第7話 スタートライン
「誰かと思えばハーダエルではないですか、お久しぶりです。いつ会ってもその低俗な考え方は変わらないのですね。」
「開幕からひどい言いようだなサエル。俺はお前の事をこんなに愛してると言うのに。」
「くどいです。私は貴方をこれっぽっちも愛してません。」
サエルの顔を見るとめんどくさそうな顔をしていた。2人の会話を見る感じ、いつもこんなやりとりをしているのだろう。
「そんで?マジでこいつは誰だ?俺はこんなやつ知らないぞ。」
「あぁ、紹介します。彼はさっき死んで天界で彷徨ってたところを私が天使にしました。名前はまだありません。」
そうか、過去に戻ってるから時間的には死んだ直後になるのか。
「ほーん。なかなか良い顔じゃねぇか」
ハーダエルが近づいてきて俺の顔をジロジロ見ている。
「あの、そんな顔を見られると恥ずかしいのでやめてくれませんか?」
「あ?なんだその話し方。さっき2人で話してた時はもっと軽い感じだっただろ。知らん人とか目上の人にそうやって接するタイプか、お前。正しいけど、嫌われるやつだな。そんで、前世の記憶持ちか…あぁ、ようやくここまできたのかサエル。」
「はい、ここまで辿り着けました。」
何のことだ?2人の会話の意味がわからないがサエルには俺を呼んだ目的がある。いつかそれを知る日が来るのだろう。
「おっと、俺の自己紹介がまだだったな。俺はハーダエル。守るモノの責任者であり、惑星ザナクを管理している組織のリーダーだ。」
またリーダーか。サエルは導くモノのリーダーだから、上同士の交流もあるのだろう。まぁ上と知り合えるのは働く時楽だからありがたい話だな。
「そういえば地球を管理してるリーダーはいないのか?いくら平和な国とはいえ、1人くらいは見てるんだろ?」
その時2人の顔が明らかに曇った。
「なんだ?地球のリーダーはいないのか?」
「いる。いや、いたと言った方が正しいかな。」
「いたって事は昔はいたんだな。平和だからって必要無くなったのか?」
「彼女は掟を破り、殺されました。」
「は?どう言う事だ?」
「天界の掟については知ってるだろ?掟その3、別の世界のものに特別な感情を抱かない。それを破ったのさ。」
「特別な感情…まさか」
「その通りです。彼女は地球の男に恋をして、調査と偽りその男性と交流をして、付き合いました。それがバレて殺されたのです。その天使の名前は、サルナロン。私の親友だった天使です。」
「サルナロン、か。ずいぶん懐かしい名前だな。」
その声が聞こえた刹那、サエルとハーダエルはまるで王を目の前にした平民のように地面に足をつけた。
「ほぅ、貴様がサエルが連れてきた天使か。」
「はい、そうですが。貴方は誰ですか?」
平然を装っているが、目の前にいるのは今までの天使と比べ物にならない雰囲気を感じる。そしてこの2人の反応。恐らくこいつが
「私の名前はセラフィム。お前の名前を授けると共に、恩寵とステータスの把握に来た。」
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