神話や民族学が好きな方、絶対刺さります

すごい作品です。これぞ青少年が読むべき一般文芸のファンタジー。なぜ図書館に置かれていないの?

他の作家様のお名前を出すことはマナー違反かもしれません。しかしあえて出させていただきます。(駄目だったら編集します)
上橋菜穂子先生作品がお好きな方、ぜひ、ぜひ読んでください。物語から溢れ出す生命の香りに鳥肌が立ちますよ。

本作の主人公ラケが生きるのは「イェンダ」という集落ですが、その描写が素晴らしい。
人々の息遣い、食べ物の匂いや味、生活音。作者様がイェンダ集落を心から愛していて、それが読者にもまっすぐ伝わってきて、我々読者は一話目からイェンダの人々のことが愛おしくてたまらなくなります。
しかし無情にも物語は人々を呑み込んでいく――

主人公の武器は足です。
蹴り技という意味ではありません。少女を抱えたまま険しい山道をひたすらに走る、その腕力と脚力、否、胆力と精神力たるや。

追い縋る闇に負けず、強く生きよ。

今、苦難に下を向いておられる方は、そのままの体勢で結構ですので、この物語の最初の1ページを開いてみませんか?
きっと読み終わった頃にはすっきりとして、気付けば前を向いていることでしょう。

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