倒錯的な村に迷い込んだ1人の作家は、4人の小鬼を殺さねばならない……

本作の主人公は小説家・飯田太朗。
作者自身の名を冠した彼が、『禍魔の仮面』と呼ばれる呪物を求めて出かけた道中でバス事故に遭い、謎の村に迷い込むところから物語は幕を開けます。

この村が、とにかく変。村じゅうの時計が特殊仕様だったり、村人に話しかけても常識を逸脱したリアクションが返ってきたり、宿では毎回おなじ食事が出されたり。
「月の目が開く」ことを極端に恐れる村人から、「4人の小鬼」を殺すようにと言われたり……

倫理観が根底から違う文化は、それだけで恐ろしい。だけど、どこか魅力的でもあります。
序盤から描き出される幻想的な村の様子は、どこをどう切り取っても理解不能、だけど何とも意味深で、それぞれが何を表すものなのかと考察魂を揺さぶります。

飯田先生は何に巻き込まれているのか?
4人の小鬼とは誰のことなのか?
そもそも、この村はいったい何なのか?

読み始めたら止まらなくなること請け合いです。
巧妙に張り巡らされた伏線に導かれ、全ての謎が解ける時、『禍魔の仮面』の真の恐ろしさが分かるでしょう。
そして事件の真相には、創作者にとっては痛いほど理解できることが隠されています。
ぜひあなたの目で、全てを確認してください!

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