探偵side 解決編? その後〜もうこれで解決で良い。お互いの気持ちが分かったんだから…だから、関わらないでくれ
※探偵のタツ
「チクショウッ!私の弟子はっ!何でっ!離反しかしないっ!?」
百足をモチーフにした水色の大きい鎧武者みたいな奴が私に突っ込んでくる…正面の胴体は、まっすぐゆっくり向かって来るが、その後ろの胴体だかケーブルだか分からんものがムカデの様に波打ちながら進んでいる。
「気持ちワリィなっ!来るんじゃねぇ!」
高速で拳を、蹴りを放つ。削り、もう少しで本体が見えると思うとまた氷の膜が出来て、そこから武者鎧のような形に形成される。
「うおおおあ!?やっぱり怖い!気持ち悪い!ヤバい!ヒロ!助けて!ヤバいよコレ!?」
組み付かれ押し倒された、そこから聞こえてくるアイツの声…
『なおたきゅー♥みてるー?♥コールドプッシーぴんちぃー♥たしゅけてぇー♥』
何でビデオレター風だよ!何処がピンチだよ!?ピンチは私だって!
『Absolute 零 起動します』
ふぉぉぉぉ!さみぃぃぃぃ!?周りが、パキパキに凍っていく。
筋肉操作で凍らないけど寒いものは寒い!
「ヒロ!助けて!マジで寒い!ヒロ!?」
私の視界で、背中を見せダッシュして逃げるヒロ室長…マジか…
「お前の責任だ、お前の弟子だ、なんとかしろ!」
それを言っちゃおしまいだ…しょうがない…
とりあえず全部折ろう。流石に眼鏡みたい折ったら死ぬから手足をちょっとね、治りやすい様に…
ボキッ!ボキッ!ボキっ!ドンッ!
肘、膝の骨を折って前蹴りで吹っ飛ばす。
『ピギィ♥なおたしょうとうぉっ!♥たしゅけてぇー♥いたひぃあー♥』
バリリリリリッ!ビキキキィッ!
『もっつおー♥ひろぴんー♥ちょーらいぃ♥』
手足が折れ、一応肋も折ったが普通に立ち上がりまたムカデのように前進してきた…
もう無理っす…ただただ気持ち悪い…
私は真後ろに逃げ出した。虫も、気持ち悪いのも無理だからだ。
昔、ヒロが言っていた。
彼女のアイカをNTRした幼馴染・ネトが、山に呼び出してきて俺が悪かったから気の済むまで殴れと言ってきた。
望み通りに殴ったら『気持ち良い』と言われ、気の済むまでって…コイツの気の済むって…その時が人生でトップクラスに気持ち悪かったと言っていた…
まさにソレ、御冷みてーな女を変身ヒロインに仕立て上げ、将来人気者になった時に私が『コールドプッシーは儂が育てた』をやりたい為に…私の為に頑張る弟子を作る筈が…
私の予定では、私の大好きな肉吾郎でもスポンサーが就いて、某アニメの如く氷の美女みたいな変身ヒーローアイドルになる筈が…氷の変身ヒロインって言ったらクールが売りの筈が…まず異名が…
【信玄公の亡霊】【蒼の不死武者】【氷点下の牢獄】
何がコールド★プッシーだよ!?全然違うじゃねぇか!何で氷なのにムカデだよ!?クールじゃなくてグールだよ!
まさかこんなもんに付き纏われるようになるとは思わなかった…探偵って大変だ…
―――――――――――――――――――――――
早速出来上がった変身ヒロインスーツを贈呈する。
心の中では飽きてきたので、後は勝手にやれと思いながら。
「これを着るからにはオレの弟子だからな?言う事聞けよ?」
念を押しておく。最近の若造の弟子はすぐ造反するからな…
「これで直太君と…色々と…楽しみぃ♥」
馬鹿は妄想が廻ってるらしい、まぁ良いだろう。
それから操作方法や使い方を教え、変身ヒロイン有耶無耶作戦を開始したが…御冷の中で何かあったらしく、急に行動し始めたと思ったら…
相手の家に侵入…教室で変身解除の勢いで爆発…ヒロの車に侵入…交通事故…アヘ顔…
NTR相談を受けていた筈だが?
