生死と、救いと。


本編ほかのおはなしを拝読した上で、レビューしております。
ネタバレは避けたいのですが、あらすじの二行目に、本作の主人公の非業の死、と記載がありますので、そのことだけは言及させていただきます。

さて。

非業の死をとげた、主人公、本編の主人公の母は、魂となります。
その、いまわの時の描写は本編にもありますが、本作にもあり、わたしは、自分がおなじ場合におこなった行動ととても似ていたから、辛くて、そのことで、主人公の娘と自分とが切り離せない想いになったものでした。

ふわふわと、うつしよを彷徨い、娘をみまもり、はたらきかける。とおく、とおくに、還る過程で。

いろいろなひとに、いろいろな想いを、魂ならではの方法でつたえ、そうして。

わたしが最初からずっと泣きながら読んでいるのはもう、自明ではあるのですが、身を捩って、机にあたまを打ち付けながら、わたしは、声をださずに、叫んだものです。

よかったね。

よかったね。

救いは、生命の有無と、無縁です。

からだのありなしと、関係がありません。

とおく、とおくで、救われた。

もう、美しく、ほほえましく、憧れであり、ただただ、こうべをたれたい。

ああ。おだやかなれ。

いのち。ぜんぶ、おだやかなれ。

ありがとうございました。

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