禍魔の仮面を巡る、不思議な村で起こった怪異事件の謎を解け!

禍魔(まがつま)の仮面。それは夢を固めるお面。かのお面に興味を持った小説家飯田太朗はその面があるという長野県にフィールドワークと称して赴くことになる。
そこで出会う怪異、頭痛、そして謎の子鬼に演奏師。悪夢のような時間を過ごした結果彼が導き出した真実とは──!

こちらの作品はミステリー小説ですが、王道のミステリーとは少し変わった作風です。摩訶不思議な出来事が次々と起こり、村人達の言動もフワフワしていていまいち要領を得ない。おまけに四人の子鬼を探して殺せと言われ武器まで持たされる始末。
殺人事件が起きて、探偵が謎解きをする展開を期待して読み始めたミステリー好き読者さんは、最初はちょっと読みにくいなと感じるところもあるかもしれません。
だけどそこで読み止めてしまうのは勿体ない!数々の名作ミステリーを書かれているこの作家さんの実力は私が保証します!

序盤から出された数々のヒントが中盤から少しずつ繋がっていき、なんとなく事件の全貌がぼんやりと見えてきます。この作家さんは謎解きに必要な情報をしっかりと提示してくれますし、本編の中でも度々飯田先生が状況と情報を整理してくれるのでしっかり読んでいれば正解にたどり着くことができます。
演奏師とは何か、子鬼とは何か。禍魔の仮面とは何か。その意味がわかるにつれてどんどん面白くなっていきます。
ラストの謎解きも最高でした!大体こんな感じかなと予想して謎解きパートを読みましたが、ラストに(良い意味で)意外な結末が待っていて大変面白かったです!!そう来たかー!!最後の最後にすべてが繋がって、大変スッキリとした読了感でした。
一見すると幻想小説のようですが、中身はしっかりした本格ミステリー!不思議な世界に浸りながら謎を解いていくカタルシスをぜひ堪能して頂きたいと思います。

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