだろうと思い私は、朝の食パンを食べながらのんびりと食べて、自分の部屋へと戻る。


しばらくして、薙がドアをノックして「入るね」と言って扉を開く。


今日はいつにも増して、少し落ち着きがないような感じがする。私はなるべく要点だけを聞こうと少し真面目な表情をするが「そんな事しなくていい」と言われたので、少ししゅんとなりながら薙の話を聞く。


「姉さん、これ昨日ちょっと気になって春香チャンネル見たら沢山の切り抜きやらで大量に姉さんの戦ってるシーンが載せられてたよ。」

「うわぁ....これとかその日のうちに編集して切り抜かれてるやつもう1000万再生されてるし、コメントもロリやら金髪やらでもう取り繕うことも出来ないですね!!ハッハッハッ!!って!」

「はぁ、笑い事じゃないよこれ、それに姉さんのデバイス多分だけど通知とか来てない?」

「そういえば、ダンジョン入る時にマナーモードにしてそのままにしてたな、あの時はお肉を取り出すだけしたからちゃんと見てなかったよ。」


そう言って私は、デバイスを取り出して協会からの通知や電話としての通知を確認すると


「うわぁ!えぇ....なにこれ?」


それのデバイスに映し出される画面を見た私は協会の通知を見た瞬間困惑して目を疑うような数の通知を見る。


「うわぁ...姉さん母さんと協会の担当者さんから凄い通知来てるね。+99件ってやっぱりあの動画が影響してるね。

どうするの?これもう直接協会の方に言った方がいいんじゃない?」

「それは、まぁそんなんだけどまず母さんに連絡入れないと....はぁ、絶対心配されるんだろうなぁ...」

「仕方ないよ、私もフォローはするから」


そう言われて気が乗らないけど、母さんに連絡入れる。


連絡を入れて2コールで素早く取られてがぁさんが行き良いよく話始める。


『薫ちゃん!!大丈夫!?あれから私のところに色々と協会から言われたけど、全部ねじ伏せて来たからある程度は収まってるわよ!


それにこれまで内部の方でも秘密にしていたあなたの体の事とかも協会での私の知り合いが便宜をはかってくれてるから、今はある程度治まったの。


それとね、時子ちゃんが事情とか諸々片付けてくれてたけど、上のたぬき達がやかましいから多分1度協会に来てって連絡があると思うからそれには出てね。


それから――――』

「ストップ!ストップ!とりあえず、ストップ!!そんなに早く言われたら聞き取れないし、隣に薙もいるから色々と掻い摘んで話したいからテレビ通話にするよ?それでいい?」

『あ、ごめんなさいねちょっと心配だったから焦っちゃった、そうね、確かにその方がいいわね。』


そう言ってから私はデバイスのテレビ通話に切替えて、備えていた支えに置いて薙と一緒にみやる。


「母さん、まず私から言わせて、早い対応してくれてありがとう、それが無かったら私が内部に入って暴れていたかもしれないけどね。」


そう言って少し不敵に笑う薙を見てこれは確実にやるなと思ってしまったけど、私の事だからまぁ、うんやりすぎなければなんて思ってたりもしてしまう辺り、家族なんだなと思えた。


それから私たちは、これからどうするかの話を小一時間程話して今日は家でのんびりと過ごすことになった。

昨日はある程度暴れた為、自分の家にあるトレーニング用の部屋で軽く薙と遊んで殴り合い、体を整え合うのだった。




◆◇◆◇◆◇◆


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〈あとがき〉


突然の電話越しママンに、入りましたねぇ

(◦ˉ ˘ ˉ◦)


家族思いの良い家族...って?父親どうしたと思うかもだけど、まだ父が出る出番では無いのだよ。君( ˙꒳˙ )


まぁ気長に待っててくれると私は嬉しいです。


それでは(´・ω・`)/~~ノシ

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