間男side ♯2 探偵さんよ…いつから俺が、俺が間男で竿男優で悪の総統に?

 ゴソゴソ…ゴソゴソ…


「総統…コレを…運気が上がります…それと…このアプリ…プッシャーとの繋がりが…強く…」


 朝方…ほぼ深夜か…また御冷が入ってきた…何だろう…何か憑いたのかな?

 てゆーか、御冷の家とウチは隣同士とかではない。住宅街で、何軒というか数百メートル離れている

 そして普通に俺の部屋…戸建ての一階の角部屋に…夜中の2時過ぎに不法侵入…勘弁して…くれ…俺は再度寝た…疲れて…眠いからだ。



 チュンッ!チュチュン!


 はぁ~朝か…


 昨日の夜、親に排泄物まみれのベッドを見せたらめっちゃ怒られた後、凄い心配された…キ・ツ・イ…

 とりあえず床に敷布団をひいて寝た。

 そう、だからいつものベッドじゃない事に違和感を覚えた…昨日の出来事は夢じゃない。


 そして謎のコントローラー…後、チラシ…このチラシは…


 俺は起きて、チラシを見ながら朝飯を食う。

 チラシには昨日の御冷の変な格好した写真と…


『得意の新体操のコスチュームを模した亀甲貞操帯というコスチュームを身にまとい、街の貞操観念を守るヒロイン、その名はコールド★プッシャー!

 しかし悪と性欲の権化NAOTA(新谷直太)総統に敗北…彼女の貞操観念が狂う!完全な肉奴隷に墜ちた闘うヒロインの物語だ!』


 悪と性欲!?…NAOTA(新谷直太)に敗北っすか…二行目から俺、本人の知らない事件を前提に話が進むプッシャーの墜ちた後の説明書とストーリー。

 プッシャーが何をしていたのか分からないし、何で負けたのかも分からないし、総統(俺)は何がしたいのか全く分からない。

 

『第一話 あらすじ

 プッシャーは油断した結果、直太総統に捕まりスーツの機能である指紋認証による奴隷システムを作動させられた!プッシャーに今までに無い快感が襲う!このままでは変身するにも直太総統、初めてのエ★チも直太総統、何をするにも直太総統の認証が必要に…どうするプッシャー!?

 続く 

 次回予告…直太総統と同じクラスのプッシャー…教室内で正体を晒されるのか?学校内での辱めが始まる…』


 始まる…のか?いや、俺が始める体だが…ん?後ろに誰か…



「アンタ、何書いてんの?…うわ!直太ヤバ!?アンタ!頭ヤバッ!?兄貴!直太がヤバいっ!」


 ちょ!待てよ!


「はぁっ!?違うって姉ちゃん!これ俺じゃないって!」


 クァ!?姉に見られた!?しかも勘違いされた!


「何々?うぉ!?凄いな…これ御冷ちゃん?お前、御冷ちゃんにムッツリした態度のクセにスケベだな…まさにムッツリスケベじゃねーか(笑)」


 そして兄にも!これは駄目だ!俺の家での立場が!


「待ってくれ!書いたのは俺じゃない!何者かが俺を嵌めようとしてるんだ!多分…アイツだよ…」


 まぁ、ほぼ御冷確定だけど…まだわかんないし…


「何それ…もう高校2年何だから厨二病は程々にしときなさいよ?」


 くぅ…挽回出来ず…俺には4歳年上の小春姉さん、6歳年上の夢斗兄さんの三人兄妹だ。

 この二人は未だに御冷と会えば会話するらしい…というか俺以外は普通に話しをする。

 そしてこの二人はとりあえず御冷の味方をする。


 もちろん、俺も御冷の親とは会うと挨拶はするし普通に話す。

 御冷の両親はどちらかど言えば俺の味方で、娘がごめんねと謝ってくる…別に親までは憎くない。

 俺のムカつきはそこもある…ある時期から反抗期たか知らんが御冷は親に自分の事を話さなくなったらしい。

 俺だけなら良いけどな…せめて親には…と自分の事を棚に上げて言ってみる。


 とにかく説教は嫌だ、さっさと学校に行こう。


「もう良いよ。んじゃ行って来るわ、母さん今日夕飯バイト先でくってくるから要らな…え?」


 俺は絶句した…ウチの玄関に昨日の頭のおかしい人…

 コールド★プッシャーさんがいらっしゃった。


「おはようございます、病院から脱走したんですか?郡御冷さん、俺の前に現れるなという以前に病院に帰れ」


 とりあえず皮肉の一つ言ってみる。


「酷い男だ、総統…家まで来ないと変身が解けないとは流石…総統…そのスマホのアプリにプッシャーアプリがあるので開いて。」


 最後命令された様な気がしたがスマホを出す…昨日までなかった、説明されなければ間違いなく消すプッシャーの顔がマークのアプリがある。

 長押しで消そうと思ったが消えねぇ…ウイルスじゃん…


 開くとゲームのステータス画面みたいなのが出てきた。

 『変身解除』…これか、これ押せば消えるんだな?

