七浦結愛の夢占い～料理男子と現実主義者～

深層心理における用語が出ていたのも特徴的ですが、短編における纏まりの良さも特徴的です。

短編には短編の良さがありまして。
残心と言いますか、想像力をふくらませる余地があります。

そういった意味合いでは卵の意味合いを想像力の余地に委ねた良い作品だと感じます。

沢山の楽しいことが詰め込まれておりました。

夢占い、妖精、お料理……。

主人公の周りには色々な登場人物がおりましたが、私にとっては、姉が印象的でした。

空気のようなのではなく、影響を与えたくて仕方がない姉でした。

サインを顔芸、げふんげふん……、いや、そんな感じで送ったりですとか。

また、妖精が宝石からきているところも夢いっぱいです。

タイプの異なる素敵男子に囲まれたり。

むふふですね。

是非、夢占いにダイブ！

意外と珍しい設定の、とある少女の日常を描いていて良かったと思います。
妖精をお婆さんから受け継いだというファンタジー設定に溺れず、微妙な心の動きが違和感なく本当のことの様に綴られていく。
特にラノベって女子の心理描写が有り得ないものが殆どで、男の妄想の貧困さに辟易するけど、この作品の心理描写は素晴らしく、タイトルにもある現実主義者としての表現や結末も頷ける物でした。
この尺なので、無理に本人の成長や変化を持たせるより、自分や他人とその能力を使ってどう折り合って行くかを何となく掴んだかのようなラストも現実主義者としてのドラマとしてちょうど良いものになってるかな、と思いました。

蛇足ですが、こ…続きを読む

主人公の女の子は、現実主義者の中学生。
幼馴染の料理男子は、主人公のことを女の子として意識してるんだけれど、主人公は、「？」
まったく気がついてない……。

料理男子は、主人公にとびきり美味しい料理を食べさせてくれるのです。

二人の関係は、中学生らしく、ほのぼの。
読んでて、ニヤニヤしてしまう。
こういう幼馴染、良いなあ──。

気軽に読めるので、ぜひ、ご一読を！
オススメですよ。