赤い縞瑪瑙のツェタル༄༅།གཟི་མིག་དགུ་པའི་སྤྲུལ་སྐུ།།༗
合澤臣
序章
別離
そのとき初めて頭を撫でられた。包み込むほど大きな手で。
「
そして、といつもと変わらない感情のない調子で続けた。
「
「……わかった……」
気丈に答えたつもりが、鼻を鳴らすようなか細い呻きにしかならなかった。
「離せ」
「イヤだ…………‼」
離したら、きっと、きっと……合わない歯の根をどうにか噛み合わせようとした。そんな下僕を主は無言で見下ろし、小さな
「俺の言うことが聞けないか」
睨み据えられ、二つの恐怖に身が
「い……いっしょに、連れてって」
「ならぬ」
即座の短い禁止はそれ以上の会話を締め切った。さっと立ち上がった男は泣きながら途方に暮れる下僕を最後にもう一度一瞥し、それから背を向けた。もう何の未練もないというように。
剣の鞘走りを聞いた。同時、扉が内側へと爆散し木っ端が飛んだ。
なだれ込んできた敵たちはたった一人で剣を構える主を取り囲む。心臓が一瞬にして凍りつくような激しい
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