 

「あうふっ!♥いきなり玄関で!?♥」


 何がだよ!?解除を押すと画面に下部に『素早く擦れ!』上部には2個丸があって『素早く連打しろ』と書いてある…何なんだよもう…

 俺は指示通りに擦り連打した。


「あああぁぁぉぁアアア♥オアアアァおアァ!♥いぎだりじぢゃだみぇええぇぇぇっ!♥♥」


 何かキャットスーツの出来損ない?みたいな光沢のある新体操のコスチューム風な変身ヒロインスーツがみるみるうちに亀甲縛り中の大事な所が見えてしまう変態スーツに変わっていった…しかも御冷の身体を縛り上げながら激しく振動して居る…

 玄関に転がり混みながらのたうち回るプッシャー…学校に行きたいんだが…いや、行こう。


「これで変身解除できたろ?じゃあな…二度とくるな」


「あれぇ?御冷ちゃんじゃん?頑張ってんね!直太のゴミ性癖に合わせてんの?健気だねぇ♥」

 

 ヤベェ姉に見つかった…何で俺の性癖だよ!?まぁ良いや…逃げよう…


 学校に着くと…何となく俺の方を向いてヒソヒソと聞こえる…嫌だなぁこういうの…

 そして聞こえるんだよ…俺の中学時代の恥が…


『聞いたんだけどさ…新谷君って暴走族だったんでしょ?』


 違うよ違う…よくある話だよ、小学校の時の友人が暴走族になったんだよ…辞めろって言って疎遠になったんだから関係無いし…友人が族だって事で中学で孤立したんだから言わないで、お願いです…


『このご時世に暴走族って(笑)何か女の子とかに酷い事したり平気で人刺したりしてたんでしょ?だから郡さんも怒っているんじゃない?それに対してアレって酷くない?』


 いやいや、全然違ぇよ…もう、全く違う。

 平気で人刺したり女の子に酷い事してたら高校にいないでしょ?少年院でしょ?

 でも中学の時で学んでいる…昔はここから嫌になって学校に行かなくなった。

 ここで下手に弁明すると余計拗れる。過去に俺は言い訳して、クラスの奴と言い合いになり、友達だったヤンキーが要らぬ善意でそいつをボコり…居場所が無くなった。

 俺だって馬鹿じゃない。

 コミュ障の俺が挽回出来る訳もなし、中学時代に何もしなかった御冷にも期待しちゃいない、つーか今回アイツのせいだし。

 

 俺は絶望的な顔で先生を待っていると御冷が普通に制服でやって来た…コイツのせいなんだよな…

 でも何か壊れてるっぽいから今関わるのは嫌だなぁ…時が解決してくれるだろうか?


 昨日!少し話したカップル…タケルと弥生が話しかけてきた…


「昨日は災難だったね…でもほら、私達は1年の頃

から新谷の事知ってるから!だからそんな顔しないで!ね?」

「そうだよ!お前はパッとしねぇけど良い奴だって去年同じクラスだった奴は皆知ってるぞ!」


「おぉ…ありがとう…そう言われるだけで魂が救われるわ」


「大袈裟だなぁ、新谷は(笑)」 


 少し馬鹿にされた気がするけど本当に嬉しいんだぜ?

 それはともかく御冷も友達と談笑している。

 聞こえてんだよクソ女が…


「ねぇ大丈夫?女の子に酷い事するよね?」


「直太君の事?酷いね、酷ければ酷い程良い。でも大丈夫、すぐ行くから」


 相変わらず昔を知ってる人間からすれば貼り付いた笑顔で話す奴だな…

 しかし、酷ければ酷い程良いってどういう事だ?退学にしてぇのか?俺を…少年院にでも行かせたいのかな?

 何でだろうな、そんなに嫌か?だったら望み通りやってやるよ…


 俺はスマホを出しアプリを開く…

 もうなんかよくわかんねぇけど擦ったら大変な事に何だろう?朝バタバタしてたしな…

 なんかよく分からない機能がいっぱいあるが【遊びながらエレクチオンを貯める】を選ぶ。

 色んなマークがあるがよくわからんが雷マークのやつにしよう。多分、よくお笑いとかでやる電気が流れんだろうと思った。

 

 俺が全力でスマホを擦っているとふとした時に御冷が大きく目を見開いてこちらを見ていた。

 そして『待っ』みたいなこと言いながら手を伸ばしてきたので、待たねぇよと思いながら『貯めたエネルギーを開放する』をタップした。


 さぁクラスで恥をか…え?


 ベェデデデデデガゴゴガゴバババババババババババババババビババババババ


 聞いた事の無い音と共にクラスが光に包まれた


 ※次回、いよいよ探偵の登場だ!タイトル詐欺師クマシオをよろしく!皆愛してますよ♥


 

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