第14話 気味悪がられたこども
私が経験した心霊体験、心霊現象は、基本的に昼間が多い、と書いた。
これも、昼間の話だ。
ある日。
小学校に通っていた私は、こう聞いた。
「明日はパパもママも遅くなるから、
先に寝ていて」
うん、と答えたのか。
さて。
その次の日、帰ろうとしたところ。
ちょうど、その小学校には、梅の木があって、木の上から私に向かって話しかける声がする。
私はこう聞いた。
「今日、パパは夜9時ごろ、
ママは夜10時ごろに帰ってくるよ。
その時間まで起きていればいいよ」
正確な時間と順番は忘れたが、こんな感じだったと思う。
さて。
その夜。
本当に、パパも、ママも、その時間に帰ってきた。
問題は。
そのあとだ。
私は養子で、パパもママも、私をひったくるようにして、実母と実父から私をうばった。
にもかかわらず。
2人は。
そんなふうに語る私を。
気味悪がった。
気持ち悪い、この子。
当時小学2年生だったが、この時から、心霊体験は、胸にしまうようになった。
養子である以上、いつ、家を追い出されるか、わからない。
私が演劇の世界に逃げ込んだのは、そう言った事情がある。
霊感があっても気味悪がられることはない、と知ったのは、それから、20年以上も経ってからだった。
第14話、終わり。
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