可憐な魔女がその身を削り、血と泥に満たされた塹壕を這い進む

ちょっとこの作品は別格です。読んでいて寒気がするほどの没入感を味わいました。
アメリアちゃんはまだ少女と呼ばれる年齢ながら、最後の砦ジャバルタリク要塞線の戦線を支える「鉄条網の魔女」。小柄で弱気で可憐な容姿の彼女の戦いは……有刺鉄線を操り、数多の敵兵を無惨な肉片と化せしめる凄惨なもの。敢えて恐怖と憎悪を掻き立てるその姿は、強い意志とともにどこか儚さを感じさせます。

彼女とともに戦場を地獄に変える魔女戦隊の面々もまた魅力的です。圧倒的な火力で敵兵を薙ぎ払うもどこか破滅的な「炎の魔女」リタ、淡々と任務を全うするも人と竜の境が曖昧になる「竜の魔女」ケイリー。皆それぞれの思いを抱えつつ絶望的な戦争に身を投じています。

舞台は第一次世界大戦をモチーフにしているそうで、兵士達は塹壕に身を潜め、泥と血にまみれて照準のむこうに敵兵の姿を見ます。圧倒的な力を持つ魔女もまた例外ではなく、銃弾は平等に彼女らを穿ちます。

泥と血にまみれ、敵兵と味方の死に心を凍らせ、それでも戦い続ける魔女の姿、是非ともその目でご覧ください。

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