概要
『白玉の昊』第三章 保食の指先が南を指す「――烏が、中枢に辿り着いた」
『白玉の昊 序章』『白玉の昊 破章』に続く第三章となります。
八咫(やあた)と食国(おすくに)が瀛洲から出奔を果たしてから七年を超える月日が流れていた。食国は白浪にて王の座を確立しつつ、七年の眠りから目覚めた悟堂(ごどう)を側近に置き、白玉に纏わる秘密を公にしないために如艶の口封じを麾下に命じる。
一方、仙山の保食(うけもち)は蓬莱に帰還している間、彼女の下を訪う沙璋璞から帝壼宮内の情報を探ろうと手練を弄していた。璋璞に情愛がある素振りをみせながら病弱を装う保食だが、その本心を知る水泥は、彼女に本当はどうしたいのかと問い続ける。
そして璋璞は保食に内密にその事を知らせた。
『水源汚染、不是白浪』――水源を汚したのは白浪ではない。
白玉解放のため贄を『環』に捧げる、その為に全ての者達が終に動き出した。
八咫(やあた)と食国(おすくに)が瀛洲から出奔を果たしてから七年を超える月日が流れていた。食国は白浪にて王の座を確立しつつ、七年の眠りから目覚めた悟堂(ごどう)を側近に置き、白玉に纏わる秘密を公にしないために如艶の口封じを麾下に命じる。
一方、仙山の保食(うけもち)は蓬莱に帰還している間、彼女の下を訪う沙璋璞から帝壼宮内の情報を探ろうと手練を弄していた。璋璞に情愛がある素振りをみせながら病弱を装う保食だが、その本心を知る水泥は、彼女に本当はどうしたいのかと問い続ける。
そして璋璞は保食に内密にその事を知らせた。
『水源汚染、不是白浪』――水源を汚したのは白浪ではない。
白玉解放のため贄を『環』に捧げる、その為に全ての者達が終に動き出した。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!全ては長き歪みを、いや、すべては──
序、破、急と読んで一区切り。
序は八咫と食国だけでなく彼らの周囲を巡る、言葉通りすべての始まり。
破は彼らが賢明にやれるべきことを果たして行く中、明かされる衝撃的なお話。
急の章はその結果が現れていくはずなのですが、破の章にも負けじと劣らぬ展開と衝撃的な真実が……。
日本神話やお伽噺を知っている人にはたまらない一品。この話にある濃密な文章はこの白玉の昊の世界観そのもの。
表現もまさに古事記や風土記を感じさせます……。展開が気になりすぎて、ページをめくる手が止まらねぇというやつです。
白玉の昊を読むなら
序 破 急
の順番がおすすめ。
この話と濃さはハードカバーの本ですよ。これ。普通に一…続きを読む - ★★★ Excellent!!!絡まり合う人々の思惑と関係にどっぷり沈む
序章・破章ときての急章である。
果たしてどのような急展開を迎えるのかと、捲る手が止まらなくなるのは必至である。
覚悟というものがある。
人が覚悟を決めるのはどんな時か。何かを守ると決めた時か、己が信念を定めた時か、あるいは誰かの覚悟に触れた時か。
揺るぎない彼らの歩みには、ただそれを尊重して見守るしかないだろう。
緊迫した雰囲気から安定した雰囲気と緩急をつけながら物語は進む。
自分で読んでいるはずなのに、気付けば彼らに運ばれていっている。そんな気分になりました。
まだまだ途上の彼らに、これからも運んでいってもらいたく思います。
まだ未読の方、必見の作品です。
ぜひ序章からどうぞ。
序章…続きを読む