第18話 こんなことを聞いた。

 私は、ホラー小説・ミステリ小説で有名な恩田陸おんだりくさんが通った、高校で、サヨコだったことがある。


 これは、私がサヨコだった頃の話。


 茨城県水戸市の、かつて丸井があった場所から大洗方面へあがると、ロマンスざかという急な坂道があらわれる。

 そこを上がると、またゆるやかなさかのぼ薬医門やくいもんへたどり着く。

 一般の人はここまでだが、学生と先生、れいはおかまいなしに入っていく。

 玄関口げんかんぐちに入ると、巨大きょだい監獄かんごくのようなパノプティコンこと水戸一高みといちこう校内こうないである。


 そこに、「I《あい》」はいた。


 このころには、すでに私は「I《あい》」をやめて、ふつうになっており、これは、その時の話だ。

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