第16話 見えない蜘蛛の巣

 私の心霊体験は、昼間に経験することが多い。


 これは、珍しく、夜に経験したできごと。

 

 高校二年生の頃。


 ひどいいじめにあっていた、私は、いつも死ぬことばかり考えていました。


 知ってますか。


 思春期って、霊感がもっとも高まる時期で、その時期に、もっとも霊感を高める方法は、死にたい、と思い続けることなんです。


 だから。


 気を抜くと、あの頃は、くもの巣、みたいな糸にひっかかることが多くて。


 あとで。


 と言っても、実は。

   

 あまりにも生きづらくて私、江原さん、スピリチュアリストの。


 その人の掲示板に入り浸っていた時期があるんです。


 芸能人って、スピリチュアリズム、心霊主義にハマりがちだけど、アイドルをやめた後の私も、典型的な道をたどったわけです。


 そこで、わたしはこう聞きました。


 それは、死者の霊、だって。


 自分ははっきり幽霊を見た経験は、あまりなかったのでわからなかったのですが、死者からのメッセージ、伝言だった、と、解釈しました。


 そこから、それからは、昼間、夕方に、見えない蜘蛛の巣に当たった時は、

「見えない霊がなぐさめてくれている」

「こっちにくんな、と言ってくれている」と解釈しています。


 たいていの場合、幽霊は、自殺を嫌がっているみたいで、引きずり込む体験は、ありがたいことにありません。


 人間は、人をぽんっと押せるけど、幽霊は必死に止めているみたい。


 人間と幽霊、どっちをあなたは、信じますか。


 第16話、終わり。

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