第22話 排除
ゆうくんからの電話が終わった後、私は暫く余暇に浸っていた。
ゆうくんが私に電話をかけてくれたことが余りに嬉しくて。
けれど、私の大事なゆうくんを困らせている害虫ガ居るだなんて。絶対に許さない。
私はスマホを開いてゆうくんのSNSをチェックする。すると、新しいフォロワーに「みりりん」という名前の女が目に入った。
すぐさまその女のアカウントを覗いてみる。
「なんで誰も構ってくれないの?」
「辛いよ…誰でもいいから私を愛して!」
投稿内容はそんなものばかりだ。誰でもいいから愛してほしいだなんて、この女はやはりゆうくんのことを本気で愛してる訳では無いみたい。
自分の寂しさを埋めるためだけにゆうくんにまとわりついているだけに違いない。
私はなんの迷いもなく「みりりん」という女をフォローした。そして奴にメッセージを送る。
「こんにちは。フォローさせて頂きました。SAYURIです。これから仲良くして頂ければ嬉しいです。」
暫くするとスマホから通知音が鳴る。奴から返事があったみたいだ。
「フォロバしたよ。」
奴からの返事はそれだけ。奴と上辺だけでも仲良くなることは不可能みたいだ。
最も、奴と仲良くする気なんて1ミリもないけれど。
私は奴の投稿を隅々まで監視する。
「隣のクラスの子かっこいいな〜仲良くなりたい」
数日前にそのような内容の投稿をしていた。隣のクラスの子は恐らくゆうくんのことだろう。
「ふーん。ゆうくんのこと何も知らないくせによく言うわね…」
私は奴に対する憎悪のあまりそう呟いていた。奴をどうやって追い詰めてやろうか?そんな考えが頭の中で巡る。
「大丈夫だよ。ゆうくん。悪い虫が寄ってこないようにちゃんと守ってあげるからね」
私は大切に保存してあるゆうくんの写真に向かって笑顔で言ってあげた。
「未莉ちゃん…あなただけは絶対に逃がさないからね」
ゆうくんに危害を加えるような奴は社会的に抹殺してあげないなきゃね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます