概要
“自分”を揺らがせる存在に、出会ってしまった
守護神ダジェを絶対神として崇めるアショク国。三月に一度満月の夜に開かれる“祭”が、国中の至る所で行われるなど、民のダジェに対する信仰はとても厚い。
この国には選ばれし者が務めるダジェの意思をこの世に伝える神の遣い“神子(みこ)”という役目が存在し、支配者層はその存在を借りてうまく民心をコントロールして政を行なっている。
長らく外的な脅威もなく、安定した平穏な治世。
ただし周辺国に目を向けてみれば、世の中は神という存在から離れたロジカルな思考での統治が主流になっており、アショクの神子文化は時代錯誤の考えになりつつあった。
そんな時代に貴族の次男として生まれたタスルは、十六の年まで何一つ不自由なく育った。この国の就学制度にある“上学”に在学の際に、すでにその頭脳明晰さは王や貴族らに知れ渡っ
この国には選ばれし者が務めるダジェの意思をこの世に伝える神の遣い“神子(みこ)”という役目が存在し、支配者層はその存在を借りてうまく民心をコントロールして政を行なっている。
長らく外的な脅威もなく、安定した平穏な治世。
ただし周辺国に目を向けてみれば、世の中は神という存在から離れたロジカルな思考での統治が主流になっており、アショクの神子文化は時代錯誤の考えになりつつあった。
そんな時代に貴族の次男として生まれたタスルは、十六の年まで何一つ不自由なく育った。この国の就学制度にある“上学”に在学の際に、すでにその頭脳明晰さは王や貴族らに知れ渡っ
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