民俗、神秘、冒険活劇。神話を感じるアジアンファンタジー

山岳集落イェンダ。蛇神の災いと共存してきたそこでは、少女が現人神として祀られていた。祭りの日、集落は蛇の群れに襲われる。《神の御脚》である主人公ラケは現人神を抱え、その足代わりとなって駆ける。

どことなく児童文学の雰囲気を感じるこちらの作品には、その土地に根付く文化や精神が、とても生き生きと描かれています。どういった経緯で人がそこに住み、その暮らしの中でどんな生業や風習、民族性が育まれていったのか。それらには自然な必然性のあったことがひしひしと感じられ、人々の逞しさ、生きることの尊さといったものが伝わってきました。
ストーリー、作中で語られるイェンダの精神、そしてどこか人間臭さを感じる神々からは大事なことを教わったように思います。鮮やかな伏線回収も相まって、作品の持つメッセージが真っ直ぐに心に差し込んできました。

ハラハラドキドキ、感動もできて、苦も楽も光で包まれる。読めばきっと誰もが力をもらえる作品です。
近況ノートで公開されているイラストも素晴らしいです!

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