偽善者、天使になる。

上野大河（うえの　たいが）は偽善者である。周りによく見られるように振る舞い続けた。部活には所属せずボランティアを積極的に行い。困った人を見たらすぐに助ける。
クラスメイト全員のプロフィールを覚え、どんな人とも会話を弾ませる。
生徒会長を務め、教師陣からも絶大な信頼を受けていた。
ただ、上野大河は偽善者だ。それは完全な善行ではないため、精神は疲弊し、ストレスも溜まる一方だった。
グループワークでは、他のクラスメイトに陰で「大河がいるからなんもしなくても成績上がるわ、ガリ勉くんいるからちょろい」と言われる。
クラスメイトと良い交友関係を築けてるようで実際は利用されてるにすぎない。
それを知っても偽善を止める事はできない。
自分の首を自分で締めていると分かった上で今日も大河は偽善者を演じる。
たとえその場が天界だとしても。