ただ、事故った時に気づいたらしい。
相思相愛だったと本人は言う…そんな感じしなかったが…
『分かったんてしゅ♥ピンチになるとぉ♥なーた君がぁ♥ぎゅってしてくれるんですよぉ♥』
凄い馬鹿になっていた。いや、元からか?
「タツ…お前のせいだぞ…お前が変な事言うから…」
「いや、ヒロ室長…違うから…これは、こいつの素養だから…」
「報告によると定満、獅子川、棺による初の合同制作らしいわ、メイン開発は棺ね。別名【夢幻氷装】。感情や想像力を使って少ない体液で周りの温度を下げるわ。発動は彼女の【欲昂】…火力ではなく『死なない』『殺さない』を優先事項にした最新型ね」
いや、知らんがな…
まぁ、その後の顛末を語るとしよう。
探偵事務所に例の2人がやってきた。
「お、俺達付き合う事にしました!」
「♥そういう事だ♥色々世話になった♥」
一見、普通の学生のカップルだ。御冷とかいう女が、年上の私に滅茶苦茶偉そうだがコレで良しとしよう。そうしよう。
「おめでとう、帰って良いぞ。出口はこちらです」
「それで…相談があるんですが?」
「いや、無いな。相談は無い。NTRが終了の時点で試合終了です。諦めること無く試合終了、良かった良かった」
「いや、御冷がコールドプッシーとか言ってる件で…」
「お前は…試合終了の笛を聞いてもまだ諦めないつもりか?気を失い戻った時にまだ試合してるつもりの格闘家か?満足いったろ?もう良いだろ!?」
付き合いました、完。で良いでしょう!?
何でほじくり返す!?事務所に2人で来る!?
「俺は普通に付き合いたいんです…コレ、変身ヒロインの道具?御冷に渡したの貴方達ですよね?何とかなりませんか?」
「ん?♥直太、子供が欲しいのか?♥まだ早いんじゃないか?♥」
脳が溶ける、関わり合いたくない…
「それに…本人曰く俺をやきもきさせるためにピンチが必要らしく…強い人の所にふら~っと行ってしまうので…ムラムラしてくると多分タツさん所に行きますよ?」
「ほう?少年、この、オレを強迫かね?学生の割に強気ですね?とりあえずオレは一ミリも関わり合いたくない。お前が何とかしろ。はい、終。それ以上喋るなら気絶させる」
「強迫じゃなくてお願いです、だって俺全然分からな…ムブっ!?」
『なおてゃしょーとーへの、あくいかんち!♥ボクがまもらなきゃ♥キャパ―♥むちゅーレロレロレロレロ♥』
この頭のおかしい御冷とか言う、女。突然、眼の前で背中を向け男にディープキスし始めたと思ったらケツを振り始めた…コイツ、制服の下…変身スーツ着てねぇか?なに?ずっと着てんの?
変身しっぱなしは強くなるけど精神に負担がかかるって聞いているが?
振っているケツから輝く水色と翡翠の色のような、氷と水の中間の素材の何かが伸びてくる…ウンコかな?…うおぉ私の嫌いな虫モチーフの何か…コレはアレだぁ…ムカデだぁ…嫌だぁ…巨大なムカデの様な尻尾を揺らしながら部屋を凍らせていく。コレ、絶対ヤバい奴じゃん…そして茶番を開始する2人…
「おい!御冷!?」
「みゃもる♥なおたしゃままみょるるるる♥」
こいつからはその後、一番弟子の激臭クソ漏らしネコとは違うベクトルで度々襲撃を受けるようになったとさ…反骨精神のない弟子が欲しい今日此の頃。
※連日更新!夜中に間男、明日にはオマケを更新してcase1終了です!
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