血と硝煙と泥と諦観。リアルにクソな戦場での魔女たちの生きざま

もうね。
圧倒的です。

レビュワーも魔女が出てくる戦記物書いているんですが、完敗を認めます。
魔女が圧倒的な力を有する兵器であると同時に、一人の女の子であることを見事に描いている筆力に舌を巻きました。

主人公アメリアは戦っている最中は正義も何も無くてただ敵を無慈悲に倒します。
そうしないと自分や自分が守りたいものが死んだり傷ついたりするから。
でも、完全に人の心を失ったわけではなくて、悩んだり葛藤したりします。

戦争の酷さや愚かさをきちんと描きながら、そこで悩み傷つきもがく人は美しいという矛盾したことを成立させているのが凄い。

そして、繰り返し提示される「銃後はない」というテーマ。
直接戦っていないものも戦争の当事者であるということは、各地に戦火が広がる現代において、とても考えさせられる命題だと思います。

私はむしろ好物ですが、百合展開が入りますので苦手な方は注意。
それと1話が長く、毎回文字でぶん殴られますので、明るく静かな場所でゆっくり読むことをお勧めします。

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