概要
お前がこの名でいるかぎり、誰もお前を殺せない
広大な北の大地ヒュンノールを治める大君主・オグトログイの〝足置き〟として仕える奴隷・オルヌドはある日主人を目の前で討ち取られる。攻め入ったのは湖の谷アニロンの軍だった。
憎しみを募らせたオルヌドは復讐を誓うが、オグトログイを殺した張本人であるアニロンの若き王・センゲに助けられる。新たに〝ツェタル〟と名付けられ、反抗しながらも徐々に心を開いてゆく。
しかし、ツェタルのある力を狙う者たちの暗躍をはじめ、王城で勃発した大反乱により国は混迷の渦に飲み込まれる。
ツェタルはセンゲが窮地に陥ったことを知り助けに向かうが――――。
人と神々と見えざる力が交錯する、古代チベット風・生生流転ファンタジー。
【あか い しまめのう の つぇたる】
総文字数約12万字
※※※
年少者が虐
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ここでしか読めない!土臭く血腥く、尊い。古代チベット風戦記ファンタジー
タイトルに添えられたフォント、古代チベット風というタグに、読む前からワクワクが止まりませんでした!
奴隷オルヌドは主を討ち取られ、敵国に捕まる。その燃え上がる憎しみは、敵王からツェタルという名を与えられ、今まで知り得なかった様々なことを目にするうちに、混乱や温もり、葛藤に変じていくのだった。
一方、反乱によって国も混迷を極めていく。
人々や国の思惑が激しくぶつかり渦を巻く、非常に読み応えのある戦記ファンタジーです。
国や歴史を揺るがすような大きな戦いは、それだけでもドラマチックなものですが、その中でぶつかり合う人々の思い、数々のヒューマンドラマも非常に魅力のあるものです。登場するキャラクタ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!チベットの風を感じる重厚な物語です
風土・文化・政治。これらが複雑に絡み合って展開される物語は、文体も相まって非常に濃密で、読後の余韻が凄まじかったです。
さまざまな思惑が渦巻く中で、主人公のツェタルが周囲の優しさや真心に触れていく様子が丁寧に描かれ、大変引き込まれました。
登場人物の中ではンガワンが特に好きで、彼とツェタルのやりとりとその変化は、なんとも言えぬ良さがあります。乱暴だけど心根が優しく、思慮深いことが伺えます。
またンガワンとセンゲ、そしてユルスンの関係性には心揺さぶられました。こういうの大好きです。
ツェタルたちがどんな道を辿るのか、毎話追うたびに思い耽ってしまいました。
続きが気になりつつも、長く深く味わ…続きを読む