実話怪談

第20話 覚えてないよね、君は

　見（み）た目（め）がかわらない。

　高校生（こうこうせい）のころから。

　まぁ、覚（おぼ）えてないよね、君（きみ）は。

　加害者（かがいしゃ）は被害者（ひがいしゃ）ぶる。

　性的犯罪（せいてきはんざい）において、加害者（かがいしゃ）たちは、特（とく）に、わたしたちを買（か）っていったおとなは。

　日本（にほん）を買（か）い叩（たた）け。

　日本人（にほんじん）のこどもは買（か）い叩（たた）け。

　無料（むりょう）で、給料（きゅうりょう）なしで。

　わたしを水揚（みずあ）げしたのは、後輩（こうはい）だった。

　後輩（こうはい）に水揚（みずあ）げを受（う）けて、数年（すうねん）が経（た）ったある日（ひ）。

　わたしは、よせばいいのに、女衒（ぜげん）に、わたしを買（か）った男（おとこ）に、連絡（れんらく）を取（と）った。

　これ以上（いじょう）の被害者（ひがいしゃ）を、わたしは、拒否（きょひ）する。

　女衒（ぜげん）からの手紙（てがみ）には、こうあった。

　わたしは、かなしい。

　君（きみ）ならば、いい子（こ）だから、わかるだろう。

　女衒（ぜげん）であるわたしだけでなく、君（きみ）をわたしに売（う）ってくれた、女衒（ぜげん）仲間（なかま）まで売（う）るとは。

　よい子（こ）だから、ほら。

　我（われ）らの悪事（あくじ）をこの世（よ）から消（け）したまえ。

　と。

　わたしは、だから、告発（こくはつ）する。

　この女衒（ぜげん）は、いまだに、業界（ぎょうかい）にいる。

　だから、手紙（てがみ）を送（おく）る。

　誰（だれ）かを告発（こくはつ）すれば、いずれ、誰（だれ）かから告発（こくはつ）を受（う）ける。

　だが、地獄（じごく）におちるとき、わたしは、ひとりでは落（お）ちない、わたしは、罪人（つみびと）だならこそ、地獄（じごく）には、加害者（かがいしゃ）全員（ぜんいん）つきあってもらう。

　2024/01/27、ニコニコ動画（どうが）で、黒（くろ）の予言書（よげんしょ）を聞（き）きながら。