「天険のまほろば」に住まう人と神の物語

章タイトルの「天険のまほろば」が良く似合う美しい物語です。
ヒロインの少女(現人神)は地面に足を付けることも喋ることもができない。マジで⁉ そんなのムリ……と思わせる設定が秀逸です。「脚」となる主人公は常に少女を抱えていなければならない。その困難さが、物語を盛り上げるわけですね。素晴らしいアイデアだと思います。自分には思いつけない……。
「篤き恩寵のイェンダ」というタイトルも、その意味が回収されるラストも見事です。

一番好きなシーンは、祭りの日にラケとスニルが踊る場面です。神秘的ないでたちと躍動感。その場で見てきたような臨場感。たぶん本当に見てきたのでしょう、第三の眼で。

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